いくさ(戦い)(1) ~NHK短歌より
8月19日『NHK短歌』 題「いくさ(戦い)」または自由 選者 辺見 じゅん選者による入選十二首から、私が注目した歌をいくつか。曼珠沙華咲き極まれり 戦ひに滅びし入鹿の首塚のまへ富士宮市 林 充実 どこがいいってうまく説明できないのだが、栄枯盛衰の無常観を感じる。“咲き極まれり”という言葉がそう感じさせるのかな?地蔵盆 子らと灯(あかり)を点(とも)しつつ戦(いくさ)なき世の続くを祈る大津市 小石幸子 単なるお盆(盂蘭盆)だったらただの反戦歌としてここには取り上げなかっただろうが、この歌では地蔵盆となっているところがいい。お地蔵さんと言えば、幼くして亡くなった冥界の童たちを鬼から護るホトケ様である。戦争では、空襲でなくなった子どもたちも非常に多かったにちがいない。暗い冥界に明かりを灯し、お地蔵さんに彼らの加護を願う。「戦なき世の続くを祈る」は、そんな無辜の童たちへの祈りでもあり、非常にしんみりとした歌である。靖国に祀られゐるは兵士のみ 戦死せし馬いづこ行きけむ新居浜市 村上公代 古来の日本人の宗教感覚としては、やはり馬などに対する供養もあって当然なんだろうなと思う。戦場に斃れた兵士たちを追悼するだけが、日本の伝統的精神を守ることではない。大和世(ゆ)がアメリカ世(ゆ)になる迄のわずかな月日 戦世(いくさゆ)ありぬ浦添市 西平守伸 沖縄の人らしい。沖縄で戦死・戦没した沖縄人にとってはあの戦争は苛酷なものだったのだろうが、さいわい生き延びた人々にとっては、歴史の短い1ページなのだろうか。《『NHK短歌』のホームページ》人気blogランキング↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping<日本人なら“和”にこだわりたい> 《「天皇はどこから来たか?」連載中》 私の第2ブログ「時事評論@和の空間」と第3ブログ「浮世[天(あめ)]風呂 @和の空間」もよろしく。ついでにこれも→(笑)無料メルマガ『皇位継承Q&A』登録はこちらから↓ネット世論はこんな感じ。《皇位継承あなたの意見は?》 目次 ブログ散策:天皇制の危機 も合わせて御覧ください。