メールで真情吐露。
*以下はインフォシークニュースからの引用です。 「リスク負っても腹くくる」岡本容疑者が心情メールに (読売新聞) 「ある程度のリスクを負っても、腹をくくってやります」――。ライブドア関連会社「バリュークリックジャパン」(現ライブドアマーケティング)の前社長・岡本文人容疑者(38)が2004年、バリュー社株の高値売り抜けにつながる株式分割を実行する際、社内メールで揺れる心情を吐露していたことが分かった。 メールの文面からは、証券取引法違反(偽計など)の疑いが指摘されているバリュー社株を巡る取引に、岡本容疑者が逡巡(しゅんじゅん)しながら手を染めていく過程が浮かび上がる。 バリュー社は04年10月、株式交換によって出版社を買収する際、バリュー社株の株価つり上げと売り抜けが本当の目的であることを隠す、虚偽の発表をした疑いなどが持たれている。 岡本容疑者は翌11月、株価を高騰させるため、バリュー社株の100分割を発表するが、その過程で同社幹部にメールを送っていた。 「最終的に迷った部分でいくと、個人としてのリスクです」。岡本容疑者はメールの中で、株式分割について、自らが責任を問われかねないと感じていたことを示唆している。そして、問題が「ファンド(投資事業組合)への利益供給です」と、明言していた。 ライブドアは04年以降、株式交換を使った企業買収で、実質支配する投資事業組合に自社株を保有させた後、株式分割で株価を高騰させて売り抜け、利益を得てきた。岡本容疑者は「ライブドアがここまできたのもこの手法を使ってのことです。今回もそのスキーム(枠組み)を使って、企業利益を作ろうとしてる訳です」とも記し、バリュー社の株式分割の狙いを明確に示していた。 ただ、一方で、「ライブドアは怖い会社です。『バリュー社はそうしない』と決めていたつもりですが、結局、力のない会社が戦っていくためには、この手の手法を使うしかないのです」と、ライブドアに引きずられる形で、株価つり上げ工作に踏み切っていたことをうかがわせた。 「リスクを回避するために、私がバリュー社をやめることは簡単ですが――」「ライブドアとは、いつけんか別れしてもいいと、個人的には思っています」 そう迷いものぞかせながら、最後には、「ここ1年は何があってもやりとげ、次のステップでまた生き方(辞任)を考えようかと思っています」と会社にとどまる決意も示していた。 岡本容疑者が、ライブドア前社長の堀江貴文容疑者(33)らとともに逮捕されたのは先月23日。このメールを出した約1年2か月後のことだった。[ 2006年2月10日15時30分 ] ============ 以上引用終わり。*私が30代の頃愛読した『死霊(しれい)』(埴谷雄高=はにやゆたか著)はsad,bad,glad,madの四兄弟がそれぞれ自らの生存在の秘密について真情を吐露するという大きな構造の元に展開される、言わばこの国ではあまり書かれることのない観念小説だった。*というわけでこのニュースによれば、ライブドアの彼の場合、分割・粉飾・偽計による自社株の売り抜けという手法には、当時からかなりの危機意識を抱いていたことがメールの現物から確認されているようである。 今は独房で小学生の頃愛読していた百科事典を愛読しているというホリエモンは、かつての自分の部下達のこうした証言の全てを覆す反証を用意しないと、裁判には勝てない。 戦いの場が法廷に移された後、ホリエモンは自らの真情を吐露した手記をどこかの週刊誌にでも売り込むつもりなのだろうか?