ハムレット
ジョン・ケアード演出、内野聖陽主演。 音楽は尺八をメインにしたシンプルなもの。 ハムレットは何度か観ているけど、結局どんなラストだったか覚えていない。いつも最後のシーンになって、そうだった、みんな死ぬんだったと思い出す。今回もそれだった。おかげで、いつも新鮮な気持ちで観られる。 芝居巧者のみなさんが複数の役をこなすという設定。ホレイショーだけが役を兼ねないのだけど、それはホレイショーが後世に物語を伝えるべき役割だから。 クローディアスと亡き国王の亡霊を國村隼、ハムレットとフォーティンブラスを内野聖陽、オフィーリアとオズリックを貫地谷しほりなど。これが結構良くて、なるほどと唸る演出だった。山口馬木也のローゼンクランツと今拓哉のギルデンスターンがいろんな場面で色んな役に変わるのは観ていて興味深く、面白かった。オフィーリアを終えた貫地谷しほりがオズリックという従者を演じているのが一番ギャップを感じた。オズリックはシニカルな感じでその差が面白かった。 他に印象的だったのは、気が狂ったオフィーリアの歌う歌に兄のレアティーズが合わせて歌うシーン。なんとも透明で、哀しい歌だった。 加藤和樹、だんだん芝居が上手くなってきたなぁ。 カーテンコールでの國村さんと内野さんがチャーミングだったわ。 質の良いお芝居を観せてもらった。