帰省、その3・・ニシン鉢
会津に伝わる郷土料理のひとつ、ニシンの山椒漬け。庭の山椒の木の新芽が茂る頃必ず作るお料理です。会津は四方を山に囲まれた盆地。昔は新鮮な魚介が手に入ることは困難で、身欠ニシンや棒タラのような干した魚介を使ったお料理が多いのです。雪深い冬を越え、遅い春の後芽吹きだす木々の緑の中の山椒の新芽。ニシンの油っこさを三杯酢で中和させ、山のような山椒の風味がなんともいえない。そして、そのお料理のためだけにあるニシン鉢。身欠ニシンが丸ごと入るように四角で深い使い勝手のよい漬物鉢です。有名な会津本郷の宗像焼きのニシン鉢がいつかほしいと思っていたら、手ごろな日常使いのニシン鉢を見つけました。早速ニシンを買い込み、実家の庭から山椒の新芽を摘み取り漬け込みました。漬けて翌日からでも食べれるけれど、やっぱり味が程よくなじんだ頃が絶品。「すぐに食べない料理」って何かの本のコピーで見たけれど、美味しくなるまでじっくり待つ料理もいい。「おいしくなぁれ。。」の時間の魔法。