新しい公立高校の入試制度について考える 1
現中2から変わる新しい公立高校の入試制度について考えている。詳しいことは一昨日にまとめたので、そちらを読んでいただきたい。問題は、実際にはどう変わるか、ということだ。制度というのは、「立て前」と「実際」の二つの顔を持つ。生徒たちにとって重要なのは「実際」の方の顔だ。今回の最大の変更点は、全員が「5科の入試+面接」を受験すると言うことだ。しかも、合否に占める「面接」の割合が最低でも2割、ということになると「面接」が大きな役割をするように見える。これが「立て前」の顔だ。実際にはそうならないだろう。どうしてか。ここからは、私の推測です。数年前に平塚の神田高校で、髪の色やピアスの跡、スカートの長さなどを教員が出願時や受験日にチェック。合格圏内に入っていた22人が不合格とした問題がありました。県教委が公表している選考基準では、外見や服装は選考基準になっていなかったことが問題となり、校長は解任。県は不合格とした生徒たちと慰謝料を払うなどの和解をしました。面接の比率を大きくしておけばどうでしょうか。面接の基準の中には、服装や態度などを入れることが出来ます。当然、テストの結果が合格圏内だとしても、面接で不合格にすることができます。下位校であれば、面接の割合を2割ではなく、3割や4割にすることも可能なわけです。つまり、この数年前の事件の反省が、面接の比率を大きくしている理由だと推測します。実際、現在おこなわれている前期選抜試験でも面接は実施されています。ただし、数百人の生徒を1日で面接するのですから、基本的にA,B,Cの3段階ぐらいでしか成績をつけていないようです。しかも、AとCというのは滅多になく、ほとんどがBとなってしまう。結果的に、学校成績だけで合否がわかれてしまう、というのが現実なのです。新しい入試制度での「面接」もそうなってしまう可能性は大きいのではないでしょうか。ということは、「5科の入試+学校成績」で合否が決まってしまう。さて、この「入試」と「学校成績」の比率こそが、新しい入試制度での最大の注目点だと考えています。この項続く