ブショネの香り
4月から通っているワイン教室で、”貴重な”ブショネのワインの香りを嗅ぐ機会に恵まれた。ブショネは、コルクに問題があったため品質が劣化したワインのことだ。数パーセントの確立でしか起きないので、「これがブショネだ!」という香りをお勉強できる機会はなかなかないといえる。たまたま、“運よく”、前日あった同じ内容の講座でブショネが出たとのこと。おかげで、正常な品質のものと嗅ぎ比べることができラッキーだった。それだけを嗅いだら、良い香りだと思わないが知らないと飲んでしまう感じだった。正常なものと比較すると、明らかに全然違う香りでびっくりした。講師の先生は、そのワインは「明らかにブショネだとわかる位の高レベル」とのこと。低レベルのブショネは、プロのソムリエも悩む難易度らしい。ブショネの香りは、濡れた段ボールのような、なんか湿ったまま放置された布のようななんともいえない臭いだった。その臭いを嗅いだとたん、頭の中で、同じ臭いを嗅いだ2つの経験がヒットした。一つ目は、15年位前に旦那の上司の家のバーべキューパーティーで飲んだワインだ。そのワインについて、何事にも自己顕示欲の強い上司は、「このワインはうまいだろう!うまいからケース買いしたんだよ!」と自慢していた。その時代の私は、ワインを飲みなれていなかったにもかかわらず、明らかに変な香りだし、飲んでもまずいと思った。他の人も、皆、ひそかにまずいと言っていた。先輩のはっきりした性格の奥さんだけが、「うわっ!まずっ!」と叫んで冷や冷やしたが、アホ上司はすっかり酔っぱらっていて幸いに気付かなかった。二つ目は、7年前位に兄嫁に「もらいものですけど..」ともらった赤ワインである。これも、今思えば、極レベルのブショネだったと思われる。色も、なんだか熟成もしてないのに黄色みを帯びていて濁っており、不快な香りで飲んでもまずかった。3本もらったが、残りは捨ててしまった。本人に悪気はないだろからと思って何も言わなかったが、後々、兄が「あいつはワインが好きだから、良いワインは人にあげないんだよ。」と漏らしたのを聞いて、クソ~!と思った。その後、復讐として、ほろ酔いの兄貴に言質を取り、秘蔵のドンぺリを持って来させた。(兄嫁は悔しそうだった、ざまあみろー。)まあ、人生の貴重な体験と言えばそうだけどね。でも、あれは?と思っていた謎が解けてちょっとすっきりした。まともなおいしいワインにだけ当たりますように