早いもの勝ち?
昨夜はちょっくら実家に戻っておりました。実家の庭は、すっかり冬模様。灰色のフィルター越しに見るかのごとし・・・。すべてが冬に飲み込まれたように、シンと押し黙っております。「冬」というものは誠に「寒々し」く「冬らしい」景色になるもんですね。(当たり前のことですが。いつも感心するんですわ)昨年の夏の、ギラギラとした猛々しい景色を忘れてしまいそうです。ああ・・・さぶい。とはいえ・・・春は確実に近づいておりまして。見ると、梅のつぼみは膨らみサザンカは控えめに赤い花をつけ・・・これから出番を待つ椿の木々にはたくさんの蕾が。椿の中でも・・・庭の隅っこの侘助の木はいち早く、白い小さな花が満開でありました。侘助(ワビスケ)は椿の種類の一つ。猪口咲きの小さな花をつける椿なり。実家の庭には、父が好きで植えた椿がたくさんありますが。中でも、毎年一番最初に咲く・・・一番地味な椿でございます。*ほんとうに小さい椿です*母と私は、ちょっと寂しげなこの椿が一番のお気に入りで毎年楽しみにしていますの。そして、その期待に応えるがごとくたくさんの花をつけるのです。が。この侘助を待ち遠しく思っているのは、ワタクシたちだけではございません。庭にやってくるさまざまな小鳥たちもまた、この花を心待ちにしているんでございます。小鳥って、お花を食べちゃうんですわよね。。。多分、花粉とか中の蜜とかを食べておるんでしょうけれど。蕾にも、その小さく鋭い嘴で穴をあけて食べちゃう。他にも、椿の蕾はたくさんあるんですけれどね。とにかく、侘助は大人気。(乙女椿も人気ありますが、侘助が断然人気!)そう大木でもないのに、今朝もツグミの類が3羽も4羽も群がって侘助をつっついておりました。小鳥は目ざといですわよ。美味しいものをばちゃんと知っています。私も、鳥みたいに空を飛べたらもっと美味しいものを目ざとく見つけられるんじゃないかとときどき思ったりしますわよぅ。母が「あ~~お正月は、玄関の千両を生け花に使おう」と思っていると・・・「さて」と見に行ったときには、すでに千両の実は一粒もなし。(モチの実よりも千両が人気です。)侘助もまた・・・同じでして。花は食べられ、蕾は食べられ・・・。母が、「侘助が咲いた」と剪定ばさみを手に庭に出ると殆どの花がやられてしまっていて「くやしい~~~~~」んだそうですよ。まあ・・・こればっかりは仕方なし。毎日たくさんの花をつけますのでね。小鳥が寄ってたかっても・・・まあ、人間が「きれいね」って飾る一枝くらいはどうにかなるというもの。小鳥の食べ残しを、ときどき一枝いただいて・・・春の始まりのシルシを部屋にそっと飾っております。*今から咲きま~~す!*