月刊 秘伝 を買ってみた &バイオリンとスワイショウ
古武術で介護とか健康法とかを説くのを、近年よく見かける。そうした本の一冊をパラパラと立ち読みしたら、『月刊 秘伝』連載をまとめたものと書いてあった。雑誌コーナーを探すと、「膝に負担をかけない方法」などが載っている。雑誌名やら、表紙にある特集の赤字「武道家のための身体解剖学」という題が、かなり恥ずかしかったのだが、1000円未満だったので、購入。特集にある内容は、…。結論を先に言うと、私には武術雑誌というのは、向かない、もしくは、まだ早い。6年ほど前、陳式太極拳(大架)の体験初日に習った内容、すなわち基本功と同じようなことを、骨と筋肉の構造を交えて、ムツカシイコトバで解説しているという感じを受けた。読み物としては、面白かったが、実践的には、現在習っている陳式(陳小旺大人の38式、陳式老架一路、基本功数種)で私には十分だし、そのほうが解り易い…。私のような健康体操派には、文字で読んでも、動きの実感が湧かず。たとえば、スワイショウ「言葉の意味:ほおりなげる」(背骨からねじる感じで、腰のひねりの遠心力により、両腕を左からぽーんと遠くに、抜けるイメージでほおり投げる。そして右からまた、遠心力で戻す、を数回繰り返し、だんだん小さく、最後は太極拳式の深呼吸。)は気持ちいいし、この動きで体のズレがある程度治ると言うのも、実感として解る。しかし、購入した雑誌にあったような、脊椎、腰椎、その周りの筋肉の動きを「連動させることを意識する」と言われても何が何だか解らない。具体的にスワイショウの記事はなかったけれど、腰や背骨から肩肘張らず脱力する、というような動きの解説が、骨と筋肉の図解つきで解説されていた。丹田まわし(丹田に発する気をお腹のへんでグルグルやる練習。)も、ハラがどうのこうの、と、なんか色々理屈を言われるより、先生の真似してるほうが、ずっと解り易い(出来ているかは別として、どうなればできているのか、は解る。)。先生いわく、「3年もやれば、何をやっているのか(実感で)わかります。たぶん。」たぶんて。その大雑把さが、やはり、太極拳の魅力。話がずれた。また、榎木孝明氏の映画関連インタビューはダイジェストのような感じで、武術雑誌のインタビューと言うものから想像していたのとは、かなり違う。もっとも、武術雑誌と言うものは初めて読んだのだが。サラサーテとかウクレレマガジンとか、一般愛好家向け音楽雑誌のインタビュー記事にあるような、解る範囲での具体的問答を想像したが、テレビの芸能ニュースインタビューみたいなのが掲載されていた。珍しい流派の話題も、彼の流派とどう違うのかよくわからなかった。マニアックな人には、記事内容だけで、解るのかもしれないが…。付記1.ところで、この雑誌、一時期トンデモとして一部で名高かったそうですが、私の買った最新号では、トンデモ的面白さは無かったように思います。マイナー武術の図解付き紹介がいくつか出ていて、読み物として楽しくはあるのですが…その武術が「本物」「インチキ」かどうかは、私には判断つきかねますし、なんというか、どっちでもいいので、フーンと眺めて楽しむ程度です。つまり、トンデモ的(かつての香港電影のような)楽しさは皆無でした。付記2.子がバイオリンで音を出す練習をはじめた。が、前から課題だった肩肘手頸の脱力ができておらず、来週までにクリアできなければ、音出しはまた先送り。そこで、「ブラブラ体操」と称して、スワイショウを教えた。まだ二日目だが、多少の効果があったように思われる。太極拳式の深呼吸と、ついでに右拳を左手に合わせる礼も教えた。子供もブラブラタイソー!!と言って喜んでいる。私も改めて、首肩背中の慢性的凝り解消のため、スワイショウの練習を増やすことにした。何より、子供と一緒にやるのは、とても楽しい。