デンマークのローズウッドのサイドボード
ミッドセンチュリーのサイドボードを修理しています。デンマーク製でローズウッドで作られています。全長2メーター以上、かっこいいですね。家具の表面はローズウッドの薄板で貼られています。部分的に無垢のローズウッドも使われています。この薄板の下ってどうなっているのだろう?なんて普通の人は思わないでしょうが、おせっかいで書きます。チップボード、もしくはパーチクルボードという合板の上に薄板が貼ってあります。木を細かくほぐしてフレーク状にして、接着剤と一緒にギューっと固めると厚さの均一な板ができます。これがチップボードです。写真でそのチップボードの断面が見えます。このチップボード、無垢材よりも安く厚みも均一なので、この家具が作られていた頃は薄板貼りの家具の下地材としてよく使われていました。これがこの材料の長所。今でもカラーボックスやイケアの家具なんかにも使われています。じゃあ短所はというと、水を吸うとふやけて膨らんじゃいます。木ネジをもみこみすぎるとボロボロになってネジが効かなくなります。そして割れてしまったときは、接着しても元の強度を回復できません。結局家具が壊れなければなんで作られてようが問題なしです。でも壊れた家具をなおす立場の私にはちょっと問題です。なのでこのサイドボードの修理もちょっと問題です。それは置いといて、現在では同じような家具を作る時の下地材にはもっと問題の少ない合板を使います。なので修理でチップボードを使った家具が持ち込まれると、「昔はチップボードを使うのが最良の選択だったんだなー。でも修理は大変だなー。家具の材料も進歩してるんだなー。」と独り言を言っています。