テーマ:映画館で観た映画(8576)
カテゴリ:映画
ただひとたびの愛にすべてをかけ運命の炎に身を灼く悲劇の女性…… 山深い湖の畔で、半人半馬の賢者ケンタウロス(J・テルジェフ)に育てられたイアソン(G・ジェンティーレ)はいまやギリシャ有数の英雄となっていた。 彼の父はギリシャのイオルコスの王であったが、異父弟ペリアス(L・バルビーニ)に殺されたとのことだった。 そしてケンタウロスは、イオルコスに行き王位返還を要求するように、とイアソンにすすめた。 奪われた王国を取り戻すために金毛羊皮を追い求め王女メディアのいるコルキス国を目指す勇者イアソン。 この地で呪術を操る神秘の王女は、一目でイアソンを見初め、愛する弟を犠牲にして宝物と自らを彼に捧げる。 かくして、イアソンはメディアを伴い帰還し彼女と平穏に暮らす。 年月が経ちコリントスに暮らすイアソンは王の娘との縁談が寄せられ非情にも家族を捨て新たな王座を得ようとする。 かくして魔法を封印した筈のメディアは激情にかられ、恐るべき復讐劇を用意する! 【解説】 パゾリーニが古代ギリシャ悲劇を「生贄」「呪術」「儀式」「舞踏」などのプリミティブなモチーフにフォークロアな衣装や日本の地唄や筝曲など世界各地の民族音楽を使って鮮烈に描き出す。 独自で大胆な世界観と圧巻の映像美は観客を目くるめく映像体験にいざなう。 この悲劇を支えるマリア・カラスの彫刻の如き美しさも際立ち、フィルムから溢れる生と死、愛情と憎悪の激情がパゾリーニならではのビジュアル・イメージで紡がれる。 王女メディアの夫となるイアソン(G・ジェンティーレ)は、半人半獣のケンタウルスに育てられたという設定。 ケンタウルスが何回か出てきてよく出来てるなぁと感心した。(⌒∇⌒) 音楽には日本の地唄、琴やイラン、チベットの伝統音楽が使われた。 ロケ地はどこだろう?と映画を見ながら考えていたけれど、主にロケの行われたトルコ・カッパドキア地区のギョレメの幻想的な岩窟群だそうだ。 この企画が本格的に動き出したのは、一切のオファーを断り続けていた歌姫マリア・カラスが、 「この映画だけは断れない」とメディア役を承諾したため。 当時カラスは、9年にわたり愛し続けた恋人に裏切られた時でした。 失意の底で落胆していた彼女でしたが、ひとりの女性としてのメディアを描こうとするパゾリーニに応えるように、愛の苦悩を背負う壮絶なヒロイン像を演じ切りました。 特筆すべきはその劇伴で、イラン、チベット、インド等世界各国の民族音楽が使用され、中でも日本の地唄や箏曲そうきょくが印象的に使われています。 主にロケの行われたトルコ・カッパドキア地区のギョレメの幻想的な岩窟群、ピエロ・トージによる美しい衣装の数々も大きな見どころ。 様々な文化が入り混じった、パゾリーニにしか描けない唯一無二で独創的な神話世界をご堪能ください。 注目の鬼才パゾリーニが燃えるギリシャの天地に投げた鮮烈な感動! ■動画:王女メディア予告編■1分19秒あたりから。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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