「華南か、ベトナムか 本格化するベトナムの物流整備」より
1/12付けのニュースネットアジアに連載されている香港華南・ベトナム共同企画を読んだ。企画した側はベトナムが長足の進歩で世界の工場中国・華南をターゲットに捉えつつあるというストーリーに仕立てたかったのだろうが、内容を見る限りでは比較の対象にならない。国内物流は良く分からないので、コメントしないが、輸出の拠点となる貿易港については横綱と幕下ぐらいの差がついているという印象を持った。北ベトナム唯一の深海港として紹介されているハロン市カイラン港は1,000TEUのコンテナ船しか乗り入れできない。南部のハブ港として紹介されているサイゴン港であるが、最大で1,500TEUのコンテナ船しか着岸できない。日本のODAでバリアブンタウ省チバイ・カイメップ港というのを建設する計画が進んでいるのだそうだが、2011年の竣工予定なのだそうだ。華南の場合、塩田にせよ蛇口にせよ赤湾にせよ、世界最大級である8,000TEUクラスのコンテナ船が直接着岸できる能力を持っている。しかも塩田は拡張しようとしているし、赤湾の隣も新たな港を建設する事になっている。また、タイからベトナムまでの輸送路として東西回廊を紹介しているが、確かここは貧困回廊というありがたくない別名を献上されているのではなかったっけ。あれ、こんなことも書いてある「ベトナムとタイの間は現在、車両の相互乗り入れは認められていない。また、ラオスの通過には関税が必要だ。」道は出来ても運ぶものがない、ということになりはしないだろうか。論語に出てくる邱先生が好きな言葉『人能弘道 非道弘人也』を思い起こしてしまう。まだ、バンコクとホーチミンを結ぶ第2東西回廊の方が見込みがあると思う。いずれにしても、ベトナムが華南の対抗馬として急速にクローズアップされているからこういう特別企画が組まれるのだろうが、今日の特集を読んだだけでも、後進性が気になるので、実際に進出された企業の話も聞いてみたいと思う。かなりご苦労されているのではないでしょうか。ここを“カチッ”人気blogランキングへ戸田ゼミ通信HP