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2021.06.14
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カテゴリ:映画
椿椿の庭

「もし私がこの地から離れてしまったら、ここでの家族の記憶や、
そういうもの全て、思い出せなくなってしまうのかしら」


葉山の海を見下ろす坂の上の古民家を移築した一軒家。
絹子の夫の四十九日の法要が行われた。
法要のあと、東京から参列した娘・陶子は、年老いた母がいまだ、姉の娘の渚と二人きりでこの家に暮らし続けていることが気が気でない。
東京のマンションで一緒に暮らそうと勧めるが、絹子は長年家族で暮らした思い出深いこの家から離れるつもりはない、と言う。

 古い物、古くて美しい物、いずれは消えてゆくもの・・・。
そんな骨とう品のような家と老婦人の写真集みたいな映画だった。
 あとで調べて分かったのだが、監督・脚本・撮影・編集、全て上田義彦氏の作品。
上田氏は、写真家として写真集を出し、評価を受けている人だった。

その写真家がこの映画の脚本を書き、撮影をし、編集をするという(もちろん、監督も)
作業をしたのは、強い思いがあった。
以下、そのことが映画のチラシやHPに書いてあった。
椿の庭のこと 上田義彦
あの日、僕が住んでいた家の近くの道をいつものように歩いていたら、見覚えの無い空き地に足が止まった。
まわりを見渡しはっとした。

あの家が無い。
穏やかな静寂に包まれていた古い家。
優しい木漏れ陽を歩道に落としてくれていた大きな樹が跡かたも無く消えていた。
目の前の空っぽのごろごろとした土くれに覆われた地面と、いくつかの切り株の跡をただ眺めていた。

そして想った。
ここに暮らしていた唯の一度も、姿を見かけたことも、話したこともない人のことを。
こんもりと繁った木々に隠れて静かに建っていた、小じんまりとして好感のもてた家のことを。

落ち着かない不思議な喪失感に占領されながら帰り道を急いだ。
家に着き自然にペンを取った。
庭では椿の花が木いっぱいに咲いていた。

15年前の春先。あの日この映画が始まった。

 椿の花咲く古い日本庭園。
明治時代に建てられた古い邸宅・・・。
それらは、壊されなければならない日本の文化は貧しい。
これがイギリスだったら、■家はおろか、村中が残っている。
「古い建物がいっぱいあって、イギリスはいいな・・・」と観光旅行に行くくせに、なぜ日本の美しいものを残さない!!!
髪飾り 映画の場合、老婦人の夫が死んで、相続税が払えないから売らなければならなくなったのだった。
海外の場合も相続税ってあるのだろうけど、古い家が残るのはどうしてなんだろう。

個人の家の庭であっても、街の人の目を楽しませ、酸素を出す緑地であることにはまちがいない。
もっと個人の邸宅の緑を残すことができないかと対策を考えてみた。
★オープンガーデンにする。
土曜日、日曜日、祝日は、市民も入ることができるようにする。
★子どもと老人を除いて、少額の入場料をとる。
★庭の一部に、カフェを開いて、お金儲けをする。
入場料を払った人は、100円で日本茶、紅茶やコーヒーを出す。
茶道★お茶会などの場所として貸す。

老婦人の夫が健在な時から、このことは、よく話し合って対策をたてて欲しかった・・・。

こんな風に大きな庭が、緑がなくなっていくんだろうな、毎日と思うと悲しくなる。
 古い家と同じくらい魅力的だったのが、この家の老女を演じた富士純子。
骨とう品のような美しさは、元がいいのはもちろんだけれど、豊かな生き方だったのだろうことを
思わせる。
着物姿が美しかったが、全て私物だそうだ。
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Last updated  2021.06.14 00:19:15
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