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カテゴリ:映画
最果ての海には、幸せがあった・・・。 キリスト教が迫害されていた19世紀初頭の朝鮮時代に、熱心な教徒であった学者の丁若銓は最果ての島、黒山島に流刑になってしまう。 しかしそこで丁若銓は、島の豊かな海と自然に感銘を受け、貧しいが親切な人々と交流するなかで、庶民のための“海洋生物学書”を書き記すことを決心。 島で出会った海の生き物に詳しい若き漁師の昌大に、学問を教える代わりに海の知識を伝授してほしいと話を持ちかける。 朝鮮王朝時代の韓国で記された海洋生物学書「茲山魚譜(チャサンオボ)」に記されている史実を基に、師弟となった二人の男の絆を描いたドラマ。 『王の運命(さだめ)―歴史を変えた八日間―』のイ・ジュニクが監督を務め、主演は『22年目の記憶』のソル・ギョング。 また、『太陽は動かない』のピョン・ヨハン、『パラサイト 半地下の家族』のイ・ジョンウンや『エクストリーム・ジョブ』のリュ・スンリョンらが脇を固める。 1801年、朝鮮王朝によるキリスト教弾圧で、多くの信者が刑に処せらる中、学者の丁若銓(チョンヤクチョン)が南西の島へと流刑になる。 未経験の新しい日々が始まる。 韓国時代劇だが、華麗な韓流ドラマとは趣を異にする。 モノクロ画面が素晴らしく独特の魅力に目を奪われる。 若銓(ヤクチョン)は失意の中、海や島の美しさ、島民の素朴さに触れ、口にしたことのない魚の味に感動する。 そして、海の生き物についての書物の執筆を思い立つ。 若い漁夫の張昌大(ちゃんちゃんで)に協力を頼むが、キリスト教への反感から冷たく拒まれる。 若銓は、昌大が読書好きなことを知り、取引を申し出る。 文字や学問を教える代わりに、海の生き物について教えてくれ、と。 執筆に没頭する中年の学者と、海を生活の場とする若い漁夫。 身分も年齢も対照的な男2人の熱い交流が繰り広げられる。 若銓(ヤクチョン)役には名優ソル・ギョング、昌大役は人気の若手ピョン・ヨハン。 知力と体力、静と動、二様の葛藤をスリリングに見せる。 若銓(ヤクチョン)を冷眼視する島の役人に対し、寄留先の寡婦は純朴な庶民として親身に世話をする。 その間、美味しそうな魚料理が次々出てくる。 若銓(ヤクチョン)は支配階級に属するが、島に生きる人々を知るほどに王政反対の考えへ向かう。 一方、昌大にとって知識と学問を身に着けるのは、支配階級を目指すに他ならない。 2人の心の距離が開いてゆく。 監督は時代劇の巨匠イ・ジュニク。 実在の人物と書物(題名はその書物)を巡る物語を情感たっぷりに描き、現代人の胸を打つ。 韓国映画の幅広さを感じさせる秀作である。(山根貞夫・映画評論家) ●学者・若銓(ヤクチョン)は、何も持たずに島に来たが、その知性で島の人々の尊敬を集める。 島を治める役人は、権力を持っていても、知性がなく、尊敬されない。 ●若銓(ヤクチョン)は、少しでも本土の近くにという理由で島を変えるが、そんなことが出来たのか・・・。 また、若銓(ヤクチョン)と一緒に行く、島で出来た妻や子にしてみれば、知らない土地に夫の勝手で行かなければならないとは、なんと可哀そうなことか・・・。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.11.25 00:26:04
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