李丘那岐さん「罪に眠る恋」
イラストは、麻生海さん。高校3年間剣道をやっていた篠宮虎太郎(しのみやこたろう)は、165cmと小柄で、白い剣道着を着ている虎太郎は、遠めから見ると可憐で凛々しい美少女剣士に見えます。インターハイ個人決勝。高校時代の締めくくりとしては不満はありません。試合は終わりました。対戦相手は、180cmを越す身長、漆黒の剣道着を着て、いつも冷静沈着、威風堂々、泰然自若、立っているだけで圧倒的な存在感のある久竜唯仁(くりゅうただひと)です。二人は、白虎と黒竜と呼ばれていました。白虎が、黒竜に勝てたのはただ一度だけ1年生の新人戦のときだけでした。せめて最後に一矢報いることができたらと思うのでした。久竜は卒業したら警察学校へと入ります。虎太郎も警察官志望でしたが・・・。虎太郎は、久竜に向かう自分の想いをはっきり意識しましたが、その想いに名前をつけることはしませんでした。それから、十年が過ぎ、虎太郎は28歳になりました。交番勤務、3年目の虎太郎です。巡回へ出かけます。2週間ほど前の絞殺事件の犯人はまだ捕まっていません。巡回途中の公園。そこには比較的おとなしいホームレスの人たちがいます。一ヶ月ほど前から住み着いた岡部。時々話をする仲です。犯人を逮捕して所轄所へ連行し、久竜と再会しました。十年ぶりです。久竜は警視庁捜査一課の刑事になっていました。虎太郎の警察学校時代の同期の柏原(かしはら)もいました。彼は3つ年下です。虎太郎は、大学時代、ある出来事で心に傷を負っています。それを、糧に強くなろうと思っているのですが・・・。柏原が怪我をして虎太郎は、絞殺事件の手伝いに借り出されます。久竜と組む虎太郎です。二人は少しずつ近づいていきます。でも、柏原もずっと虎太郎が好きでした。そんな中、事件は意外な展開に・・・。虎太郎の切なさがいじらしくて可哀想でした。過去の事件で自分をせめて、それでも前に向かって生きようとしていました。過去の事件が今回の事件に大きく影響しているのですけどね。でも、それは虎太郎のせいでもないのですよね。しかし~、あのスケベ教授にはむちゃむちゃむかつきましたよ。もっと制裁加えてほしかったですね。社会から抹殺してもいいんじゃないかと・・・。^^;他の学生たちは、まあ、結果として終わっているので・・・ね。ある出来事の被害者の彼は、とても可哀想でした。誰かに相談できていたらよかったのにね。だから、こういう結果になってしまったのですけど、なんかそのことは悲しかったですね~。柏原くん、良い奴なんですよ。どこかで幸せにしてあげてほしいです。コタちゃん、思いがかなってよかったね~と思います。久竜は、案外やきもち焼きっぽいです。(^^*)