病院の対応
母が入院した翌日のこと。病院に行くと母が病室にいない。詰め所横に移動している。夜ナースコールを押しっぱなしにした。騒いで、部屋の人の安眠を妨げた。それらの理由で部屋から追い出されたのだ。わたしが詰め所に行くと、医者と看護婦から詰め寄られた。医者が「普段お母様は、ボケておられますか」看護婦が「普段人の言うことを聞かないのですか」母が入院患者としていい部類でないことを言う。わたしは、母は死にかけて入院した。入院初日は不安で、いろいろ変な行動をしたものと思った。そんなことは素人判断でできる。それを医者と看護婦は、初日から迷惑をかけるようでは、はなはだ迷惑であるように言う。昔のわたしならそこで腹を立てたが、今は違う。二人に「最初だから不安になったのでしょう。死にかけたのだから、少しぐらいは迷惑かけたかもしれませんが。母はぼけてもいなく、他人と協調性のないことはないです」やんわり言った。その医者は、頭にふけがいっぱいで、不潔であった。他人から信頼されなければいけない職業なのに身だしなみに気をつけないこの医者に、いい印象を抱かなかった。なおいけないことに顔に知性が感じられない。あほ顔である。まともに学校に入ったのだろうかと疑ってしまう。看護婦は、わたしの嫌いな狐顔であった。その陰気な細い目に好感を抱けなかった。今の病院は手のかかる患者を嫌がる。食事・お茶の手配など余計な仕事が増えるからだろう。そこでわたしは、それらを自分でしようと思い、病院に二回行くようにした。医者も看護婦もなろうとする人は、大きな理想に燃えてなったのだろうに、それらが消えていく職員を見るのは、残念です。人間「忙しい」を、理由にしたらおしまいである。今医療の世界でも、経済原理が働いて、リストラが進んでいる。人の痛みがわからなくなっているものは、どんどんリストラされてほしい。いやな顔をして接客するのが、利用者にどんな気持ちを与えるのか、考えられない人は失格である。医療の世界にかかわっているからといって、エリート面してはいけないのである。病院でほかの業務をする人、ヘルパー、清掃等の人を、自分たちは医療をしてるからといって、下に見る人間は、最低である。最近輝いている、看護婦さんを見なくなっている気がする。大変残念である。