カテゴリ:本
毎日新聞社 勝俣範之著、「抗がん剤は効かない」の罪(2014年)を読んだ。 近藤誠医師の書いた「抗がん剤は効かない」の反論書だ。 色々な情報を手にして自分で判断するように、と近藤医師自身が書いているので、 それに従って、反対意見を読んでみたものだ。 著者勝俣範之さんは、国立がんセンター中央病院などに勤めた腫瘍内科医師。 いわゆる市販本はこれが初めてのようで、自身の立場上なのか、信念なのか、 出版社の売らんかなのか、「抗がん剤は効かない」を「罪」として反論している。 反論している、と書いたが、「はじめに」を読んだだけで、反論書ではないと感じた。 近藤医師の書いていることを認めつつ、誤った解釈をしないように、 という解説のような、補完のような「はじめに」だ。 そもそも、近藤医師が「抗がん剤は効かない」を書いたのは2011年で、 この本は2014年に出版されている。 反論にしては遅いのでは、という感じだ。 抗がん剤は毒薬から開発された 抗がん剤で生活の質を犠牲にしてはならない 抗がん剤服用による死亡は非専門医による処方 製薬会社と医師たちが癒着しているという指摘は正しい部分もある がん放置治療は医者としてできない 著者勝俣範之医師はこのように書いて、近藤医師の主張を認めつつ、 書き方が一方的で誤解を与える、としている。 そして「あとがき」には、次のようにある。 「私たち専門家はこれまで、一般社会に向けて、きちんと情報を発信してきたとは いえません。それを果たしていたら、このようなこと(補足:近藤医師の本の絶賛) にはならなかったのかもしれないと反省しています。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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