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まいかのあーだこーだ

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2024.07.22
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電車降り夜空に息を吐く溽暑 帰省子のデッキに立ったまま眠る 各停の列車冷房逃げていく ラッシュ降り消残る皺や麻スーツ 止まらない揺れる想いと脇汗が メイク落ち極暑の車窓 あんた誰? 飛んできた謎の水滴梅雨であれ 幼子を守る隙間に青田風
7月19日のプレバト俳句。
お題は「夏の満員電車」。



清水アナ。
各停の列車 冷房逃げていく


句材として、
> 各駅停車だと冷房が逃げるよねえ。
…と詠むだけなら川柳かな。

俳句の背景ではあっても主題とは言いがたい。

ためしに、
冷房の逃げる各停 坊主の子

としてみました。




山田邦子。
メイク落ち極暑の車窓 あんた誰?
極暑なる車窓 メイクの落ちし吾われ
(添削後)

これも原句は川柳ですね。

かたや添削句のほうは、
「極暑なる車窓」って言い方に違和感がある。
暑いのは「車内」であって「車窓」ではない。

さらに、
季語に「暑し」「汗」などを選ぶと、
取り合わせが因果関係になってしまうので、
すこし離す必要がありますよね。

ためしに、
梅雨明の車窓にメイク落ちし吾

としてみました。



藪宏太。
幼子を守る隙間に青田風
子が潰れそう 満員の冷房車
(添削後)

作者いわく、
> 幼子のために確保した電車内の僅かなスペースに
> 青田風のようなエアコンの冷気が流れ込む

…という様子を詠んだらしい。

しかし、字面からは、
電車内の場面とは分からないし、
人の隙間ではなく隙間風のように見える。
季語の「青田風」を比喩に用いたのも失敗。

かたや添削句のほうは、
原句の意図とは異なる改作だし、
やはり取り合わせが因果関係になってます。

作者の意図を17音で表現するのは困難ですが、

ためしに、
隙に立つ子は涼しげな満席車

としてみました。



紅しょうが稲田。
止まらない 揺れる想いと脇汗が
脇汗の滂沱 想いは揺れている
(添削後)

原句も、添削句も、
字面だけでは電車内とは分からない。

なお、
「冷や汗」は季語じゃないと思うけど、
精神的な緊張から来る「脇汗」も、
夏の季語になりうるのかどうか微妙です。

ためしに、
通学の君と相席 止まぬ汗

としてみました。



KEIKO 。
飛んできた謎の水滴 梅雨であれ
満員電車 水滴は汗か梅雨か
(添削後)

これも原句には電車の描写が欠けてる。

しかし、
それ以前の問題として…

梅雨は飛んできたりしないし、
電車のなかでは雨も降りません。
その意味でいえば添削句も意味不明です。

ためしに、
満員の電車に汗の雨と降る
としてみました。



金子恵美。
ラッシュ降り消残る皺や 麻スーツ
麻服にラッシュの皺の残りけり
(添削後)

原句は、
「降り消残る」と動詞が続くのが難点かな。

そして、
中七で切れてるけど内容は一句一章です。
これは倒置法とも解釈できますが、
芭蕉の「最上川」と同じように、
明治以前のシステムで詠んだとも解釈できる。

誤読の惧れはないので、
原句のままでもいいとは思うけど、
先生はやはり一句一章に直してますね。
そのほうが形式と内容が一致する。



的場浩司。
電車降り夜空に息を吐く溽暑
電車降り夜よるへ溽暑の息を吐く
(添削後)

原句も悪くはないけど、
これは添削のほうが一枚上手でした。



梅沢富美男。
帰省子のデッキに立ったまま眠る
帰省子か デッキに立ちしまま寝るは
(添削後)

先生は、
「見ただけじゃ帰省子とは分からない」
と言って倒置法の疑問形に直しましたが、

…これは原句のままでもよいのでは??


わたしは以前、
二月の焼肉屋 涙の受験生

という清水アナの句に対して、
「見ただけじゃ受験生とは分からない」
と書きましたが、
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/202402120000/
それは制服の若者がいたとしても、
1年生か2年生か3年生かは分からないから。

しかし、
夏休みに満員の下り列車に乗ってるのは、
ほとんどが帰省客なのだから、
そこを疑問形にしたら、かえって不自然です。



なお、昔から世間では、
盆と正月に帰省する人がほとんどだと思うけど、
なぜか「帰省」は夏の季語で正月の季語ではなく、
他方で「お盆」は秋の季語になっている。

つまり、
俳句の世界で「帰省」は盆でも正月でもないってこと。
その理由は謎ですが、
もしや「バカンス」の訳語のつもりだったのでは??
…などと考えてしまいます。


▽過去の記事はこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12




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最終更新日  2024.07.22 09:30:11
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