カテゴリ:万葉恋々
山部赤人(やまべのあかひと) 春の野にすみれ摘みにと来しわれそ 野をなつかしみひと夜寝にける 万葉集 1424 春の野に菫を摘もうとやって来たわたしだが 野原があまりにも懐かしく心地いいので そのまま一晩寝てしまったよ。 註 「来(こ)」は、(現代語「来る」ではなく)古語動詞「来(く)」の連用形。短歌では、近現代でもしばしば懐古趣味的(レトロスペクティヴ)な効果・格調などを狙って用いられる。 「そ・・・ける」は、強調・整調の係り結び。「そ」は平安期には「ぞ」になった。 形容詞「なつかし」は、動詞「なつく(懐く)」と同じ語幹(「ゆかし」と「ゆく(行く)」の関係に相似)。「なつかしむ」は、それをさらに動詞化したもの。 スミレ Viola mandshurica ウィキメディア・コモンズ パブリック・ドメイン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年04月21日 03時19分19秒
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