点 ~雑誌『NHK短歌』2008年6月号より
高野公彦選の入選と佳作から、私の注目した歌にコメント。人生の出発点にたちながら死ばかり診てた研修医時代宮崎県西都市 児玉健二 人生の出発点と終着点とが出会うという皮肉な状況をつくりだす職業選択であった。しかし、死があるからこそ生が強く自覚されるのであり、ある意味でいい経験をしたのではあるまいか?物忘れ人の名忘れ字を忘れ私は誰かまだ判ってる大分県別府市 安東高子 う~ん、年とってくると誰にでもある現象だよな。(^^; まだ歌が作れるくらいだからユーモアのある作者と見なせるが、程度が進むと本人は本当にがっかりだろう。ケータイのメールはどこか万葉の歌に似ていて七五調に打つ山形県米沢市 富川義朗 日本語は五七調や七五調になるのが自然なんだよね。この場合、“古今調”ではなく“万葉調”と表現したところが正確。ケータイ・メールにいちいち情感を込めてなんかいられないから。(笑)一点の翳(かげ)りもあらぬ孫なれど躊躇(ためら)うしぐさ身につけ始む宮城県角田市 日下祐忠 たぶん3歳半くらいの幼児だろうと思うが、自然の発達過程とはいえ、自分を顧みないそれまでの純真な態度が消えていくのはちょっと寂しい。気づかずに過ぎてしまいし分岐点 こがらしの音を窓に聞きおり大阪府枚方市 三上 昇 そうなんだよな、過ぎてしまったらもう取り返しがつかない。人生いくらでもやり直しがきくなんて言っても、当初の目標の半分以下のものしか得られないだろう。どんなにやり直しがうまくいっても、内心では「こがらしの音を窓に聞く」心境には変わりあるまい。我利勉と点取り虫の二人ゐて卒業の後は噂を聞かず福岡県宗像市 中村仁彦 どこかで出世コースから外れてしまって、ドーンと社会的ランクを下げたんだろうね。学校のお勉強ができるヤツというのは、ある意味 不器用なヤツで、臨機応変にうまく立ち回れないから、一旦レールから外れると本当に何もできなくなる。。。 あ、ひょっとしてσ(^^; のことか?《『NHK短歌』のホームページ》人気blogランキング↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping<日本人なら“和”にこだわりたい> 《「天皇はどこから来たか?」連載中》 私の第2ブログ「時事評論@和の空間」と第3ブログ「浮世[天(あめ)]風呂 @和の空間」もよろしく。ついでにこれも→(笑)無料メルマガ『皇位継承Q&A』登録はこちらから 目次 ブログ散策:天皇制の危機 も合わせて御覧ください。