4/28その2 自分的サバイバル
さて、テントを設営して汗をかきました。さっぱりしたいところ。14時半すぎ。最寄りの入浴施設まで片道3kmちょっと。往復80分、入浴、休憩30分で2時間弱程度?戻ってきて17時前。ちょうどいい感じか。 気温27℃くらい。来た道を下っていくかな。 こんなところ歩くなんて、それなんてプレイ?晒しすぎ。自意識過剰?いえいえ、自分が見たら「なんかトラブって困ってるんだなぁー、どうすんのかなー、この人」、って思うので。ハイカー、バックパッカー偽装ギアもないしな。 確かにこんなところを歩くのって、普通じゃない。黄昏どきなら狐狸妖怪の類。夜ならお化けですよ。バイクを出せればなぁ、なんの問題もないけど転倒だけは嫌だしなぁ。 憎々しいほどお天気。暑い。のどが渇くけど虎の子の持参した水を飲むのも怖いので、入浴施設に自販機くらいあるでしょ、と期待します。 おー、バス停か。バス運行してるのか。これ、下っていける? みると1時間おきか。単線だから経路とか関係ないと思うけど、降り口わからんしな。待つか?いや、ほぼ歩いて到着しちゃう時間だな。歩くか。 行きはいいけど、帰りは乗るのも手かも。お風呂上りにまた汗をかくのも嫌だし。 再出発。 ・・・。 歩いていくけど、あれ?反対車線側にバス停が出てこない??こっち側だけ?そんなことある。ん-、謎。 しばらく歩いていくと、看板発見。あ、ツーリングマップルに載ってた史跡。バイクで上ってくるときは気づかなかったな。 時間もあるしのぞいてみます。ひとの気配がない。スポットじゃないのか? ガラス張りのなかにリアル人形2体。なるほど、再現が目的なら放置展示でいいかも。 再出発。 さらに下っていくと、 地獄に仏、自販機ーーー!やった、水のペットボトルもある。売り切れ・・・、ではなさそう。入浴施設に自販機がないかもだから、ここで水を購入。いや、マジで助かった。 ふぅ・・・、さすがにのどが渇いたな。何か飲もう。ダイドーか。梅よろしがいいな、自分のツーリング先の定番。 ・・・、ないか。最近見ないな。じゃあ、これ。炭酸はきついのでアップルジュースで。 一気にがぶ飲み。これも通過するドライバーに晒してます。「なに、あの人、なんで歩いてるの。やだ、カブのみしてる。こんな暑い日に歩いてるのって、おかしくない?なんかトラブってるんじゃない。ダッさー。」 はい、その通りです。自意識過剰?いいえ、自分ならそうプロファイリングします。あれかな、見せつけハラスメントかな。ほんと申し訳ない。 来るときは気づかなかったけど、旅館というかホテルが。へぇ、日帰り温泉って書いてある。ま、こういうの信じて入るだけ宿側の迷惑でしょ。感じ悪い応対されて嫌な思い出にするだけリスクだな。パス。確実な入浴施設に行きます。ブレない。思考がすげーネガティブになってます。 時計をみると出発して30分。だいたい3kmくらい歩いたはず。ナビでみると目的地まであと400mないくらい。もうすぐ。 あれ?向こうからバスが。バス停、そっち側にあった??見落としたのか?どこかで折り返すのか。またまた謎。 お、入浴施設の看板発見。よかったぁ、トンネルの手前で曲がればいいんだ。来るときトンネルはみたから、分岐がトンネルの手前ならいいな、って心配してました。トンネルの中ひとが歩いてたら、そりゃー怖いでしょ。もう完全スポット。そのあとでドライバーに噂されます。「昨日トンネル歩いてるひと見てさぁ・・・、あれって絶対・・・。」 怪談誘起ハラスメントするところでした。てか、入浴後に日が陰ったくらいでも自分も歩きたくないです。 曲がって少し歩いたら入浴施設がありました。中に入ったら、スタッフさんが発券機の前で待ち構えてるスタイル。「県外の方ですか?」 県外です、って答えたらJAFカードはお持ちですか、って聞かれて、ラッキー。持ってる。JAFカードで割引になりました。 あー、会話できただけでなんか現実世界に戻ってきたようなうれしさ。ほんと、人気もなくて歩いていて心細いのなんの。 だいたい長ーい有料トンネルがあるってことは、これができるまではそのエリアの最深部ってことのはず。そんな隔絶感がどこかあるんですよね。歩いてみた感じです。バイクで走ってるときは風光明媚って印象でしたけど。 心もほっとしたところで、入浴。 先客も何人かいます。 ふぅ・・・、腰を伸ばしてリフレーッシュ。 ・・・。日本昔ばなし的演出をするなら、狸に化かされて、実際は肥溜めに浸かってる、みたいな?いや、さすがに不適切な揶揄でした。でも、歩いてたらこんなイメージが湧いてくるのは自分がオカルト好きだからです、きっと。 はい、とってもいい温泉でした。さっぱり。 施設内には自販機はあったけど、紙パック飲料のみ。ペットボトルは扱ってなかったです。よかった、来るとき買っておいて。 さて帰るか。 人が集う施設だからバス停がある。 これが気になる。AIを活用したデマンド型交通。 なんとなく想像するに、近隣の住民の利便性と運行するバス会社の効率を両立させるための、柔軟でフレキシブルな公共交通機関なのか。下手したら呼べば来る、みたいな。 数年前、引佐の奥でバイクが死んで図らずもバスに乗って帰ったことがあるけど、その時は普通に整理券が発券されました。もしかして、こっちはさらに進んでいて、市町村発行のなんちゃらパスがないと乗れないとかだったら、乗ったはいいけど降りるのに苦労、とかノーサンキュー。 スマホで調べるか。 ・・・、くっ。こんな時に限って「サーバーが応答しません」だと!圏外ではないけど。 見放されてる。まあバス停も帰りの車線側には見当たらなかったし、30分くらいのウォークだから帰るか。 少し歩いたら役場みたいな、出張所みたいな施設がありました。日曜なので誰もいないけど、ここにも自販機が。念のためもうひとつ水のペットボトルを購入。これだけあれば、洗い物はしない、できないから大丈夫のはず。 風が心地いい。4月末だけどまだ道路わきの温度表示では24度。湯冷めするほどじゃない。行く時より快適です。 で、とある直売所をみると、うわぁー、 この巣はやべぇ。駆除しなかったのかな。 山だから日が沈むのが早い。 大きな国道沿いで、歩道もなくなるパートがあります。クルマの迷惑になるかもなので、ちょっと側道にそれて集落の中を抜ける道に入ります。 集落に入ったらバス停がありました。なるほど、反対車線にバス停がなかったのは集落を通ってたんだな。そりゃそうか。 帰りは上り。さすがに疲れた。下を向いて無心で歩いているので、思考停止気味。目に入ってくる情報は脳内でスルーしてたんですが、ほんとたまたま、木の枝?枯れた草?なんだろう、って立ち止まりました。 木の枝にしては曲がりすぎ。 長いな。靴ひもみたいな?いいえ! まさか毒蛇?? え?ひかれてんの?外傷なさそう、生きてるのか?いや動いてない。蟻がたかってる。死んでる。南無。 はあ、ぼーっとしてたけど踏まなくてよかったぁ。踏んでたら、リアル踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂。お?踏むとか蜂とか、今の行程にオールインワン。プリモニション。 苦行だ、苦行すぎる。キャンプ場が普通ならこんなことには。 そんなキャンプ場にやっと帰ってきた。トイレ行く?どこかわからない、まあちょっと横になろう。 足を伸ばしてる画。 じゃなくて、実際には右足の脛の筋肉が攣った!!!悶絶中の状態。あたたたたた・・・、北斗百裂拳、くー、痛ってー!日ごろの運動不足か。1時間歩いてこれとは。 もう、明日行くパワースポットの神様から拒否られてんのかな。いろいろありすぎ。 そうだ、食べ物のチェック。最悪出直せばいいと思って、途中で夜食とか買い足してない。これで朝までか。洗い場はないからクッカーは使い回せないし、スープなんかも捨てれない。晩飯、朝食用にもってきた棒ラーメンはやめておこう。 軽い熱中症かな。なんか頭痛を感じるような。そのせいか食欲がないので、食べ物の量はこれでいいや。晩飯はコメとベーコン、朝食はゆで卵と塩気にはコーンビーフ。これにコーヒーがつけば悪くない。 家族に無事到着メール。「やべぇ。遭難中。」 これで事故ってないことはわかったでしょう。いや、逆に心配かな。 よし、これで落ち着くか。肉声が必要だな。携帯ラジオ。プリセット開始。さて、何局キャッチできるかな。 ・・・。 外為法みたいは響きだな。えー、どういうこと。 AM、FMともオートプリセットでキャッチしなかった。1局もないなんてある?スマホで山梨のラジオ局の周波数を確認。強制的にチューニング。アンテナも伸ばして、どうだ? ザザザザザ・・・。 ノイズしか聞こえない。山に囲まれて電波が届いていない可能性。FMならまだしもAMもなのか。そのかわりSWバンドはすげーキャッチ。でも聞き取りにくいレベル。いやいや、そんな山奥なんですか。 なんか疲れた。 少し仮眠しよう。昼のテント内は暑かったけど、寒くなってきた。さすが山、日中気温があがってもヒートアイランドとか無縁だからすぐ気温が下がるんだろうな。 19時起床。 さて、晩飯。水が貴重なのでライスパックの温め時間を使ってゆで卵も作っておこう。食中毒とか嫌なのでしっかり固ゆでに。 次はベーコン。ほんとは目玉焼きもほしかったけど、ベーコンだけ焼きます。 焼けた、焼けた。 うまそう。凝った料理とか要りません。ほんとこんなんでenoughです。 大盛りのライスパックにしておいて良かった。それなりにお腹も膨れて満足。 じゃあ、尿意心配だけどコーヒーで締め。 あぁ・・・、コーヒーがうまい。 コーヒーをちびり、ちぼり。尿意来ないな、妊娠かな、じゃなくて、こりゃ熱中症なのか。こんなに尿意が来ないならもう寝ちゃおうか。いや、やっぱトイレ行っておいた方が安心。 トイレどこだろう。あの物置みたいな建物の中か?トイレマークとか付けておいてくれればいいのに。 テントを出て、物置小屋みたいなところに行ってみる。 ドアオープン。 スマホ持ってきてないから、写真なし。テキストでの説明になるか。 便器低っ!座れないよ、これ。まあ、慎重に立ちションだな。蓋を開けると、 満水!あふれそう。 これ、大とか女性とか座ったらお尻水に沈むでしょ、てか、溢れるでしょ、これ。えぇ・・・、いろいろわからない。 まあ、いいや。おしっこだけだし。 放水・・・、ストップ!その前に流し方を確認しようかな。ひねるコックとかないし。どうやって流すんだ?使ったままにするなんてできんしな。なんか、戦闘機のコクピットにありそうな操作取っ手があるな、無意味にかっこいい。どうやって使うんだ?蓋の裏には説明書きが。 どれどれ・・・、んだよ英語かよ。いや、英語はいいんですが、説明書きが省略され過ぎてて順番の確証が持てないというか。カンマで区切りられすぎ。and,then,afterとかオーダーを示す言葉があれば追いやすいんだけどな。「バイオトイレ・・・。」 そうか、バイオトイレ、っていうのか。 説明書きに従って操作してみる。シュコシュコ・・・。お、水が出てきた、え、えっ、減らない。増える一方。排水される気配ナッシン。やめておこう。あふれたら大変。 いったんテントに撤収。 なんだったんだ。さっきまでなかった尿意がトイレを意識しちゃせいか、行きたくなってきた。こりゃ朝までもたない。下がってきた気温もあるのか、コーヒーの利尿作用のせいか。 こ・れ・は、人間の尊厳を損なう予感。そうだ、嫁さんに訣別電を打っておこう。送信。 お、レス早いな。 なんと、調べてくれるとは。 さすがに画像は送れないし。いろいろやり取りしてたら、嫁さんのスマホで遊んでた下の子がレスしてくれてました。ありがとう、だけど言葉じゃ仕様を説明できないよ。自分で調べてみたら、あれだな、バイオトイレじゃなくて、マリントイレっていうんだな。なるほど、小型船舶とかに積むやつか。なんとなく使い方はわかったけど、注水、排水のコック操作、ドレン切替レバーとかちゃんと操作しないとダメそう。 少なくても、多分便器内に満水は間違った使い方っぽい。みんな、水洗トイレは水が張られてるからそうしてるのかな。てか、みんな使い方わかるんだ、すげーな。レベチ。 とも思うけど、気にしてると、みんなトイレに入ったと思ったらすぐに出てくる気配。排尿にしても短すぎ。あきらめてるのかな、やっぱり。その後結構な確率でクルマで出ていく音。こんな夜中に、そんなに出ていくもんか?多分あれだ、この先に道の駅があるからそっちを使ってる説。クルマならイージーでいいよな。バイクはうるさいし、装具もあるし、ここ、停めなおしできないし。 気を紛らわすためツーリングマップルを開いて、明日のルートを検討。 ポチポチっと。あっという間に終了。そろそろ寝るか。明日4時前には起きたいしな。木陰で立ちション?外灯もないけど、隣のキャンパーはまだ語らい中。23時近いけどな。放水音聞かれるのも。 テント内を見渡すと、 もうあれだ、尿瓶しかない。エマージェンシー。状況、道具、自己正当化の理由がそろうと人間は不正を冒したくなるので。立ちションよりいいでしょ。 あぁ・・・、手に伝わるぬくもり。人間の尊厳を失ったション感、いや瞬間。なんてこと、この令和にただトイレに行きたかっただけなのに。 思ったより出ないな、やっぱ熱中症なんだろうな、って、えぇっ!この色はー、 どんだけコンデンス。かなり濃いめ。よかった、こんな濃いやつをバイオトイレにしなくて。絶対ばれるやつ。 やっぱ尿意がなかったのは水分を体から逃がさないためだったか。砂漠横断のサバイバルもので、自分の尿を飲んでサバイバルしてた某御仁。こんな濃いやつでサバイバルか。尊敬します。麦茶をテントの外、フライシートの陰に隠してみなかったことに。一件落着。 就寝前の暖房はダブルキャンドル。 眠りの前に神に祈りを。ホーリーナイ。 いや、ホーリーとか言って、なんて記事でしょう。アップしていいんでしょうか。大丈夫、フィクションですから。こんな前哨戦がありましたが、明日は本命のパワースポットへ。走行距離は短い日でしたがタフな一日でした。