テーマ:映画館で観た映画(8578)
カテゴリ:映画
舞台の上だけが、俺たちの自由(フリーダム)! 囚人たちのために演技のワークショップの講師として招かれたのは、決して順風満帆とは言えない人生を歩んできた俳優のエチエンヌ。 彼はサミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』を演目と決め、訳あり、癖ありの囚人たちと向き合うこととなる。 エチエンヌの情熱は次第に囚人たち、刑務所の管理者たちの心を動かすこととなり、難関だった刑務所の外での公演にこぎつける。 しかし、思いも寄らぬ行動を取る囚人たちとエチエンヌの関係は、微妙な緊張関係の中に成り立っていて、いつ壊れてしまうかもしれない脆さを同時に孕んでいた。 それは舞台上でもそのままに表出し、観客にもその緊張感がじわじわと伝染し始める。 ところが彼らの芝居は観客やメディアから予想外の高評価を受け、再演に次ぐ再演を重ね、遂にはあの大劇場、パリ・オデオン座から最終公演のオファーが届く。 果たして彼らの最終公演は観衆の歓喜の拍手の中で、感動のフィナーレを迎えることができるのだろうか。 刑務所で演技を教えることになった俳優が、さまざまな個性をもつ囚人たちと共に、サミュエル・ベケット作『ゴドーを待ちながら』の外部公演を成功させた80年代のスウェーデンの実話をフランスで映画化したヒューマンドラマ。 人生崖っぷちの俳優エチエンヌを、「オーケストラ・クラス」(17年)で子供たちに音楽を指導していたカド・メラッドが演じている。 刑務所の中では「待つことばかりだ」という囚人たちの言葉を聞き、『ゴドーを待ちながら』の演目を選ぶエチエンヌ。 初めは茶化すばかりで真面目に取り組まない囚人たちが、エチエンヌの情熱と演劇の真の力によって次第に稽古に没頭する過程が丁寧に描かれていく。 服役者は、自由がない。 食事の時間、面会に来てくれる人があれば面会日を、刑務所で、じーっと待っている。 有り余る時間をどう過ごせばいいのか・・・。 それは、勉強、訓練ではないだろうかというのが、私が真剣に考えて出した答。 服役者は、色々な理由で学力が低い人が多い。 そんな人たちのために、小学、中学の学習の習得をする時間にするのがいいのではと思う。 具体的には、 ◆算数◆ 足し算、引き算、九九、掛け算、割り算、分数、小数点など小学生が理解しなくてはならないことを時間を取って教える。 100点になるまで教える。 ◆国語◆ 平仮名、漢字、アルファベットの習得と日記を書く。 日記を書くのは、字を覚えることと、自分を客観視する習慣を身に着けることがねらい。 これがクリア出来た人は、中学段階に上がる。 もしくは、楽器に進める。 残念なことに、学習能力がない人もいるだろう。 その人には、せめて、タバコ、麻薬、酒、ばくちがいかに人を狂わせるかを毎日、映像で見せる。 もちろん、これは学力がある囚人にも必須だ。 彼らは、刹那的なのだ。 九九を覚える、漢字の練習をするということは、社会に出た時の常識を得るためであるとともに、 努力してその結果の成功体験をさせることが目標である。 よく、東大生は、子どもの頃、水泳とピアノを習っていたというが、 どちらも、練習すれば、腕が上がるということだ。 その体験を囚人もするべきだと思う。 そういう意味では、芝居のセリフを覚えて、舞台に立ち、客から拍手喝采を浴びるという成功体験は、とてもよかったと思う。 タイトルの「アプローズ」とは、拍手喝采という意味。 本作は、スウェーデンの俳優ヤン・ヨンソンが1985年に体験した実話をベースにしている。 「ゴドーを待ちながら」の作者・ベケットは、このことを知って、喜んでいたという。 内容紹介(「BOOK」データベースより) 田舎道。一本の木。夕暮れ。 エストラゴンとヴラジーミルという二人組のホームレスが、救済者ゴドーを待ちながら、ひまつぶしに興じている。 そこにやってきたのは…暴君ポッツォとその召使いラッキー、そして伝言をたずさえた男の子! 不条理演劇の最高傑作として名高い、ノーベル文学賞作家ベケットを代表する傑作戯曲。 1998/99年にイギリスのロイヤル・ナショナル・シアターが実施した投票では、「20世紀で最も重要な英語劇」に選ばれた。 諸説あるが、ゴドーは神(God)の暗喩だったのではとの説がある。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.08.18 00:05:35
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