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カテゴリ:映画
明日に向かって笑え! 1969年、激動の北アイルランド ベルファスト。 僕が生まれ育ったその町には、歌があった、映画があった、家族がいた―― そして、愛に輝く日々があった。 ベルファストで生まれ育ったバディ(ジュード・ヒル)は家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごす9歳の少年。 たくさんの笑顔と愛に包まれる日常は彼にとって完璧な世界だった。 しかし、1969年8月15日、バディの穏やかな世界は突然の暴動により悪夢へと変わってしまう。 プロテスタントの暴徒が、街のカトリック住民への攻撃を始めたのだ。 住民すべてが顔なじみで、まるで一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断されていく。 暴力と隣り合わせの日々のなか、バディと家族たちは故郷を離れるか否かの決断に迫られる――。 この映画が描く1960年代末は、いわゆる「北アイルランド紛争」(英語で “the Troubles”)へ突入していった時代だった。 プロテスタントとカトリックが反目し、1998年の和平合意に至るまでに3600人近い死者を出した。 (略) 1960年代、米国の公民権運動に影響され、北アイルランドではカトリックに対する差別撤廃を求める運動が盛り上がる。 この運動には少なからぬプロテスタントの人々も賛同していたが、デモ行進などはプロテスタントによる過剰反応を呼び、双方の対立は暴力化していった。 人々は、「カトリック」対「プロテスタント」というレッテル、または「ナショナリスト」(アイルランド全島で一つの国家【ネイション】となることを目指す)対「ユニオニスト」(北アイルランドがブリテンと連合【ユニオン】している現状を維持する)というレッテルを貼られて二分されたのである。 この作品の監督、ケネス・ブラナーは、北アイルランド、ベルファスト出身で、物語は、監督の子供時代を描いたものだ。 『オリエント急行殺人事件』(17)、 ■『ナイル殺人事件』■の監督であり、ポアロとして出演している。 映画の中には、1969年のベルファストの暮らしが描かれていた。 トイレは、家の外にあるのが普通だそうだ。 また、オーストラリアやニュージーランドに避難するならば、イギリス政府が資金援助をするということになっていた。 ストーリーよし、音楽もよし、主人公役の9歳の男の子の名演技にも感動した。 今年最高に面白かった映画だ。 今、戦禍のウクライナの人達も住み慣れた土地に残るか、難民として国を去るのか悩んだことだろう・・・。 東日本大震災の後、全国に避難した福島の人達、ひとりひとりが、故郷を去る時に思ったであろう気持ち、 私が、子どもの頃の60年ほど前、住み慣れた岡山のいなかを出て、知り合いが一人もいない町で暮らすことを選んだ時の不安・・・。 そんなことを考えながら見ていた。 また、映画の中に出てくるエピソード、 「チキチキバンバン」、「宇宙大作戦」(テレビ)、■「真昼の決闘」■など懐かしい作品が出てきて、得した気分だ。 「初めてのロックダウンの事態の深刻さにショックだった。 突然、生活が変わり、これからどうなるか分からない不安・・・。 そんな状況を受け入れなければならない・・・。 子どもの頃、闘争が起こるまでのベルファストは、確信の場所だった。 自分が誰なのか、自分の家族、自分の町、自分の国、などなどの基盤になっていたのだとロックダウンを体験して気が付いた。 「ベルファスト」は、★アカデミー賞、★作品賞、★助演女優賞、 ★助演男優賞、★歌曲賞、 ★監督賞、★脚本賞、★音響賞の7部門にノミネートされている。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.03.28 00:21:17
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