三吉の密かなストレス発散 その2
いよいよ三吉の様子がおかしくなってきました。学校へはまだ文句を言わずに普通に行っていましたが、鉛筆を折ってストレス発散をしなくなってから1週間経った頃、うちの教室や算数、国語を教えてくれている私の相方の先生から連絡がありました。「三吉くん、今日なんか顔つきがおかしかったで。どうも眉毛が足らないような...いっぺん顔見てみぃ。」「え~そんなあほな!」と三吉を呼んで前髪を上げてみると...ヒョエ~!!右の眉毛が横半分なくなっています。まるでわざと眉毛を抜いて細くしている目つきの悪いヤンキーみたいやんか!!「三吉、眉毛、自分で抜いたん?」「???わからへん...」「自分で鏡見てみぃ!変な顔になってるで!」「うわ~、ほんまや...。そう言えば学校でイライラしたとき眉毛引っ張ってたけど...。でもこんなんなってるとは思わんかった...。」やっぱりそうです。鉛筆を折れなくなった代わりに、三吉は、自分で自分の眉毛を抜いていたのです。自傷行為とはいかないまでも、これはかなりストレスが溜まってきている証拠です。このまま眉毛がなくなっても困ります。かといって、眉毛を抜くのをやめたら、今度は何をするのか心配です。学校に行けていても、事態は深刻になってきました。<つづく>