新日鉄住金、喜べぬ世界3位 【日本経済新聞】
2018.5.30 日本経済新聞 2017年の世界の鉄鋼メーカーの生産ランキングで新日鉄住金が前年の4位から3位に上昇した。 昨年3月に日新製鋼を子会社化したことが寄与した。 19年4月に「日本製鉄」に社名変更し名実ともに日本を代表するメーカーとなるが、世界に目を転じると欧州アルセロール・ミタルや中国の宝武鋼鉄集団に大きく引き離されている。 日本国内での再編が難しくなる中、どこまで海外事業を伸ばせるかが問われている。■生産量、首位ミタルの半分 世界鉄鋼協会が29日発表した。 新日鉄住金の生産量は6%増の4730万トン。 国内鉄鋼4位の日新製鋼は呉製鉄所(広島県)に2基の高炉があり、生産量を押しあげた。 新日鉄住金は19年1月に日新製鋼を完全子会社化する方針で、社名を「日鉄日新製鋼」に改める。 ほかの日本勢はJFEスチールが8位、神戸製鋼所が50位で前年と変わらなかった。 首位の欧州アルセロール・ミタルは日本全体の生産量に匹敵する9700万トンの粗鋼を生産。 前年より1.6%増えた。(中略) 鉄鋼など素材メーカーはほかの産業と比べて規模の経済が働きやすく、生産規模の大きさが優位に働く。 ライバル企業が少なくなるほど価格支配力も高まるため、日本でも2000年代以降再編が進み、新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所の3社に集約されてきた。(引用ここまで) 2017年鉄鋼メーカー粗鋼生産世界ランキングは以下の通り◆1位:アルセロール・ミッタル (ルクセンブルグ) 9700万トン(2017年)◆2位:宝武鋼鉄集団 (中国) 6539万トン(2017年)◆3位:新日鉄住金(日本) 4730万トン(2017年)◆4位:河北鋼鉄集団 (中国) 4406万トン(2017年)◆5位:ポスコ(韓国) 4156万トン(2016年) 業界大手の企業も、単独で生産量を増やすのは難しい時代みたいです。 アルセロール・ミッタル社も新日鉄住金社も合併を繰り返して規模を大きくしています。 日本と中国は、アメリカから追加関税を課されており、韓国は追加関税こそ免除ですが、輸出量で過去3年平均の70%上限設定となっており、アルセロール・ミッタル社の独走は今後も続くと思われます。 新日鉄住金社としては、現在団子状態の3-5位争いから一歩抜き出る必要はあると思います。 2019年発足の新会社「日本製鉄」には、日本代表企業としてより一層の売上拡大を期待します。