スーパーミネラル=亜鉛とは?
五大栄養素……炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル。私たちの骨や筋肉などを構成しているミネラルは、エネルギー源となる三大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)の代謝を助け、ビタミンと並んで生命維持に欠かせない栄養素。しかし、体内で合成することができないため、食べ物から摂取する必要があります。亜鉛というスーパーミネラルの正体は?人間の体の中には2000種類以上の酵素があり、それが生命活動に関与していますが、その中の300種類の酵素の働きに欠かすことができない非常に重要なミネラル=亜鉛。酵素は取り入れた栄養を消化吸収し、体内の各所でそれぞれ必要な役割をするよう働きかける生命の源。亜鉛は300種類の酵素の材料となり、主に細胞の新陳代謝を助けます。従って肌や毛髪はもちろん、内臓や筋肉、脳、骨に至るまで全身の健康を保ってくれます。また、性ホルモンとも密接な関係があり、男性ホルモンの材料、女性ホルモンの分泌を促してくれます。そんな亜鉛は、肉類や海産物、チーズや卵に多く含まれますが、牡蠣は断トツの含有量を誇ります。~亜鉛を多く含む食材(100グラムあたり)~牡蠣13,2ミリグラム、豚レバー6,9、牛肩ロース(和牛)4,6、プロセスチーズ3,2、全卵1,3、アサリ1,0。牡蠣とレモンは定番の組み合わせですが、レモンにはクエン酸やビタミンCが含まれていて、亜鉛の吸収をアップしてくれます。牡蠣のミソ炒めは、ニンニクを入れて正解。ニンニクに豊富に含まれているビタミンB6は、亜鉛の大敵であるストレスを軽減して亜鉛の働きをサポートしてくれます。牡蠣には亜鉛だけでなくて、銅という必須ミネラルも含まれます。これらは抗酸化力を持つ酵素の材料です。つまり、免疫力アップや動脈硬化などの生活習慣病予防が期待できます。しかし、亜鉛は水溶性のために牡蠣を煮ると水に溶け出してしまいますが、牡蠣飯(炊込みご飯)の場合は、米が溶け出た亜鉛を吸収してくれます。低亜鉛症典型的な症状が味覚障害です。舌の表面には味を感じるセンサーの役割をする『味雷(みらい)』がありますが、それは細胞を代謝する周期が短いために多くの亜鉛を必要とします。従って亜鉛が欠乏することで細胞が生まれ変わらない=味覚障害に陥ってしまうのです。インスタント食品に含まれる添加物(ポリリン酸など)が、亜鉛吸収を阻害してしまい、味覚障害の原因に。貧血気味、脱毛、肌荒れ、足が攣りやすい、疲れやすい……このうち一つでも当てはまると、ミネラルが不足している可能性があります。貧血は鉄分や銅の不足、脱毛や肌荒れは亜鉛不足、足が攣るのはカルシウムやマグネシウムなどの不足。「疲れやすい」と感じたら、食生活の見直しが必要です。