レビー小体型認知症介護日記

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• 旅行出発

  直前になっていろんなことに気付いた。母と言えども女。仕度に手間がかかる。どんな服を着せたら良いのか。化粧などの身だしなみもしてやらねば。当の本人に聞いても「わからん。忘れた」あれやこれやしていると睡魔が襲う。体をマッサージしてもらっているので、すぐに疲れが襲います。それで旅行当日の今朝早く起きて、準備しました。もう適当にしようと思いました。化粧も母がしないようだったらやめ。少しかわいそうな気もしますが。一泊だから下着以外の着替えは持っていかない。ただ長野の夜は冷えるので、防寒だけはしなければならない。それだけで結構な荷物になりました。後は必需品のデジタルカメラ。充電もしました。後は薬、いざというときのオムツ。それと万が一のときの保険証。これだけ準備しても何か忘れているでしょう。二人分の準備するのは大変です。特に年寄りと言えども、女性のしたくは大変だとわかりました。今日の家族会での一年に一回の旅行。なんら不都合がなければ、これからも参加したいと思います。十回も二十回も参加できますよう。

  2005.08.27

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• 明日から旅行

  母と二人での始めての旅行。母が病気にならなかったら、絶対にしていないと思います。わたしは旅行が好きではないのです。出かける気苦労だけで、うんざりします。しかも母親を連れての親孝行旅行。照れるし、世間から親孝行な息子だと勘違いされるのが面映いです。母が認知症になり、いろんなところを見るのもリハビリと知りました。近くの母が喜びそうなところを連れて行きました。やはり自然、生きているものがあるところがよさそうです。植物園・動物園。生命あふれるところが、そのパワーをもらっていいのでしょう。明日からは痴呆患者の家族の会の主催旅行です。いろんなお膳立てはしてくれるので、わたしには好都合。行き先も長野の美ヶ原。母が女学生時代に、山登りするはずでした。戦争がそれを妨げました。六十何年たっての、実現です。母の足で登山するのが、バスと車椅子になりました。母は明日何を見るのでしょう。センチな気持ちになって、泣き虫な母になるのでしょうか。それとも雄大なアルプスの自然を目にして、喜んでくれるのでしょうか。

  2005.08.26

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• サービス利用表

  介護保険を利用するにあたって、サービス利用表をケアマネージャーに毎月作ってもらう。いつも思うことだが、この利用表何の意味があるのだろう。どのケアマネージャーも慣れてくると、いつも電話で来月の予定を聞いてくる。大概次の月も同じ利用で済みます。だから「来月も変わりないですか？」「変わりありません」これだけの会話で電話が終わる。すると次の訪問で、次回の利用表を持って、判子だけをもらいに来るケアマネージャー。その利用表もいつも見たことがない。でも来月の利用表は、見なければならなかった。来月は祭日が二日もある。しかもその祭日は母のデイサービスの利用日に当たる。そのデイサージスは、祭日休み。だからいつものように、利用表を作るとだめになる。祭日の利用はないからだ。届けられた利用表を見てみた。予想どうり、祭日は削られてなく、利用日になっていた。このケアマネジャーは、前にもこのミスをした。そのときは、当の本人だけに言った。「何も考えてなく、計画表を作るから、こんなミスが出る。自分の仕事にプライドなく、適当にやっていません？」「いえ決してそんなことはない。今後注意します」わたしは多分またやるだろうと思った。そして予想どうりになった。今度は、事務所に連絡した。「善処します」との、むなしい答え。どうせ、皆かばいあうだけなのだ。もっと上に苦情相談に言う事もできる。でも同じことだろう。ケアマネジャーの質を問うことは、意味がない。皆それぞれ一生懸命なのだ。でもいつも利用する家族の立場から見ると、何かが違うと思う。今は介護保険の揺籃期。近い将来もっとよくなることを、願います。

  2005.08.25

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• 母のマッサージ

  首の痛みには安静が必要。リクライニングのベットで、頭を少し上げてひたすら寝てます。寝ながらの読書、テレビを見ることは首に負担がかかるのでよくないとのこと。何も考えず、寝るようにしています。昼前に治療して、そのまま温泉にいき入浴。帰ってすぐに昼寝。寝てると母が言います。「モミモミしてあげようか」母が女学生のころ、全盲の按摩師の方から授業で、マッサージの仕方を習ったそうです。「いつもニコニコしておいでで、皆から好かれる先生だった」「花も恥らう女学生だったから、ほかの人のおっぱいを触ると、大騒ぎしたわ」母の思い出話を聞いた後で、マッサージをしてもらうことになった。「キュ、キュ、キュ」「コシ、コシ、コシ」「ニュ、ニュ、ニュ」母の不思議な掛け声を聞きながら「そこが効く、もっとつよく」親指を一生懸命押しながら、マッサージしてくれます。「もっとしてあげたいけど、疲れた。もういい？」「ああ、ありがとう。おいくら？」「１０円でももらって置こうか」「安くしてもらって、ありがとう」「どういたしまして」

  2005.08.24

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• 故郷散策

  先日できた母の義歯。今日具合の点検です。高齢者が新しく義歯を作ると、慣れるのが大変とのこと。嫌がってもはめさせるようとの医者からの話。早く受診が終わったので、生まれ故郷を探訪しました。親子が仲良く、つつましく暮らしていた、会社の寮。わたしが通った中学校、小学校。仲のよかった同級生の家。母が父の死後勤めていた独身寮。母が小学校のＰＴＡ役員していたとき、皆で集まった公民館。　適当にわたしが思い当たるところを、車で行ってみました。ある古びた民家の前を通りました。鍼灸の古びた看板。「あ！ここ覚えてる。会社帰りにマッサージしてもらったとこだ」父が死に働きに出た母。そのストレスからか、糖尿病を患ってしまった。心身ともに疲れていたのだろう。会社帰りのマッサージが毎日の楽しみだったそうです。「きれいなシーツのベットに寝てね。モミモミしてもらったの」「天国にいると思ったの」「先生にね、このまま寝て会社に行かせて！と頼んだことがあるの」またわたしの知らなかった、母を知ることができました。母もつらい日々ばかりでなかったことを知り、楽しくなりました。

  2005.08.11

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• 受診日

  月に一回行く長寿医療センター。老年科、リハビリ科、歯科と受診する。それぞれをうまく予約したいが、なかなかうまくいかない。どうしても待ち時間ができてしまう。いつも１時間半は、あいてしまう。今までの病院ではこの時間がいらいらしたものです。母と二人、重く、つらい時間が通り過ぎるのを待ったものです。今はこの時間を楽しもうとしています。喫茶店に入り、コーヒーを飲む。母に新聞の見出しなど読んでやる。それに応える母。適当に相槌を打つわたし。まだまだ時間があります。そんなときは「人間ウオッチング」看護婦さんの美人度、肥満度。闘病中でも笑顔の素敵な人。病院に生きる人を話題にしながら、時間を楽しみます。お金のかからない、つつましい楽しみです。こんなささやかなことでも生きる楽しみになることを知った、５５才のわたしです。

  2005.08.10

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• 身体障害者のデイサービス

  一昨日は視覚障害者の方のガイド、ヘルパーの実習。昨日は全身性障害者施設の実習でした。この身体障害者の施設は、全身性障害と言って脳性まひの方が多く利用されている。介護学校卒業者が多いので、１８才以上です。その中に介護学校在籍者の彼女がいました。もうじき学校を卒業するので、あちこちの施設の体験利用をしていると、施設側の説明がありました。施設側の思惑もあって、昨日一日わたしが介護することになった。彼女は体の、緊張具合はそれほどでもないが、コミュニュケーションの障害がある。会話はできない。慣れてくると、いやなときには首を振りそっぽを向くことがわかってきた。楽しいときは、目を大きく開き、満面の笑顔。その愛くるしさ、ひたむきさに、わたしのこころがほぐれていった。午後に近くの図書館に行った。彼女は絵本が好きだと聞いたので、幼児絵本コーナーに連れて行く。小さな女の子がみていた本に興味を示した。言葉にならないうめき声で、その本をとってくれと言う。気配を察したその子が、彼女に本を手渡した。満面の笑顔で、うれしそう。少し動く左手で抱きかかえる。女の子も笑い返す。わたしは、思わずその子に頭を下げていた。彼女は未成年なので保護者がいないと、その本を借りられない。その場で少し読んで、棚に返して帰ろうとした。そのとき彼女が意思表示をした。不自由な左手で、車椅子の車輪をつかみ動かないようにしたのだ。本を借りたいのだとわかった。わたしは彼女の手を握り、悲しそうに首を振った。すると彼女は、手を離した。施設に帰り、お茶の時間を楽しんだ後、施設の時間が終わる。利用者の家族が迎えに来る。彼女もお母さんが迎えに来る。わたしはそっと彼女の視界から消えた。母親が車椅子を押して帰ろうとした。そのとき急に彼女が泣き出した。彼女の左手がわたしを探していた。母親の了解の目を感じたので、彼女の前に立った。すると目を大きく開き、満面の笑顔。自然に彼女の左手をとり、笑いかけた。心でまたどこかで会おうね。そのときまたその笑顔を見せてねといっていた。

  2005.08.04

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• このごろの母

  母の一番下の妹が、心筋梗塞で緊急手術した。娘さんが、もうすぐ結婚式だというときに。５月に叔母夫婦が訪ねてくれて、金の鯱を見に行ったときのこと。「母の家系は結婚式と葬式が同時に来る」「おばさん夫婦もくれぐれ気をつけてね」「母の兄弟もみな高齢、何事もなければいいが・・」こんな話を、皆でしたばかりだった。幸い一命を取り留めたので、この前母がショートステイにいっているとき見舞いに行った。「姪っ子の結婚式の前に、おばさんの葬式に出るとこだったね」「お前の予言どうりになるとこだったね」「おばさんの結婚式の後、すぐ親父が死んだ。　弟の結婚式のすぐ前に、おばあちゃんが死んだ」「そうだったかね？」「そうだよ。とにかく葬式を挙げずに済んでよかったね」「ところでお前のお父さんも、心筋梗塞だったね。　発作がおきてどのくらいで死ぬ可能性があるの？」「３０秒も発作が続けば、死んでも不思議はないそうだよ」「！・・・」叔母が絶句した。この叔母は母と２３も年が違う。母の最初の子が死産だったので、母の乳を飲んでもいた。だから母とは、姉妹というより、母娘のほうが近い。母にとっては大事な妹で、わたしより絆が深いものがある。ショートステイから帰った母に何度も説明した。「もう一回聞くよ。おばさんの最近で覚えてることは？」「あの子はね。わたしのおっぱいを飲んだのよ。かわいかった」「それからは？」「あ！鯱見に行った！」「それからは？おばさん手術したんだけれど？」「手術？あの子盲腸は、とってなかったの？」リハビリで体は順調に回復している。でも記憶障害は確実に進行している。ショートステイを利用すると、確実に痴呆が進行することを聞いていた。わたしの心には、たかが一日だから心配ないと思っていた。でもやはり進行するようです。ショートステイを利用する前には、母は妹が手術したことを記憶していたのだった。ショートステイに行かずに、わたしも連れってと、懇願したのだ。もう母には、新しい記憶ができないと思った。これからはできるだけ、昔の記憶がとどまるよう願おう。まだわたしの顔はわかるのだから。

  2005.08.01

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• 害宣者

  母がリハビリの受診をしている間、病院の喫茶店に入った。病院の元看護士さんが経営しているので、現役の看護士さん達も立ち寄る。入ったとき夜勤明けの、看護士さん三人だけだった。顔をみたとき、まずいと思った。悪「害」を「宣」伝する「者」だったからだ。彼女らはわたしが来たぐらいで、話を変えるようなタイプでない。夜勤明けの気楽さから、店主と新しい看護部長の人物評をやっていた。「顔を見たとき、見たことあるなと思ったの。昔働いた動きの悪い看護婦だと思い出したわよ」そこへ店主「あの人けちだわよ。一回もこの店に来ないもの」「あの太った体見ればわかるわよ。金の亡者よ」「なんかコネでも使ったのかしら。よく看護部長になれたわね」どこでもよく聞く話です。女性がこういった話が好きだともわかっています。でもここは病院の中。しかも職員が上司の批判を堂々としている。ついでに食事もしようと思ったがやめた。席を立つとき不快感を表に出し、彼女らをにらんだ。にらみ返されたあんた達はえらい。

  2005.07.28

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• ガイドヘルパー講習

  視覚障害者の実習をしてきました。この団体ではガイドヘルパー登録すためには、二回の実習をしなければなりません。昨日はその一回目です。初めての経験、どんな人をガイドするのかなど考えて緊張してました。こられた方はわたしと同年代の失明男性。しかも日ごろ鍛えておられる方なので、かなりの健脚。わたしは普段時速三キロくらいで歩きます。普通にゆっくり歩いて時速四キロですので、かなりのゆっくり。その方のペースですと時速七キロぐらいの、早足。炎天下の中三時間ぐらい歩き、筋肉痛になりました。これからこの仕事をするにあたり、少し鍛えねばと思いました。その方はいろいろ考えてくれていたようです。昨日ガイドしながら回った場所。視覚障害者の方が必ず行くところを選んでくれていたようです。しかも三箇所も。これからガイドするわたしに場所のアドバイスをするために、炎天下の中付き合っていただき、感謝しまくりです。これからどんな形で、この仕事とかかわっていくのかまだよくわかりません。でも今日のこの方との出会い、一生忘れられないでしょう。なんといっても笑顔が素敵な方でしたから。わたしも出合った方に、少しでもいい笑顔を残せるよう日ごろから、努力せねばと思いました。

  2005.07.22

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• 年寄りのリハビリ

  認知症の患者を抱えると、元のようになってもらいたい一心で、ドリルなどを購入する家族がいます。頭の体操のお年寄り版です。でもなかなかうまくいきません。拒否されるし、継続できません。購入したドリルなどもいつかほこりまみれになります。これは認知症患者の記憶障害、鬱などが原因です。そこで今リハビリには昔のものを使おうという試みがなされています。お年寄りに残されている、昔の記憶、手や体で覚えたことを利用して、感情機能を呼び起こそうとしようというものです。歴史民族資料館が愛知県師勝町にあります。昭和初期からのいろんな道具が展示されています。貸し出しもしてくれます。懐かしいテレビ・洗濯機・遊び道具、生活必需品いろんなものがあります。母とこの前行って来ました。やかん型の古いアイロンの前で、止まりました。「あ！これ。おばあちゃんと一緒につかったわ！」それからは使い方や、おばあちゃんとの楽しい思い出を、わたしに語り始めました。わたしの知らないことばかり。うれしそうに話します。「何か急に楽しそうになったね」「急にポコン、ポコンと思い出したの。頭が良くなったのかな？」「一度使い方を教えていただけません」と係りの人。「いいですか」３０分ばかり係りの人と母がアイロンを使うのを見ていました。少し不自由になった手でも、体が覚えているのでしょう。器用に使っていました。「おばあさんありがとう。これで使い方がわかりました」「こんなんでよかったら、いつでも言ってね」母の自尊心満たされうれしそうでした。今古民家、風呂屋を利用したデイサービス。保育園と併設した老人ホーム。お年寄りを慰める犬。いろんな試みがなされています。それらのコンセプトは、古い記憶です。使い慣れたもの、なじみのものはお年寄りにいろんな記憶を呼び起こすのです。わたしも母の何でも取っておいたものを利用して、古い会話を楽しもうと思っています。母の嫁入り道具の着物、裁縫道具、茶道具。わたしたち兄弟が作った、小学校での作品。古いアルバム。いろんなものがあります。これでまた母の笑顔が戻ればいいと思います。

  2005.07.19

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• 安静はいけない

  リハビリに関する知識向上が、このところすばらしいです。一昔前は病院側の人手不足の意味もあり、入院中はおとなしく寝ているのがいいとされていました。今はそれは良くないとされています。安静が筋力の低下を生み、寝たきりにつながることがわかってきたからです。人間は７０歳を超えると筋力は最盛期の４０～５０％になります。安静にしていると一日３％、一週間で１５～２０％も落ちるといわれています。安静を二週間も余儀なくされると、筋力は若いときの３０パーセントになるわけです。こうなると歩行に危険が伴い、歩くことが怖くなります。介護者も危ないのでかなり手を出し、歩かなくさせてしまいます。運動量が少なくなり、廃用症候群を引き起こし、ますます寝たきりになります。私の母もそうでしたが、安静にしていると手足の腫れや痛みを訴えます。これは安静にしていることで血圧が下がり、血流が悪くなることから起こります。床ずれの心配も出てきます。ではどうしたらいいのか。わたしが母にしたことを書いて見ます。これは本を読んだりして、いろいろやった上での話です。寝たきりになり、鬱になってくると、何でもめんどくさがります。着替え、食事、風呂皆しなくても死にはしないなどと言って、拒否されます。ましてはリハビリなどしようものなら、「年寄りを、こんな目に合わせて、ひどい息子だ」仏壇に向かって、父親・弟に報告されます。そこでまず食事をベットの端に座らせてさせることから始めました。母は薬を読むことは素直に従いましたので、薬を飲むために食事をするといって納得させました。入院中に看護婦さんから、食後３０分は起こしておく。それが誤嚥防止になる。そう聞いていたので、最初は母の体を支えながら食事をしました。食後は母の好きな長渕剛のビデオを二人で見ながら、座位を取らせました。一週間もするとわたしが支えなくても座っていられるようになりました。次のスッテプです。立ち上がり訓練と言うものがあります。歩行ができない人でも、つかまり立ち上がることで足の筋力をつけようとするものです。病院でリハビリとして行っているところでは、一日１００回が目標だそうです。作業・理学療法士がついてるわけではない、家庭でのリハビリ。訓練とすると拒否されます。日常の中で無理なく、できる方法はないかと考えました。そこでベットでの食事をやめ、台所ですることを考えました。食事に三回は起きることになります。その起きるときに一回立ち上がります。ベットに帰ったときには、寝る前に二回立ち上がりをさせます。これで３×３の９回。これを続け、ころあいを見て、トイレに行くときにもするようにしました。その間デイサービス・デイケアなどでも協力してもらいました。試行錯誤した半年。今ではプールでの歩行訓練のおかげも手伝って、しっかり伝い歩きできるまでになりました。体がつんのめって、足がついていかなかったのが、今では体がまっすぐになり、正しい姿勢で歩けるようになりました。三日前からは、四点歩行器で家の周りを歩くようになりました。「あんたのおかげで、歩けるようになったね。ありがとうね」「違うよ。母さんががんばったからだよ」外に出ると近所の奥さん方が声をかけてくれます。犬を連れた人は、母が喜ぶことを知って、触らせに連れてきてくれます。「おばあちゃん、外に出るといいでしょう」「皆さんに声をかけてもらい、ワンチャンにも触らせてもらって、天国ですわ」「人間歩くのが一番なんですね。おばあちゃんを見てるとそう思うわ」これからのわたしのすることは、母をできるだけ外に出し、がんばってる姿を、若い人に見てもらうことです。それが何か若い人のヒントになればと思います。

  2005.07.16

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• 認知症の姑

  今日病院で母と同じぐらいのお年寄りを見ました。心の元気外来の前でたたずんでいましたので、認知症の方ですね。おばあさんはしきりに手帳にメモをしています。遠くからのぞくと、診察が終わり次回の診察日を手帳に書き込んでいるのです。しかも何回も。忘れないようにと、書いているのか。それとも書き込んだことを忘れて、改めて書いているのか。そこへお嫁さん登場。顔を見るといけません。眉間が走って、鬼婆のよう。まだお義母さんのことを受けいられないのでしょう。「またそんなことをしている。書いても忘れるのだからもうやめてよ。　時間の無駄だから」「あんたに迷惑かけないよう、メモしてるのよ」「病院に来る日のことは任してよ。今までもそうしてるのでしょう」「そんなに言わないで。わたしも忘れないよう努力しているのだから」声が大きくなったことがわかり、お嫁さんはわたしに頭を下げました。わたしも今年のはじめごろこうでした。いろんなことがわかり、今母とは穏やかな会話ができます。このお嫁さんと、お義母様にも穏やかな会話ができることを願って、わたしもお辞儀しました。

  2005.07.15

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• お地蔵さん

  田舎道は怖い。旧道に新道が交差するとこは、なおさらです。新道のほうが大概道幅が大きく、優先道路かなと思っていると、狭い旧道のほうが優先道路だったりする。しかも道路標識が大概ない。そんなところを、よく知らないドライバーが新道をスピードを出す。旧道を走っている人間は、こちらが優先だから相手は止まるものと思ってろくに徐行しない。母と行く温水プールもそんな道にあります。交差点にお地蔵さん。「若い子を亡くした親が建てたものだったら悲しいね」真新しいお地蔵さんに母が手を合わせます。自動車を作る会社の寮母をしていた母。若い寮生が、自分たちの作っていた自動車で命を立つ。そんな理不尽な交通事故を体験してきた母。長い間プロドライバーたちとかかわってきたわたし。交通事故は起こしても起こされても、運命を変えます。あってはならないことです。運転技術の高い人と、低い人。どちらも事故を起こす危険因子を含んでいます。高い人は過信。低い人は傲慢さ。どちらも事故を起こすまで気付かないから始末が悪いです。自分には事故は、無縁だと思い込んでいるからです。高齢者・婦女子。わたしから見ると再教育するか、免許停止にしてほしい人が増えました。行政・警察がいろいろ試みていますがまだまだ対策が不十分です。そこで自己努力が必要となります。必要以外には車は乗らない。いつも他人に譲る心。田舎道でよくサーキットのように、バトルしている車を見かけます。彼らは日ごろのストレスを発散してるかもしれません。わたしから見れば、お馬鹿な人だと思います。運転しているときは、いろんなお馬鹿さんには道を譲りましょう。かかわりあって事故に巻き込まれるほど、馬鹿なことはありません。君子危うきに近寄らずです。

  2005.07.07

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• ガイドヘルパー講座終わりました

  力強いおばさんの視線にもめげず、無事終わりました。ひとつ救われたのは、全盲の職員の方の前向きな教え方、生き方でした。背負うものは重いはずなのに、そんなことを微塵にも感じさせない態度・笑顔。救われる思いです。わたしも前向きにがんばらねばと思います。二つの障害者地域センターに登録して、仕事をしていきたいと思います。男・高齢者のわたしですから、窓口を広くして土、日曜日も仕事ができることをアピールしないとだめだと思います。３６５日仕事をしますから、どうか仕事ができますようにと、センターでの面接には言うつもりです。これから先どんな人と出会えるか、楽しみです。利用者の皆さん全部に好かれたらいいのですが、うまくいかないかもしれません。より多くの人に、わたしと会えてよかったと思ってもらい、わたしも出会えてよかった。こんな気分になれたら最高だと思います。より多くのがんばっている、素敵な人にめぐり合えますように。出会えた後、わたしも前より素敵な人間になっているように。

  2005.07.06

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• 母の初体験

  今日もプールに行ってきた。施設の人にも顔なじみになり、利用者も母に声をかけてくれるようになりました。人とのふれあいを知る、幸せなひと時です。一周２５メートルを２０分ぐらいかかって歩いていたのも、半分くらいでいけるようになりました。悪い左足も自分の力で、右足の半分くらいまで上がるようになりました。一ヶ月もすれば右足ぐらい上がるのではと希望がわきます。ぜひ寒くなる冬までには、そのくらいまでなりたいものです。そうすれば来年の春ぐらいには、杖で前のようにゆっくりでも歩けるようになるかもしれません。ぜひそうしたいものです。わたしもまた元気が出てきました。今日プールを歩いていた母。急に足取りが弱くなりました。もしやと思い聞きました。「おしっこが出そうなの？」「うん、どうしよう」「トイレまで持たないからここでするかい」「行儀が悪いけど、構わないね」気持ちいい、気持ち良いの連発。小さいころ川で泳いでいたころにしたことはあったけれど、プールでは初めて。帰るとき聞いてみました。「プールでおしっこした気分どう？」「失礼ね、そんなはしたないことするわけないでしょ」「う～ん」

  2005.07.03

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• 夏に毛布！

  昨日寒さが体のこわばりを産み応えるため、老人は寒さが嫌いになる。こんなことを書きました。認知症の本を読んでいたところ、医学的にこの問題を書いていた部分に出会いました。抜粋してみます。アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が原因不明で死んでしまう病気です。特に脳神経細胞の中でも、アセチルコリンを神経伝達に使う神経細胞がやられます。心拍、呼吸、血圧、胃腸の働き、発汗、体温調節などの自分の意思で動かせない部分をコントロールしているのが自律神経です。アセチルコリンという神経伝達物質は自律神経系にも関与しています。だから自律神経がしばしば乱れるわけです。重症になると血圧の変動が大きくなるのは有名ですが、同様に体温のコントロールも上手にできなくなってしまうのです。だからほかの人には暑いのに、寒いと感じるようになります。寒がりになり、寒い寒いと言って、夏に毛布をかぶったりするのです。これを読んでなるほどとも思いました。認知症を知れば知るほど奥が深いものを感じます。ただどの話を聞いてもわたしは、全ての認知症患者に当てはまるものではない気がします。１０人の認知症患者がいれば、１０人の歴史があり、感情があるからです。これからいろいろな人の努力で解明されていくのでしょう。前ならそういうことを少しでも知りたくなっていました。少しでも多くの知識を知ることで、認知症の母の気持ちがわかる。でもそれは思い上がりではないかと思うようになりました。知識は手がかりを与えてはくれますが、たとえ母であっても他人の気持ちをわかる。これは無理があるように思えてきました。自分の気持ちもよくわからないときがありますから。今はあまり難しく考えずに、楽しく笑い合えるよう過ごせればいいなと思っています。

  2005.07.02

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• 老人は寒さに弱い

  歯の痛みも少し弱まったので、母とプールに行ってきました。母の左足、変形性関節炎をわずらわっています。少し変形したまま、固まっています。そのためかばうあまり、左足の筋力が落ちうまく歩けない原因になっています。それがなんと、いすに座ったままですが左足が自分の力でかなり上がるようになっていました。プールに入ると手すりにつかまりながら、左足が水面まで上がります。「母さん、いつの間にそんなに上がるようになったの？」「知らん、わからん」「プールのおかげかな」「水の中だときれいに上がるね。もう一度歩けるようになるかしら！」母が生き生きと笑顔で話します。家に帰って母の手をとり歩く練習です。「うまい、うまい。歩けるようになったね」「でもえらいよ。こわいよ」「また明日プールに行こうね」「わたしプールに行ったの？」あれあれ、まあいいか。リウマチとプール療法の本を読み終えました。体の痛むうちは、冷やせ。体のこわばりは温めろ。この二つの違いがよくわかり、温シップ・冷シップの用法の違いもよくわかりました。体は温め動かすことで、新陳代謝が促されることもわかりました。そこでわたしにあるひらめきがありました。お年よりは寒いのが苦手な人が多いのは、これではないかと。体が冷えることで、体がこわばり動きが悪くなることを本能で感じるのではないか。寒い冬に暖房を入れるのにはこだわらないのに、暑い夏に冷房を入れるのを嫌うのはこのせいではないか。母も寒い冬に暖房を入れるのには、反対しないのに暑い夏の冷房は入れさせてくれません。いまも我が家は暑い中扇風機だけでしのいでいます。夏の暑さに強いわたしですが、年とともに弱くなっています。最近の暑さで、冷房入れたくてたまりません。二日前に母の寝静まるのを見計らって入れました。「○○寒いじゃないの、体が痛くなるから、切って！」汗をかきながらも、すうすう寝ている母を見て「くそ～」と叫びました。暑い夜は寝付かれません。だから睡眠不足です。

  2005.07.01

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• 風邪だと思っていたが

  ここ一ヶ月ほど、頭痛が続き風邪だと思っていました。内科にも行って風邪薬をもらいましたが、あまり芳しくなかった。春に引いた風邪は長引くと聞いていたし、年もとったから回復するのが遅くなったもんだと考えていました。ここ一週間特に頭痛が激しく、母の服用していた頓服を飲んでしのいでいました。それもだんだん効き目がすくなり、おかしいなと感じていました。二、三日前から物を噛んだとき、痛みが激しくなりました。前に治した歯がやられたのかなと思い、触ってみました。でも歯の痛みではないことに気付きました。どうも歯茎から痛むのです。少し静養すれば直ると思い、昨日から寝ていました。母がデイから帰って、食事の支度をしようと思い立ち上がったところ。なんと痛みで思わずうずくまりました。母の前で痛がると心配するので、何とか取り繕いました。でも目が回るほど痛い。頭の周りに環ができ、それが収縮するように痛みました。母が心配するといけないので、買い物に行くといって、歯医者に行ってきました。診断の結果。歯茎が膿んでいて、その圧力が神経を圧迫しているとのことでした。一時間ほど処置してもらい、何とか膿を取り出してもらいました。その歯医者は、ここに引っ越してからかかるようになたばかりです。母のことも承知しているので「お母さんの介護をするとき、歯を食いしばることが多いのでしょう。その圧力が、歯茎を痛めたのでしょう」「先生それより、介護のストレスのほうが多いと思いますよ」「間違いないですね。病気の諸悪の根源はストレスですね」楽しく介護しているから、ストレスはないと思っていました。でもそれは、思い過ごしだと知らされました。やはりストレスは確実にたまっていたのです。これからは、何とかストレスを少なくすることを考えなければなりません。母の介護自体はこのままでいいから、何かを考えなければ。やはりショートステイを利用して、二、三日自由な時間を作ったほうがよさそうです。思いっきり、若いオネーチャンのいるところ行って、酒を飲んでこなければ。もう一年近く行っていない。ストレスもたまるはずだ。

  2005.06.29

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• 先手必勝

  熱田神宮の近くの図書館に行ってきた。図書館で本を借りることなどなかったので、一度経験しようと思ったからです。医療関係の本をのぞいていると「リウマチとプール療法」福原須万子が目に付いた。人間の体は、動かさなくなると血液が流れなくなり、栄養状態が悪くなる。寝たきりになると、体重の負荷がかからないので、すごい速度でカルシウムが抜けていく。こんなことが書いてあった。そこでプール療法となるわけである。これは何もリウマチ患者だけでなく、高齢者にも当てはまることだと思った。水の浮力を利用して、動きにくくなった体を動かすことで、寝たきりからの脱出を図るのです。そしてここにも書かれているのですが、何事も先手必勝だということです。下降線をたどった体力を、引き上げるにはリハビリは早ければ早いほどいいと言うことです。母は四ヶ月ほど前には、ベットに座ることもできませんでした。最初の入院で誤飲しかけていたのでその防止策がとられました。食後の３０分は、座ることを心がけたのです。でもずいぶん寝たきりとなっていた体では、それができませんでした。だから座椅子などを利用して、倒れないようにしてすごさせました。それと平行して作業療法を始め、リハビリにも取り組みました。頭のリハビリも大事でしたが、体のリハビリが予想を上回る効果があることがわかりました。退院してからほぼ二ヶ月。目覚しいほど母は、回復しています。トイレもいまでは自分でできます。失禁したことなど、私も忘れてしまったほどです。車椅子も自分で乗り降りできるまで回復しました。あと少しで、杖を使っての歩行もできるでしょう。そこまで回復すれば、母が悪くなる前までの回復になります。そこでリハビリでの目覚しい回復は、止まるでしょう。後はまた元に戻らないよう、日常での母の努力が必要となるでしょう。これからの母の、治療計画が大体決まってきました。月・水・金とデイサービスに行く。火曜日はデイケア（主にリハビリをしてくれる）に行く。月・木・土の三回鍼灸マッサージを頼む。木・土曜日は私が、温水プールに連れて行く。この温水プールをどこにしようかといろいろあたりました。身体障害者が無料で利用できるものもありました。でも身障がリハビリするには、不向きな施設でした。近くに少し料金はかかりますが、身障向きに作り変えられたプールができました。先週行ってきました。これなら通える設備だと思いました。今週は木曜日と、昨日今日と行ってきました。見事に母も私も筋肉痛になりました。プールで小学生の弾んだ笑い声、力強い生命力。それらを感じながら、元気をもらい、楽しくなった母子でした。

  2005.06.26

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• 障害者福祉

  ガイドヘルパーの資格を取ろうとしていている。そして知れば知るほど、障害福祉と高齢者福祉がかなりの部分で重なり合っているのを知ります。たとえば重度視覚障害者の方たちです。いま名古屋に視覚障害者１、二級の方が５０００人ほどいます。そのうち半分以上の方が６５歳以上です。身体障害者でありながら、介護保険対象者でもあります。今日本の福祉は、曲がり角です。いままで身体障害者の方たちに向けられていた目が、高齢者に向かざるを得なくなっています。言い換えれば身体障害者の権利が脅かされているということです。国民の税金で福祉をしなければならないのに、介護保険でまかなおうというのです。つまり日本は貧乏なので、福祉も国民の負担で賄おうというものです。介護保険は、国民年金と違って先取りなので、とりっぱぐれがない、安定した財源なのです。将来月付き８０００円ほどの負担になります。そして増税の問題。昔からいい時代は５０年と続かないといわれています。日本が戦後未曾有の発展を遂げて、６０年ほど。今日本は悪い時代になっているのでしょう。だからこそ皆で知恵を出し合い、未来に備えなければならないのに。相変わらず既存の頭の黒い連中には、反吐が出ます。自分たちの既得権だけを守り、自分の財産だけは守ろうとしている。どんどん悪い連中は、法であぶり出し葬り去らねばなりません。ＪＲ・談合・収賄・脱税・・・談合で思い出しました。経団連の会長、いまをときめくトヨタ自動車の出身です。その人が「談合は無くならないだろう・・・」世界のトップにもなろうという人が、こんな考えです。日本の精神構造は、大変遅れていると思うのは、私だけなのでしょうか。

  2005.06.23

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• 少し疲れました

  母が三月の上旬に入院して、三ヶ月経ちました。９０日中入院がほぼ５０日。その間毎日面会。家にいた４０日間、デイのない日は母と外出。デイにいっているときは、用事のための外出。何が疲れるかといって、自分の時間の取れないことが大きい。飲みにいけない、ギャンブルできない、仕事できない。こんなわけでストレスもたまるのだろう。少しずつ、やる気がうせてきました。まず一番にいやなことは、食事作りです。母にはきちんと食べさせようと努力するが、自分の飯を作るのが面倒になりました。母がデイにいっているときは、食べずに過ごします。人間関係でもそうですが、毎日こつこつと続ける事が苦手な私です。そろそろ手抜きで、惣菜を買ってきてまかなおうかとも考えてます。こんなところでへこたれていては、だめなことはわかるのですが。少しゆっくりしながらやらなければ、持たない気がします。子育て・家事・介護に毎日追われる主婦の皆さん。本当に頭が下がります。

  2005.06.19

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• 久しぶりの外来

  三月以来の外来に行ってきました。その間二回も入院したので、外来に来る暇がなかったのです。リハビリも久しぶりでした。「○○さんずいぶんよくなっていますね。進んでいますよ」認知症の主治医にも久しぶりに、外来で診察してもらいました。「はじめまして、これからよろしく願いますね」母がまじめに、頭を下げる。「今日が初めてなのですか？」「いえきたことがあると息子が言うのでそうかなと思いますが、　先生はお初にお目にかかるという意味です」こちらも順調に進んでますね。

  2005.06.14

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• 子育ては難しい

  いま私は、年寄りの母を子育てしているようなものです。子育てと違うのは、年寄りの介護には進歩がないことです。子供は日に日に進歩・独立していきます。年寄りの子育ては、日に日に負担が増えることです。では喜びがないかというとそうではないことに気付き始めています。「垢で死んだ人はいない」そううそぶいて、デイ以外の風呂を拒否します。デイでも最近は、喜んで入ってますが、最初は大変でした。今日は大変天気がよいので、シャワーを浴びないかと聞きました。「汗かいて気持ちが悪いから、入るわ」「うわ～、気持ちいい。もっと頭を掻いて！」母のうれしような顔を見て、疲れも飛びました。いまガイドヘルパーの資格を取ろうとして、勉強しています。その中で先天性障害者の親離れについて書かれたものがあります。子育てに悩まれている方も、参考になると思いますので、抜粋します。子供が大人になるための重要な課題は「自立」です。特に思春期の特徴とも言える反抗期は「親離れ」のためのステップであり、親の干渉を排除し、同年齢の仲間との親密な関係の中で切磋琢磨し、親とは異なる自分の価値観を形成していく過程です。わたたしは小さいころから教師に「親に反抗するな。親に逆らうのは最大の親不幸である」こんな考えを教えられ、そのとおりだと思い成長してしまいました。親から見れば反抗しないおとなしい、聞き分けのよい子でした。でもその代わりいまだに、乳離れのできないマザコンになってしまいました。いまからでも遅くはないと思い、自立を目指す、５０男です。

  2005.06.09

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• ガイドヘルパー

  何とか福祉の仕事をしたいと思っていた。でも現実にはなかなか見つからない。その上福祉関係の施設を、面接するたびに感じることがある。現実には女性の職場であるにもかかわらず、面接するのはほとんど男だ。確かに言葉遣いは、反感をもたれないようにしている。でもほとんどの施設関係者から、気持ちのこもった言葉が聴かれない。面接してやるといった態度が表に出ているようで気に入らない。ひがみ根性のなせる業といえばそれまでだが。福祉の世界でも女性が出世するのには、限界がまだあるのだろう。近くの障害者の方と、２０年近くスクラムを組んでいる福祉関係の女性がいる。目の透き通った、私が好きになるタイプの女性です。その障害者の方の家にいったとき彼女がいました。その疑問を彼女に聞きました。「福祉の世界でも、天下りがあるのよ。うちの所長も３５歳。県の福祉関係から天下ったのよ。○○さんの言うとおり、いやな男が多いのよ」私も昔はそういういやなタイプだったから、彼女の言葉が胸に刺さりました。そのとき彼女と、その障害者の方から、ガイドヘルパーを目指したらと、アドバイスを受けました。早速名古屋市身体障害者福祉連合会の主催する、ガイドヘルパー養成講座に申し込みました。今日で二回目の講座でした。でもまたまた気付きました。参加者３０名のうち、男は私一人だ。今度こそ反感をもたれないよう、隅っこでおとなしくしていようと思います。ココア様からいただいたアドバイス。何も知らない顔をして、隅っこでおとなしくしていよう。とにかく後八回の講座。誰にもいじられないよう、知らん顔していよう。とにかく、福祉の仕事をしたいから・・・

  2005.06.03

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• 母が退院しました

  抜歯とはいえ手術。緑内障手術についで二度目。低血糖障害での昏睡による入院が一回目。それから１０年。全部で七回の入院です。そのうち五回が、この二年の間の出来事です。糖尿病が３５年。それに伴っての変形性関節炎も３０年。それ以外に糖尿病による、合併症もなく無事に生きてこれました。でも母の心に巣食った心の病の、根は思いのほか深かったようです。母のストレスの多くは、結婚を契機に生まれたようです。回船問屋の長女として生まれた母。太平洋戦争を契機として、運命が狂い始めたようです。でもその狂いがなければ私は生まれていないでしょう。母が貧乏な父と結婚するわけないからです。敗戦で世の中に男が少なくなった、産物での結婚でしたから。母の世代の多くの女性が意にそぐわない、結婚をしています。母も好きな人がいたのですが、戦死しました。男ならかなりの心理的ダメージが残ります。その点女性は強い。生きていこうと決めた瞬間から、前しか向かないからです。潜在意識を利用して、成功するやり方。あれなどは、情けない男どもの、救済方法と思うことがあります。こうと決めたら、やりぬく・継続する力は女性のほうが勝っていると思います。子育てにしても、男は口出しできますが手出しはしません。でもこれからは、核家族の問題もあり、男女協力していかなければならないでしょう。それには男がかなり意識改革しなければなりません。「主婦はいいな。だんなが働いている間、寝てられるのだから」こんな考えの男が今でも多いのでしょうか。私も母の介護がなければ、そういった古典のままの人間でしたでしょう。しかも厄介なことに、口だけはたつ、冷たいままの人間に。いま私は思います。人としての幸せは、健康だと。そしてひととしての、痛み・感謝知らずになることがどんなに不幸なことか。人よりいい生活をする。人より金を稼ぐ。人より、人より・・・これではきりがありません。いつの間にか自分を見失い、健康・心を損ないます。幸せとは単純なことです。健康。家族の笑い。友達との団欒。それにはゆったりとした自分の時間をとりもどすことではないでしょうか。

  2005.05.28

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• 母の手術

  昨日抜歯の手術が終わった。事前に看護婦さんが尋ねる。「手術は初めて？」「はい」もう去年の今頃、目の手術をしたことを忘れている。でももう良いと、思えるようになった。手術が終わって、帰ってくる。口に挟んだ、脱脂綿が赤くなり痛々しい。「お疲れさん。最初で最後の手術が終わったね」「うん、癌で手術はしたくないからね」「抜いた歯はどうする」「お棺に入れておくれ。弟とお父さんに見せてあげたいからね」「今日で、完全禁煙三日目だよ」「もう無理しなくて良いよ」二年前の日記にこう書いている。テレビで見た。やはり喫煙は、癌の元だそうだ。死んだ父親もタバコの吸いすぎで、心筋梗塞を起こした。高校生のころ父親に、タバコを吸うなら外ですってよとひどいことを言っていたのに。いつの間にか父親のようになっている。息子を肺がんで、失いたくない。私が先に死にたい。今日からは心を鬼にして言おう。「私は肺がんで死にたくないから、外ですって！たばこをやめろ！」

  2005.05.24

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• 母のがんばり

  明日母が、抜歯の手術をする。一時間ぐらいかけて、慎重にするそうです。持病に糖尿病を抱えているので、最悪のシナリオで脳梗塞などが考えられるそうです。母の家系は女系家族です。代々婿さん、母もそうなるところでした。日本が戦争に巻き込まれていった昭和初期。母のおじいさん。婿さんでした。家族、商売で使っていた使用人を集めて、母を嫁に出すことを宣言したそうです。「皆も不満があると思う。特に私の女房は不満だと思う。でもこの婿さんが続く家系は私で終わりにしたい。だから孫の男の子に継がせる。継ぐ子がいなければ、商売はやめる」こう宣言して、皆を驚かせたという。いまから考えるとすごい人だと思った。でももっとすごいのはそれを許した、大ばあさんだったとおもう。小さいころ私にこう漏らしていた。「皮肉なもんだ、婿さんをやめたとたん。孫の長女が男の子を産んだ。私は、お前に継がせたいよ」何の話かよくわからなかったが、今はよくわかる。商売をやっていると、自分の死んだ後が気になるのだ。大ばあちゃんは、早くに母の婿さんに商売を教えたかったのだろう。そして安心して、死にたかったのだろう。商売を継いだ叔父さんは、母と一回り年が違う。大ばあちゃんは、しっかりしているうちに、代々継いだ商売が続くことを見届けたかったのだと思う。頭がしっりしているうちに。

  2005.05.22

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• ストレスのたまる訳

  痴呆に関する家族の会に今年参加しました。この回はもう２０年余り活動していて、社会的にもかなり認知されています。私のお世話になった方からの進めもあり、参加しています。家族支援これがこの会の基本コンセプトです。大変すばらしい取り組みだとは思います。ただストレスがたまるのです。なぜなら参加者のほとんど、支援者のほとんどが女性です。しかもほとんど子育て経験のある方ばかり。痴呆以外に、子育てという共通項があります。だから共通言語があります。彼女たちは、談笑に花が咲きます。だから私たち男は、孤独になるのです。介護の現場でも、看護でも、なおかつ家族の会でも、周りは女性ばかり。かなりうんざりします。何がうんざりするのか。まず私の存在が特異なのでしょう。いい意味で言えば目立つのです。しかもかなりの厄介者です。なぜなら女性の多くは、群れたがります。小さなグループができたら、少しでもより多くの人を取り込もうとします。自分に女性としての魅力があると意識する人は、かなりてこずります。そして魅力を失いつつある、戦う女性もてこずります。婦女子は、養いがたし。意見交換ができないからです。意見交換といえば、相手を言い含めることではないのです。皆が正しいと思うことを、素直に意見を出す。意見が食い違う場合は、どこかで寄り合いを見せなければなりません。でもよく言えば、自立心が強い。悪く言うと、我が強い。こういうと多くの女性から、反発を食らいます。それは決め付けすぎ、頭が固いと。私もわかっているのです。女性すべてがそうでないことを。男性がすべて正しいといっては、言っていないのです。ただ孤独な戦いを強いられるのです。いま孤独な状況ですが、そのうち女性でも共感できる人が出てくるでしょう。男性の介護者でも、尊敬できる人物に出会うでしょう。いまは一人でも、現実に意見交換のできる人間と出会いたいです。見えない世界、インターネットでは、限界があることを知った、今日この頃です。母が、抜歯入院で再入院しました。今度は１０日ばかりです。この入院で今後の母のことを決めなければなりません。退院後の一ヶ月で、いろいろやってみました。介護保険でのサービスの見直しもしました。でもいろいろ不具合も出てきました。悪いとこは早めに直したほうが、良いです。デイサービスを二つ使っていましたが、ひとつをリハビリもしてもらえる、デイケアにします。週に三回程度、訪問の鍼灸士さんを頼みます。マッサージをしてもらうと、母が一番喜ぶからです。訪問リハビリも考えました。家の中でノリハビリですから、現実的です。トイレもできるようになるでしょう。でも悲しいかな、それまでも使うと介護保険の自己負担になってしまいます。あきらめざるを得ません。私が家で、できるだけ母にしてやるようにします。

  2005.05.19

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• これからの道

  私がこの市営住宅に引っ越して、もうじき二年が立ちます。早いものです。引っ越した当時母は、人並みの高齢者でした。いま認知症と戦う母、それを介護する息子にと変身しました。その前に母は、去年身体障害者になりました。視野障害という軽い程度の障害です。それまでそんなもので障害者になるなんて考えても見ませんでした。でも障害者手帳をもらうと、いろいろな支援制度があることがわかってきました。それを障害者という立場でアドバイスいただいた、方がいます。私より少しお姉さんです。彼女はいわゆる難病患者です。多発硬化症。フリーページに、難病がわかるホームページをリンクしてあります。ご参考を。発症して２０年余り。彼女の生い立ちもすさまじいものがあります。それは伏せさせていただきます。なお一人娘さんは、当時高校生。そしていま、下の妹さんが、がんによる、終末治療を受けています。一人住まいの彼女は夜、玄関を施錠しません。いつでも救急車が入れるようにしているからです。難病のホームページを最近よく見ます。膠原病など普段よく耳にするものを、少し詳しく知っておこうと思ったからです。リューマチなども、膠原病の範疇になっていることを知り驚いています。でもいろいろ見ていると、私にとって興味深いことを発見しました。どの難病にも、発症原因にストレスが絡んでいるのです。私はストレスとは、外部からの目に見えない力が、体内を攻撃する力とでも考えています。たとえば、紫外線・電波・対人関係から来る無言攻撃（あいつの顔を見るとむかつく）将来の不安・・・特に最近では本来自然にあった、紫外線などのストレスのほかいろいろ増えています。受験戦争などというものは、子供・親を巻き込んだ大きなストレスになります。そんなことを考えていたら、悲惨なことに気がつきました。ストレスが病気の大きな原因であるなら、人類の未来は非常に暗いということです。なぜなら進歩すればするほど、ストレスは増えるのです。今は病因が特定されずに、科学の力が及ばないものもいずれはわかる日が来るでしょう。でもそれがわかるときは、また新たな病気が発見されるということです。終わりなき戦いです。認知症も発見されて８０年余り。今では人類の存亡をかけた問題になりつつあります。でもまだ癌なども克服されていない。国家予算は、どんどん膨れていきます。福祉予算など、道路を作ることに比べれば、日陰みたいなものでした。でもいま人類は多くの間違いに気付いています。開発すればするほど、多くのものを失うと。ここ名古屋でも、木曽川河口堰の問題、藤前干潟の問題を多く抱えています。一度開発計画がなされると、利権問題などが複雑に絡み合い、なかなか白紙になりません。間違いは早く改めたほうがいいのです。できないのは、多くの人間が自分のした間違いを素直に認められないからです。いまこそいろんな人の意見をすり合わせ、いい方向に持っていかなければならないと思うのです。でも残念ながら、その日はまだ遠いでしょう。テレビなどの討論会を見ていると、まだ自分の意見を「大声を上げてごり押しする」他人の意見など、聞く耳もたぬ。自分が一番正しいんだ。こんな態度の人が多く感じられます。まだまだ日本人は、議論が苦手です。議論自体が大きなストレスになります。ストレスになるなら、黙っていよう。良心ある人の多くの態度がそうなります。どこでも盛んに仕切りたがる人が多いですからね。なんか書いているうちに、またストレスがたまってきたぞ。明日最近ストレスを感じることを書いて見ます。

  2005.05.18

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• 母の水着

  昨日母と温水プールに行ってきた。前からプールでの歩行訓練が良いとは知っていました。もう４年前くらいから、最初のケアマネージャーに頼んでいました。高齢者が安心して入れる温水プールを調べてくれと。その答えはとうとう、もらえませんでした。忘れてしまったのでしょう。今では自分で調べたほうがいい、自分の目で確かめ、行動したほうがより良いとわかってきました。ケアマネジャーだからと言って、詳しくはないのです。それに一人一人の利用者の、肌合いがわかり、将来を考えてくれる能力のある人は、ほとんどいないのが現実です。去年母が身体障害者の認定が、決まりました。いま介護保険と、障害者福祉の両方が使えます。でも基本的には介護保険で使えるものは使うよう行政の指導がなされています。介護保険は、集金が確実なシステムになっているからです。それと障害福祉は税金でまかなわれます。この二つの違いが混乱を招き、その境目を確実に把握できるケアマネジャーがいない現実。そこで利用者個人の、自己努力が必要になるのです。自分で調べまくるのです。いま行政でも民間の施設でも、聞けば親切に応対してくれます。だから聞かなければ、始まらないのです。納得できるまで、聞きまくりましょう。それも体力勝負・忍耐勝負になるのでストレスもたまりますが。昨日行った温水プールは、日々使えば母に効果があるでしょう。でもひとつ問題があるのです。施設が古いため、障害者・高齢者に対応できていないことです。一番のネックは、着替えです。男女一緒に着替えができる場所がない。そこで障害者トイレでの着替えになります。そこにはもちろんロッカーがありません。ロッカーは男女別なので、着替えたもの・着替えは私の使う男用ロッカーに入れなければなりません。温水プールを使った後、かなりのストレスを感じてしまうのです。母も私も。そこで県外の新しい施設、そこに行ってみようと思います。少し遠いのと、利用料金が、二人で７００円かかるのです。市内の施設を利用すれば、障害者とその介護者ということで、ただなのですが。快適に使えれば７００円くらい安いものだと思っていってきます。

  2005.05.12

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• 母のメニュー決まる

  母の主治医からの、糖尿病食事療法の指示。Ｅ・Ｎ２０＝１６００カロリーＥは、エネルギー。Ｎはナトリウム。つまりカロリーの制限と、塩分の制限。母の好きな嗜好品。コーヒー・オロナミンＣに関しては、少しならいいとのこと。あまり好きなものを取り上げると、生きる意欲をそぐので、その辺の加減をしてほしいとのこと。母は、食わず嫌いが多い。とろみのあるもの。生野菜。脂っこいもの。ここ何年か母は、食事の支度ができなくなっている。身体的に両手の握力が落ちている。生きる元気を失ってきた。認知症の問題。いろいろ重なってしなくなった。今までは、出来合いのもの・冷凍食品などを利用してしのいできた。今度の入院から私が全部作ろうと決心した。自分で作らないと、なかなか減塩ができないからだ。あれこれ考えてこうメニューを決めた。ご飯を減らすため、炊き込みご飯にする。野菜をたっぷり入れる。それと鶏肉・こんにゃく。味噌汁を必ずつける。豆腐・あぶらげ・わかめ・小松菜・なめこ。ほうれん草のおひたしを、添える。醤油の代わりに、そうめんのたれをかける。甘くておいしいと喜んでくれる。ビタミンＥが認知症の進行を遅らせる可能性があり考慮すべきとの、今の最先端医療での考え。早速インターネットで検索。その中から、マヨネーズを発見。これで一日に採る油脂も決まった。後はどう食べさすかである。いろいろ考え、かいわれ大根とあえて、毎食食べさすことにした。かいわれ大根の葉が緑黄色野菜であることを知ったからだ。白い部分は、淡色野菜。このメニューは一粒で、四度おいしい。今のところまずい、まずいの連発ですが、何とか食べさしていこうと思います。それとおなかが減ったときのおやつ。アーモンドに決めました。これもビタミンＥが多い食品です。

  2005.04.23

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• 生活習慣病

  母は、糖尿病を患っている。ご飯が大好きで、しかも副食は味噌汁。しかもだしをとらず、豆腐・あぶらげを、味噌で仕上げただけのものである。栄養の偏りで糖尿病になったものでしょう。この食生活は、母の生い立ちに大いに関係があります。母は戦前は、かなり手広くやっていた商家の出です。丁稚もかなり多くいました。まかないは家長である、女性が取り仕切っていました。働いてもらう人間には、ご飯と味噌汁。しかもかなりの食事を作るので、味噌汁は大なべで作っていました。肉などは使うことはなく、畑で取れた野菜を入れるだけです。しかも母と同じように、作っていました。栄養の偏りもそうですが、塩分の取りすぎとなります。だしをとっていないのだから、当然味噌を多く入れることになります。漬物も自家製でした。だから母の家系は、脳梗塞でなくなるものが多かったのです。母の父親だけが、がんで亡くなりました。それ以外は、脳梗塞が原因です。母は、糖尿病になったときから塩分を控えめにしていました。何か自分で感じることがあったのでしょう。母の弟で今年６８になる、叔父さんがいます。定年間じかのころ手足の痺れを訴えました。それを聞いた私は、それは脳梗塞の疑いがあるから、すぐ病院にいくよう言いました。でも叔父は、父親の死んだ原因である癌しか頭にありませんでした。不思議なことです。身内に脳梗塞が多いのですぐに疑い、病院にいっているものだと思った私が浅はかでした。叔父さんはその後５年もほかって置いて、三年前に発作を起こしました。幸い一命は取り留めたものの、再発の恐れにおびえています。母のすぐしたの妹も、去年脳梗塞を起こしました。幸い叔父さんが経験していたので、大事に至る前に病院に連れて行きました。今病気の多くが生活習慣から来ていることがわかっています。私など禁煙しなければ、父親のように死ぬ恐れがあります。でもここで大きな問題があります。生活習慣がかかわっているので、なかなか改善できないことです。食生活は普段からの努力である程度改められるでしょう。でもタバコは、ニコチン依存症になっています。今母は、私の作る料理で食生活改善に挑戦しています。母だけ新しいことに挑戦させるのはかわいそうなので、私も禁煙に挑戦しています。母は成功できそうですが、私はかなりがんばらないといけません。ここで今の小さい子供達の生活習慣病について。今の子供の危険因子について。まずファーストフードの普及による、コレステロールの増加。慢性的運動不足。つまり肥満による、心血管疾患が増えるということです。心筋梗塞・心房細動が増えることです。小学校・中学校のお子さんをお持ちの方で、肥満で悩みのお方。生活習慣として、固定される前に、何とか食生活の改善を！習慣として固定されると、なかなか改善できません。当の本人が、やろうという意思が生まれないからです。好きのものを、やめてまで将来に備えようとは、思わないからです。

  2005.04.22

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• 普通救命講習

  私が中学生のころ、近所に真新しい消防署ができた。そのころは田舎だったので、出動もすくなく隊員の方も暇そうでした。学校帰りに遠くから眺めていると、いつも整備点検をしているようでした。私は消防車隊員が、機敏に走り回る姿が見たかったので残念でした。あるとき走らないままの消防車を、期待を込めて眺めていました。いつかっこよく走るのだろうと。「おい坊主、暇ならそばに来て眺めていいぞ」「邪魔にならない」「かまわないさ」憧れの隊員と消防車を比べながら見ていました。何回か見させてもらったころ、「坊主、心臓マッサージを知っているか？」「テレビでよくやっているやつ？」「見ただけではよくわからんぞ。きちんと教えてやろう」消防車を見させてもらっているてまえ、いやいや教えてもらいました。あるときてんかん症状を持つ友人と、山へ自然薯取りに出かけました。彼は、芋の自生している場所をよく知っていたからです。奥深い山に入っていたとき、発作がおきました。前に見たものよりひどかった。見る間に彼の顔が青ざめ、体が硬直していきました。パニックに陥った私は、人工呼吸と心臓マッサージをしようと思いました。彼の胸に手を当てて、体ごと押しました。「ボキ！」にぶい音がしました。肋骨を折ってしまったのです。私は、あわてて山を降り、大人に助けを求めました。幸いにも一命を取り戻したものの、彼は肋骨の骨折で入院しました。母に説得され、一人で謝りに行きました。彼のお母さんに会うのがいやだったので、あわないように祈っていました。でもあってしまいました。逃げ出したいのを必死でこらえ、「ごめんなさい」やっとのことで言いました。「気にしなくていいのよ。これからも○○と仲良くしてね」彼のお母さんさんの、明るい笑顔が今でも忘れません。生兵法は怪我の元。父を心筋梗塞で失った私。母は、それだけは避けたいと思い、今回講習を受けました。今までにも何回か講習は受けました。でもパニックに陥ったとき、冷静でいられるか自信がありません。消防署でも、半年に一回は、再講習を受けてくださいとのこと。今回ご指導をいただいた女性隊員の皆さん。皆さん素敵な笑顔でした。こういった笑顔に出会うと、救われます。

  2005.04.21

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• 母の病状

  退院に当たっての主治医の話。左側頭葉に萎縮あり。それよりも前頭葉の働きが鈍っている。人間の感情をつかさどるところなので、意欲低下が激しい。母は生きることに疲れたのでしょう。それでいろいろ思い当たることがありました。詳しくは、これからの日記に書きます。前頭葉で思い出したことがあります。私の人生での暗い部分です。もう３０年位前になります。今で言う精神障害にかかっていた私は、東京郊外の病院に入院していました。俗に言うキチガイ病院でした。病院というには、程遠い施設でした。医者は、精神科医が一人。それもアルバイトの若い医者で、まわしていました。患者を見る目が冷たくとても心を開けるものではありませんでした。極めつけは、看護婦です。元患者を、採用していました。しかもまだかなりの重症患者でした。入院患者からも「あいつの目は怖い。男日照りが長いから、まだ治っていない」若い患者だった私などは、彼女から薬をもらうたび、股間を触られていました。その彼女も２５、６才くらいでしたでしょうか。男の患者の多くは、アルコール依存症。そのころはアル中と呼んでいました。女の患者の多くは、女性特有のものに起因したものが多かったです。本当に社会から隔離された、暗い世界でした。母との、格闘で母子がはじめて向き合えるようになりました。わたしも自分を見直しています。そのころのことも、これから書いていこうと思います。前頭葉の話に戻ります。私が入院していたころ、額の真ん中に外科手術の痕がある患者が何人かいました。ロボトミーといって、前頭葉を削除された患者です。キチガイの多くは感情の起伏が激しい症状を呈します。それでその感情をつかさどる前頭葉の一部を削除するという、暴挙がなされたのです。昔の医学書にロボトミーなる項目が載っていたので、かなりのキチガイ病院で、その手術がなされたものだと思います。いつの世にも、差別が存在します。結核患者・知的障害者・身体障害者・精神障害・薬害問題・民族問題・・数え上げたらきりがありません。日本の一番いけないところは、くさいものにはふたをする精神です。マスコミの目に留まったときだけ騒ぎます。時が過ぎれば、何もなかったように、振舞われます。だから私はマスコミを信用できないのです。最近では、神戸の地震・サリン事件も風化しようとしています。問題が起こったとき徹底的に解決していないので、また同じような事件が起こるのです。今児童の虐待・女性の虐待が、大きく取り上げられています。これは最近起こった目新しい事件ではなく、昔からあることなのです。それに核家族の問題などが複雑に絡み合っているから、新しいように感じるのです。最近の事件で心を痛めたことがひとつ。児童が、火をつけて、二酸化炭素中毒でなくなわれた事件です。これは近くに防空壕があるとか、学校の対応が悪いとかの問題ではないと思うのです。火を使うことの危険性を、児童に教えれない今の社会構造が問題だと思うのです。私が小さいころ、火を使うことは、木造建築の多い当時では、火災の危険が大きかったのです。それでかなりの人から、子供たちだけで、火遊びをする危険を、注意されたものです。ではこれらの事件を防ぐ手立ては何かと問われると、これしかないように感じます。困っている人・危険に陥る可能性のあることを見聞きした人は、そのつど声かけをすることです。困っている人には、何かできることはありません。危険に陥りそうな人には、そんなことをするとこうこうで、危ないよ。勇気の要る行為ですが、この小さな一歩からはじめることで、少しずつですが、いい方向に社会が向かえると思うのですが。私たち母子の、最近始めた声かけです。「おはよう」「ありがとう」「今日もいい一日だったね」「明日も何か、いいことがありそうだね」「おやすみ」「うん、みんなに感謝して寝るわ」

  2005.04.16

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• ある看護士の無念

  ┌─────────────────────────────────┐│○ｏ○　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　││ｏ○　　　　　　　　　　ムッチー看護婦の　　　　　　　　　　　　　││○　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○││　　　　　　　　～　徒　然　な　る　ま　ま　に　～　　　　　　○ｏ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○ｏ○│└─────────────────────────────────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2005.4.6　　　　　　　　　　　　。ｏ○最終回号○ｏ。　　　　　　　　　　　　――――――――――体の悲鳴がすぐにわかる人、そうでない人、いろいろな人がいる。多くの人は、体の悲鳴をわからず、その時々に流されているにちがいない。そういう私も明らかに後者のタイプだった。からだの悲鳴が聞こえず、いつも（がんばろう！大丈夫！！）と気持ちが優先し、いろいろなことを行い、生きてきた。結果、病気になり、初めて自分と対面し、体の不可逆的変化、疾患の前で、私は患者という立場になった。キュープラーロスの「死の瞬間」という本にも書かれているように、病気を前にしたとき、人は心の葛藤を経験する。最初「私が・・・！？」と衝撃を受け、「そんなはずはない！」と否認する。そして間違いでないことがわかると「そんなバカな！」と怒り、次に「もしあの時、ああしてたら・・ああ、しなかったから」と、心のうちで取引きをする。「なぜ私が・・」と悲嘆し、こうした取引きをした後に、「受け入れるしかない」のだと受容する。そして、「こうして行こう」と、やがて希望を持つのだ。こういった心の葛藤を通過していくのだが、私も少なからずそのことは、経験することが出来た。病気は、患者に気づきをもたらすためのサインともいう。サインを見逃さず、病気が治ればそれが一番だと思う。私は、自分の生活を振り返り、食事を振り返り、休養を振り返り、何一つ体に思いやりの気持ちを持っていなかったこと、行動していなかったことに気がついた。患者となった私は、私なりにどうすればよいかを考え、今までの生活を改めることにした。病気を自分を見直す機会と捉えることにしたのだ。厳しい環境下の救急センターでの仕事は、ある意味やり甲斐のある仕事ではあったが、体を酷使した。三交代勤務の「日勤深夜入り」などは、日中働いたその夜中に、また次の勤務として出て行き、クタクタになって働き、体に相当負担をかけていた。だから、三交代勤務のない職場に配置換えを希望し、夜眠る生活に切り替えた。食事は、インスタント食品を含む食品添加物のものをなるべく避け、手作りの栄養価の高いもの、野菜をきちんと採り、体を温める食品を採るように心がけた。睡眠を考えて、コーヒー好きの私だったが、飲む回数を減らし、夕方以降のカフェインは断つようにした。心と体はつながっているという。体が病むということは、私の心はどうなのだろう。救急で仕事をする中で、責任の重圧で押し殺してきた私の思いを、開放してあげることが必要だった。私はさまざまに生活を変えた。病気は、悪者ではない。病気になった原因が必ずあり、病気は、医者や薬が治すものではない。「病気を治す」という自分の「意思」が強く必要であり（＝諦めないこと）、それは自分自身が治すものである。医者や薬はその手助けにしか過ぎない。その甲斐あって体は少しずつ良くなっていったのだが、いつしか体をいたわることを忘れ始めた頃、今まで出なかった症状が新たに出現した。・・・・・。こんなに一所懸命してきたつもりなのに、いったいどうして私の体はまた悪くなるのか。小さい頃、私は学校を休むのが大嫌いだった。もともと病気はしない方だったが、ある時、朝４０度の熱が出た。しかし、翌日の学芸会での小さな自分の役があるかと思うと、母の反対を押して学校に行き、帰ってくるとそのまま倒れ込み、結局、次の日起きられず休むこととなった。その小さな頃の性格が、今も大して変わらないように思う。その性格にも起因していると思う。目立つことを嫌う自分、波風を起こすことを嫌う自分、勇気のない自分、頑張りすぎて無理をして、無理をした結果、自分すらわからなくなる。病気であるということも意味があるというのなら、心と体が切り離せないというのなら、またその意味を考えていかなければならない。私は、また再び前を向いて進んで（変えて）いこうと思う。一人ではない、人に支えられてこうしているのだから・・・感謝して・・。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ムッチー さ┃い┃ご┃に┃…┃ ━┛━┛━┛━┛━┛　　休み休みのメールマガジンではありましたが愛読していただき、　時に励ましのメールや感謝のメールを送ってくださり、　本当に勇気付けられました。　つたない文章でご迷惑もかけたとおもいますがお付き合いくださいまして　ありがとうございました。　私のわがままで少し充電期間をとりたいと思っています。　「ムッチーの徒然なるままに」は今回で終了という形をとらせていただきますが　またしばらくして違う形でお目にかかれたらと切に思います。　メールマガジンを発行するにあたり多くの方に支えていただき　感謝いたしております。本当にありがとうございました。ここに私が昔から敬愛する看護士さんの無念がかかれています。理想家は、早死にしやすいとも言います。でも今の社会は、多くの理想家に支えられてここまで来ました。戦場で家族を守るため、敵を倒したのも理想家の行動だと思っています。自分だけがかわいい人は理想家に、成れません。他人のためにも生きようとする多くの理想家が、未来の社会を切り開いてくれているのです。遅まきながら私も、理想家の一人として生きていこうと思います。ムッチーさん、早くよくなられて、またすばらしい文章を読ませてください。ここで彼女からもらったメールの一部を紹介します。『介護を楽しくするには・・・とふと考えました。会話をすること、笑うこと、愛すること。現実に看護の厳しさを知っていますが介護を楽しく出来ることが理想です。おじいちゃんやおばあちゃんのかわいらしさを楽しむように』これからの私の理想となるお言葉です。どうもありがとうございました。

  2005.04.15

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• 母が退院しました

  一ヶ月に及ぶ入院でした。今回の入院でこれからの希望がわいてきました。それもこれも、病院での年寄りに対する、尊敬の念で医療にあたる。このコンセプトが隅々までいきわたっているからでしょう。この二週間母を見舞った後で、温泉に入っていました。早い時間平日は、お年寄り・そのお孫さんがほとんどです。みんな笑顔が素敵です。若い子供たちから元気をもらい、お年寄りから知恵をもらう。本当にありがたい、二週間でした。「坊や、またあおうね」「おじいさん、いろいろありがとう」「またどこか出会いましょう」「こちらこそ、おげんきで」こんな会話があちこちで飛び交います。夢のような時間でした。今までの人生が走馬灯のように、駆け巡りました。私のこれからの人生の道が見えたようです。若い世代から元気をもらい、お年寄りから知恵を授かる。その橋渡しが私のこれからの、人生での役割でしょう。何とか、福祉施設での仕事を見つけたいと思います。職安にいっても、年齢の問題もあって、なかなか難しいです。でも何とか見つけます。それと今回の温泉でうれしい話をひとつ。私は、アメリカが攻撃されたとき、骨折で入院していました。もう五年くらいたちました。その間に足をかばい、びっこを引くようになっていました。それが温泉につかっているうちに、元気になり、うまく歩けるようになりました。宝くじに当たったようなものです。この宝くじにあったような幸運を大事にして、これから生きていこうと思います。

  2005.04.12

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• 母長寿医療センター入院

  母が明日国立長寿医療センターに、入院が決まりました。最初にに担当していただいた先生が、転勤されるそうで今日、三浦先生が担当していただけることになりました。母の糖尿病のことで、内科を受診したのですが、ご専門は老人の痴ほうだそうです。精神科医さんです。運が向いてきました。「お母様の状態では、何回も受診されるのが大変でしょう。　検査入院で全部診てみましょう。」母の過去を洗いざらい話した後でした。父のこと、弟のこと、インターネットいがいではしゃべっていません。過去を知っている医者はいません。そこでこの先生なら全部話してしゃべってもいいだろう。またそうしなければ、母の一番いい治療法が見つからないだろうと、思い話した。胸のつっかえが取れた思いです。思わず先生の前で泣いていました。「母をこんなにしたのは、わたしです。　先生どうか、お助けください。お願いします」三浦先生が「○○さん、わたしが三浦です。これからよろしくお願いします。」「わたしこそ」でもわかっていないのは確かだ。でもやっと心から任せられる先生に出会った気持ちです。これでやっと、スタートが切れます。あすからは、老人医療の先端を行っている、病院での報告をしがてら、日記を書きます。わたしの目から見て、偏らずに報告します。何かお聞きになりたいことがあれば、わたしの日記にコメント入れてください。責任を持ってお聞きし、お返事します。他人の目に触れることを恐れられる方は、私書箱にメール入れてください。介護者・看護者集まれ、悩みを語ろうよ介護に携わる方で、悩み・不満・ストレスを感じている方、このテーマで楽天日記に投稿してみませんか。それを見たお仲間が、コメントなどでアドバイス・助言してくれます。みんなで解決・愚痴を言い合いませんか。

  2005.03.08

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• デイサービスの皆さんありがとう

  「息子がわたしの生きる杖です」こんな気の利いたことの言えた母、だんだんいえなくなっていく。悲しい病気になったものです上の写真は、デイサービスで、母が書いたり作った作品です。昨日はおもわず、抱きしめてしまいました。ふさぎこんでいたわたしを母が慰めます。「わたしが横で寝てなぐさめてあげるね」おいおい、トイレに行くときわたしがいないと寂しいから、夜添い寝してくれといったのは、母では、なかったのか。よる添い寝して、介護されてるのは、わたしだったのか。介護者・看護者集まれ、悩みを語ろうよ介護に携わる方で、悩み・不満・ストレスを感じている方、このテーマで楽天日記に投稿してみませんか。それを見たお仲間が、コメントなどでアドバイス・助言してくれます。みんなで解決・愚痴を言い合いませんか。

  2005.03.06

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• 鬱ではなく認知症？

  昨日国立長寿医療センターに行ってきた。高齢者総合科で、受診しこれからの治療を決めているところだ。ＭＲＩを三ヶ月ぶりに撮る。前はわたしが痴ほうではないかとの問いに、心療内科の医師が一度診ようということになり、撮ったものだった。今度で六回目、しかも二年の間で。見慣れた母の脳の断面写真が手渡される。医者の説明が始まる。アルツハイマー型痴ほうが、推測される脳の一部の欠落。それがかけると、新しい記憶がとどまらなくなるそうだ。やわらかくいっているが、三ヶ月前の写真でも多分所見できただろうとのこと。「やはりあの心療内科医は、藪医者だった！」何が、痴ほうが疑われる鬱症だ！認知症・ボケではないか。医者の言葉が続く。脳血管性痴ほうが疑われる、新陳代謝をつかさどる機能が欠落している可能性がある。脳の一部が白色化しているのだ。恐る恐る聞く。「去年、こんにゃくをのどに詰まらせたのが、引き金ですか？」「その可能性は否定できませんね」やはり母を呆けさせたのは、わたしだった。今まで散々迷惑をかけ、とどめを刺したのもわたしだった。介護者・看護者集まれ、悩みを語ろうよ介護に携わる方で、悩み・不満・ストレスを感じている方、このテーマで楽天日記に投稿してみませんか。それを見たお仲間が、コメントなどでアドバイス・助言してくれます。みんなで解決・愚痴を言い合いませんか。

  2005.03.05

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• メリル・ストリーブが噛み付いた

  女優のメリル・ストリーブ。わたしにとって「クレイマー・クレイマー」で、父子を捨てる母親を演じていたせいか、少し好きな女優さんであります。でも数多くの作品に登場し、アカデミー賞主演女優者でもある、彼女の映画は多く見ています。クレイマー・クレイマーに出ていなかったら、オドリー・ヘップバーンの次ぐらいに大好きな女優さんなっていたでしょう。彼女が何に噛み付いたかというと、日本の女性は離婚すると、六ヶ月再婚できません。それを認めると、父親の認定ができないという判断で、日本の民法で禁止しているのです。それが日本女子の差別であると、アメリカのマスコミを動かし、日本の法律を改める運動を起こそうというのです。昔ジェーン・フォンダが，日本の捕鯨を動物愛護の精神のもと、捕鯨禁止を訴えたと同じようです。この民法では賛否両論がこれから飛び交うと思います。日本はこの手の外圧に弱いのです。ましてやそれが大女優である人の意見ですから、アメリカもこれから大々的に取り上げると思います。これに関しては、わたしの意見は挟みません。なぜ今日これを書いたかというと、同じ事実でも立場が違えば、違う意見が出てくるということです。昨日わたしは楽天日記に新しいテーマを投稿しました。これからの高齢者社会を迎える日本で、利用者の権利はかなり守られています。でも利用者を介護する家族・介護者・看護者の権利はどれだけ守られているのでしょう。利用者の介護する人は、やって当然と見られがちなため、多くのストレスを感じます。そしてその多くは一人で悩み、出口を失っています。だからそんな人たちを多く取り込み、悩みを解決したり、いい手立てをみんなで考えていこうと思っています。介護する側の立場の多くの人を、家族・看護・介護の立場で、いろんな意見を交わして何かできないかと思っています。家族だけですと、看護の立場がわからない。看護の立場だけすると、家族が看護する痛みがわからない。違う立場の人でも同じ土俵で、語れるようにしたいのです。将来はわたしは、何かしているでしょう。でも今できることはと考えたら、楽天日記をつけておられる方に呼びかけ、このテーマで投稿してもらい、その人たちにわたしができるだけ、アプローチする。こんな考えをしてみました。本当に小さな一歩で終わるか、大きなうなりになるか。それとも何かの警鐘を発することができるか。何も勝算がありません。でも何かしなずには、おられないのです。母が倒れた日に、何かがわたしの中で、動いたのです。介護者・看護者集まれ、悩みを語ろうよ介護に携わる方で、悩み・不満・ストレスを感じている方、このテーマで楽天日記に投稿してみませんか。それを見たお仲間が、コメントなどでアドバイス・助言してくれます。みんなで解決・愚痴を言い合いませんか。

  2005.03.03

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• 介護者・看護者集まれ、悩みを語ろうよ

  いつも使っているテーマがなぜか削除されている。介護をテーマにしたものだ。これがなくなると困るので、今日わたしが新しいテーマを作った。ジャンルは健康・ダイエットで、タイトルは「介護者・看護者集まれ、悩みを語ろうよ」これからの日記は当分このテーマで書いていくつもりです。介護に追われる日々の悩み、看護の悩み。そんな方たちに日々の悩みを書いてもらい、それを読んだ方から、励まし・知恵をもらおうというものです。わたしは最近やっと独りでする限界を悟りました。これを機会によりたくさんの人に助け・アドバイスをもらおうと決めました。それには共通の悩みを持つ人に、たくさん出会わなければなりません。この新しいテーマを提供することで、看護・介護に悩みをもたれる方に、たくさん出会い、助けをもらおうと思っています。小さな一歩からですが、大きなうなりになることを信じて、書き続けます。介護者・看護者集まれ、悩みを語ろうよ介護に携わる方で、悩み・不満・ストレスを感じている方、このテーマで楽天日記に投稿してみませんか。それを見たお仲間が、コメントなどでアドバイス・助言してくれます。みんなで解決・愚痴を言い合いませんか。

  2005.03.02

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• 母子の旅

  先週デイサービスでの、介護人との衝突でわたしの神経は狂ってしまったようだった。二年来の福祉行政への不満、総合病院での治療に対する不安感。その上に退院後の介護疲れで、疲れていたのだろう。普段ならやり過ごせる若い看護人の一言が許せなかった。あちこちでたらいまわしにされ、自分ひとりで戦う限界が来ていたのだろう。若い看護人に対して今までの不満が爆発してしまった。あとで謝ったが、反省するとこである。昼夜逆転の生活を余儀なくされ、怒り、ストレスから、眠れなくなっていた。2月18日の夕方。母の今後のことを考えながら、パソコンでいろいろ調べていた。突然トイレで何かひっくり返る音がした。もうわたしにはわかっていた。母がひっくり返ったのだ。途中でガキンーという変な音を聞いた。覚悟した。恐る恐るのぞく。母が不思議そうな目をこちらに向ける。「どうしたの？」「？？？・・」「どこか痛くない？」「？？？・・・」わたしは悟った。母は自分のしたことがわからなくなっているのだ。心療内科の医者が「痴呆を疑われるうつ病」と診断していた。そんな病名があるかと前から疑っていた。これはその医者の言うように疑われるのではない、間違いなく痴呆なのだ、認知症なのだ。もう誰かに任しておけない。福祉も、医者も頼りにならない。自分で納得できることを母にしてやろう。でも今何ができるのだろう。その日は、また寝ずににパソコンで調べまくることになる。

  2005.02.26

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• 福祉行政の低下

  最近福祉行政の締め付けが目立ちます。日本は世界一の高齢者社会に急激になりました。将来を考えると福祉予算の洗い直しをしておかないと、福祉行政が回らなくなることはわかっています。たかだか5年に満たない、介護保険制度がまた見直されようとしています。見直しといえば聞こえがいいのですが、予算が足りないから、弱いものいじめをしようというものです。介護度が、要支援・介護度1のかたは、自立とみなされ、介護保険が使えなくなるようです。福祉といえば障害者の方々のほうが歴史は長いです。福祉といえばまず障害者の方を思い浮かべます。障害者福祉と介護保険制度は重なる部分も多く、無駄な面もあります。それを今まで得られた権利を取り上げ、障害者福祉を介護保険に寄り添わせる、福祉行政には納得いきません。障害者の方の多くは、医療の助けが必要です。医療費の問題は、切実な問題です。それを介護保険制度に寄り添わせて、一割負担を求めるとは何事だ。しかも通達されてから、実行されるのがすぐの人もいます。せめて一年ぐらいの猶予期間があってもと思うのはわたしだけでしょうか。いきなり医療費の一割負担になっては明日からどうやって生活費を出すのか！せめて当の本人に対応できるよう、一年くらい待てないのだろうかと思います。わたしは不思議です。障害者の方の権利を守る団体もあろうかと思うのに、なぜみんな黙っているのか。今日本では不幸な事件が起きています。わたしの住んでいる愛知県でも、母親の目の前で子供さんが殺される事件が起こりました。そこへまた、介護者がお年寄りを殺害するという痛ましい事件が起こりました。こういう事件が起こるたびマスコミは、その事件だけの特殊性を上げ、報道します。わたしは言いたい。根はひとつだと。多くの人の無関心が、不幸な事件の連鎖を生むと。小さな子供・高齢者は手がかかります。障害者の人も手がかかります。だからその範疇に入らない多くの人が手を貸さなければならないのです。それをこういった痛ましい事件が起こると、当事者を必要以上に責めます。子供様をなくされていて悲しんでいる母親の、地元愛知県の生活情報誌で、ひどい意見を見ました。最近の母親もいけない。携帯電話のメールに夢中になっていて、子供を見ていない。これは安城市（愛知県）にお住まいの、保育園勤務者の意見。これは心ある人の意見とは思えません。一部の携帯に夢中になっている母親の行動をとりあげ、親の責任を暗に求める。これではその母親が浮かばれません。目の前で子供が殺されたのは、その母親にも一部責任があるといっていると同じです。その母親様も今自責の念に駆られていると思います。がけの上に立って、悩んでいる人に手を差し出すどころか、背中を押すような行為です。今にこういった凶悪な事件が始まったわけではないのです。今の社会があまりにも複雑化しすぎて、みんなどうしていいのかわからなくなっているだけです。根は無関心です。無関心だから、自分は結局は部外者だから平気でいられるのです。事件は特殊のように見えるだけです。そして情報社会がまたあおります。昔なら地方新聞の片隅にしか載らない事件も、その日のうちにマスコミが取り上げます。そして面白おかしくあおります。マスコミも心をなくした人間です。業界人と彼らは称し、一般大衆をシロウトとこき下ろします。何がえらいのかと思います。小学生の身を守るためのプログラムがあるそうです。悲しいプログラムです。それを作った関係者の話。今度は小さい子供を対象にしたプログラムを作る必要性を感じているそうです。あきれてものも言えません。こういったプログラムを作って世間に警鐘を鳴らしているのだから、わたしは無関心ではないと、思っているのでしょうか。あなた方の考えるシュミレーションより、世間の現実のほうが大きくて対処できないことがなぜわからないのだろう。そんなプログラムを作れば、世間でもっと凶悪な事件が起きれば、作り直さなければなくなる。頭で考えているより現実の変化が速く・大きくなっていることにきづかない。そんな目先の変化の激しいものに対応するより、変わらないもの、永遠に続くものに目を向けたほうがいいと思うのはわたしだけだろうか。人間が人間を信じる。弱いものに心を添わせる。昔からしている人間の持つ単純なものを、今からできるようしなければならないのだ。死者に花を添える。これは今の人類が生まれる前、現生人類から続いている、すばらしい行動なのだ。死者に花を添え、その人に感謝し、その死を尊ぶ。わたしは思う、愛する心、尊敬する心を育てるのは難しいことではないのだ。複雑化しているように見えても、根は単純なのだ。人を愛する心を育てればいいのだ。愛せない、やり方がわからない人に手をさし伸ばせばいいのだ。

  2005.02.25

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• 拝啓ケアマネージャー様へ

  これから書く記事は、全国のケアマネジャー様を非難するものではなく、ただこんなこともあった、あるんだということをお知らせするだけです。介護保険がスタートとしたのは、平成１３年（？）のように思う。そのころの母は足が不自由（変形性関節炎）なものの、家事を切り回してくれていた。利用資格があるのだからそのうち役所から何かいってくるのだろうと思った。でも何事もなく過ぎていく。そのうち母を心配する叔母から電話がかかる。「ねえちゃんが心配だから、とりあえず役所に電話して、介護　保険が使えるようにして」役所では最初に介護認定をしてくれという。そして13年の夏、要支援という認定が降りる。そしてただ一枚の紙切れを渡される。東区の指定委託者介護支援事業所と書かれたパソコンからコピーしただけのように思われる、みすぼらしい半紙であった。そこに書かれた11の事業所に電話して選んでくれという。それ以上の説明もなく、わけがわからないままだった。あるとこなどは、電話も通じない事業所もあった。とりあえずある事業所で、母のケアーマネージメントを頼んだ。「うちは、土日はやっておりませんので、息子様が平日立ち会って　ほしいのです」そのころのわたしは労働条件のいい会社に勤めていたのではないので、休みたくはなかった。会社に事情を話し午後からの早退を認めてもらう。要支援でできることを教えてもらい、病院のいき帰りの付き添いをお願いした。よく年14年の三月からは、介護タクシーが使えるようになる。利用料も安く大変ありがたい制度でした。（今ではその料金で利用できなく、また介護度の低い人も使えないみたいです）その介護タクシーではヘルパーが使えなくなり、病院で待ち合わせる形ならできるという。母が、病院に着けばボランティアの人がいるし、まだ自分でできるというのでヘルパーなしで、病院通いするようになる。しばらくは何事もなく、うまくいっているようであった。事件はその年の暮れに起こる。そのころのケアマネージャーの仕事は、母の病院の行きの介護タクシーの予約を入れるだけになっていた。帰りは介護タクシーを呼ぶ時間がはっきりしないため、普通のタクシーで帰ってきていた。いつもは自宅を訪れ、母の確認のもと病院に通う日を聞いていた。12月の年も押し迫ったころ、そのケアマネジャー様は快挙に出る。携帯電話から母に電話し、病院に通う日を聞いたのだ。そしてこともあろうに、ケアプランの作成を忘れてしまったのだ。そして15年の年明けを迎える。母は自分で身支度し、介護タクシーを待っていた。待てども待てどもいつもの、運転手は来ない。母はどこからその介護タクシーが来るのかわからないので、自分で判断したのだろう。マンションの8階から自分で降りて、表通り（錦通りといってかなりの交通量）に向かってタクシーを拾おうとした。わたしの携帯に母が倒れたとの電話が入った。わたしはとうとうこの日が来たのか、覚悟を決めながら家に向かう。家に着くとひっそりとしている。不思議な気がしながら、ベットをのぞくと母が寝ている。「どうしたの？」「転んじゃった」「どこも怪我してないの？」「うん、でも気を失ってたみたい」「誰がここに連れてきてくれたの」「若いお嬢さんだった」「名前聞いた？」「仕事があるからといって、すぐに帰っていった」「それよりきょう病院に行かなかったので、次から診てもらえなく　なるかもしれないから、病院に電話しておくれよ」「わかった電話しておくから、母さん心配するなよ。母に聞かれたくない電話になることが想像できたので、買い物にいってくるといって外で電話する。案の定押し問答が始まる。「うちにはそんな不心得なケアマネジャーはいない」「お母様がぼけてるので、こんなことになった」わたしは二度とこんなことがないよう、相談したいといっているのに。身内の護身ばかり。最後には「こういったものは信頼関係で結ばれています。お宅がうちを疑ってるなら、もう結構です。どこか違うところにあたってください」母は一番信頼できる存在にならなければいけないケアマネジャーに、見放されることになる。とりあえず介護タクシーの予約だけなら、その会社にもケアマネージャー様がおられるのでその人に頼めばいいくらいに思って、電話した。介護タクシー会社が言うことには、もう一度ケアマネージャーを母につけて、申し込んでくださいとのこと。その事業所のケアマネージャー様では、母の対応はできませんとのこと。これから母になんといったらいいのだろう。冬の寒空の下、自分のふがいなさを知り、涙が止まらなかった。本当に思いっきり泣いた。この事件はもう二年前のことです。でもベッセラ様の日記を読んで、まだ似たようなことがあるのを知り、きょうの記事を書きました。ケアマネージャー様にも言い分はたくさんあるのだろうと思います。でも忙しいの一言では、理由にならないのです。それ以外の言い分なら喜んで受けますので、コメントなり、私書箱へメールでしたためてくださいませ。

  2005.02.23

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• 飯がない！

  きょう母と、病院に行ってきた。はじめての病院なのでいろいろ気苦労も多かった。知代ちゃんは、はじめて乗った介護タクシー（リフトつき）でご機嫌でした。わたしに、やいのやいの言われることなく、きょうはお抱え運転手つきですから。病院の帰りは、ご褒美にうどん屋さんによります。わたしは親子どんぶり、母は味噌煮込みうどんです。店で注文した後、わたしはスーパーで買い物を済ませます。きょうは、たくさん買い物したため３０分ぐらいたってしまいました。母は食べ終わったかな？俺の親子どんぶりさめてしまったかな？店に入ると母は、まだ味噌煮込みを食べてます。見渡すと親子は空になったどんぶりだけが残ってます。「あんた、なにたべるの？」「お店の人に早く作ってくれるよう、言ったほうがいいね」まあいいか、食欲だけはあるのだから。去年は食べれなくて心配していたのだから。

  2005.02.21

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• 迷っている人に声かけを

  人生街道を渡っているとき、難儀な思いをしている人にあったら声かけをしてください。あなた様の勇気ある行為が、その人を助け運命を好転することがあります。かける言葉は何でもいいのです、「お困りですか？」「何かできることありますか？」ただ注意することがあります。声かけをするときは、困っている人に目線を合わしてください。子供さんが困っていたら、しゃがんでのぞき込む。お年寄りなら、手を差し伸べながら、かがんで目を見つめる。困っている人は、心が弱っています。高いとこから見つめられると、おびえを感じて、「何も困っていない、かまわないで！」心を閉ざして、かたくなになります。助けられた人は、見知らぬあなたをその後感謝し続け、今度は自分が誰かを助けようと思います。そうしていけば必ず住みよい社会ができていくとわたしは、信じています。母は、何度も自分の精神が壊れるのに耐えていました。でも今度ばかりは、耐えられそうにありませんでした。最愛の次男坊が、目の前で首吊り自殺を遂げたのです。寝てる自分のそばを通り過ぎて、死への旅に出かけてしまったのです。なぜ自分をふんずけて歩かなかったの？そうすればお前を死なせなかったのに。わたしが仕事に出かけた後、部屋でひとり涙します。何度も何度も大声で泣いたことでしょう。悪い足を引きずりながら、外に出かけます。普段は決して歩かない車の通りが多い道を歩きます。運がよければ車が、弟のところに連れて行ってくれることを願って。自分で命を絶てば残されたわたしの精神が、ずたずたになる。せめて他人がしてくれれば、息子の気もやすまるだろうと思って。街角でティシュペパー配りのバイトをしていた、若者が声かけします。「おばあさん大丈夫？そんな足で歩いていたら、車にはねられるよ。俺が手を引いてあげるから、一緒に歩こうよ」「おばあさん何があったか知らないけど、生きてさえいればいいことが絶対あるからね」「何もあげれるものがないけれど、これで涙をふいてね」アルバイトで配っているティシュペパーを手渡します。若者の優しいまなざしを感じながら、母は歩き始めます。「そうだ、わたしにはまだもうひとり息子がいる。ここで死んでたまるか。息子の嫁さんを見るまでがんばるんだ！」いまでもそのティシュペパーは、我が家の宝物として仏壇に供えてあります。お礼を言わずじまいの若者様、本当にありがとうございました。あなた様のおかげで母は、その後２０年近く生きてこられました。母は残念ながらぼけて、あなた様の記憶をなくしています。でもわたしはしっかり覚えています。本当にありがとうございました。

  2005.02.20

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• 嵐の三日間

  この三日間ぜんぜん眠れなくなってしまいました。母を病院に連れて行った日がスタートでした。思ったより早く病院が終わり、デイサービスに連れて行きました。デイについて母を車椅子に乗せおしゃべりをしながら中に入って行きます。通りがかる若い女の介護者「あら○○さん、しゃべれるのね。オシじゃなかったのね。」この一言でわたしの中の何かがはじけました。「馬鹿やろう。オシとはなんだ。しゃべりたくても、元気がなくなり、なお言葉も浮かばなくなって、ただ座っているだけになっているのだ。そんな心にもない言葉をかけるなら普段から、母に声かけして、その反応を見ろ。それが介護だろう。この馬鹿女！」今までのわたしならこんな言葉が出て母を連れて返ったとこです。でも母が今度のデイはご飯がおいしく、風呂もきれいでいいと聞いていたので、我慢しました。若い介護士たちは、専門学校で勉強してくる。そして自動的に資格が得られ介護する。元看護婦さんは比較的緩やかな条件で国家試験が受けられ、ケアマネジャーになる。資格にその人間の資質を問う制度がない限り、まず心ありきが置き忘れたまま、社会で就職する。彼らの多くはわかっているのだろうか。老人を尊敬、介護するとは。ただ老人を自分の考えで、茶化したり励ましたりすることが、声かけではないのだ、介護ではないのだ。遠くからそっと見守り、何か危険に備えるのが介護ではないのだ。それは危険予知という社会行動の一部で、みんながしている社会行動なのだ。ぽつんとひとり座って、与えられた時間を無為にすごしして見える老人を、無理やり会話、運動に引きずり込むのが介護ではないのだ。会話をしたくても、言葉を忘れ、数字の概念がなくなり、そんな自分をかわいそうと思っている年寄りもいるのだ。会話がなくても自分の時間を楽しんでる年寄りもいるのだ。人それぞれ違うのだ。それを集団効率、時間効率の社会原理で介護をしないでほしいのです。そのテクニックを使えば少ない人間で、表向きの介護はできます。でもそんなことをしていけば、必ず落ちこぼれる人を作ります。人生の終わりに近づいている人たちに、社会の競争原理を持ち込まないでください。集団から外れることへの罪悪感を捨ててください。外れてもいいのです。それがその人の個性なんです。個性を直そうとしないでください。無理にやらずその人の流れで過ごさせてください。そのうちに集団には入れればいいし、最悪そのまま人生を終えても、それでいいのです。わたしはそれがその人の選んだ人生と思います。意見は分かれると思います。わたしの意見に反対を唱えられる人も多いと思います。わたしも、その意見に異を唱えません。でももうわたしは自分の意見を他人の思惑で変えません。変えるとしたら、自分の納得できる意見が出たときだけです。介護者・看護者集まれ、悩みを語ろうよ介護に携わる方で、悩み・不満・ストレスを感じている方、このテーマで楽天日記に投稿してみませんか。それを見たお仲間が、コメントなどでアドバイス・助言してくれます。みんなで解決・愚痴を言い合いませんか。

  2005.02.19

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