テーマ:映画館で観た映画(8578)
カテゴリ:映画
「鳩のごとく素直に、蛇のごとく慧かれ」 太平洋戦争が終わった昭和20年、没落貴族となった上、当主である父を失ったかず子とその母、都貴子は困窮してゆく生活の為に東京西片町の実家を売って西伊豆で暮らすことになった。 地下足袋、もんぺ姿になったかず子は隣の農夫茂助から畑仕事を教えてもらい、これからの新しい生活を始めるのだった。 一方、南国の戦地に赴いたまま行方不明となっていた、弟の直治が生きており帰国するとの知らせが入ると、母は家族が三人になればさらに生活が苦しくなるので、かず子に 「再婚相手を探しているような歳の離れた資産家に嫁いだらどうか」と話す。 激しい口論の末、激怒したかず子は「鳩のごとく素直に、蛇のごとく慧かれ」というイエスの言葉とともに6年前の出来事を思い出す。 そして半年後、戦闘帽と軍服姿で帰国した直治は、優しい母から小遣いをせびり東京の上原の元へと早々と別荘から出かけてしまう。直治からいろいろ話を聞くことを楽しみにしている母の為にも、弟の荒れた生活を止めさせる為にもかず子は東京へ向かう。 明治42年(1909年)6月19日生まれの太宰治が今年2022年には生誕113年を迎える。 38歳の若さでこの世を去った不世出の天才作家は、数々の傑作小説や流麗な文体で知られるだけでなく、複数回の自殺未遂や薬物中毒、そして謎の死に至るまで、破滅型のドラマチックな本人のキャラクターにも注目が集まり、大型書店では太宰治コーナーが続々と設置され、映像や映画業界でも既に数本の企画が準備されている。 今年、東北地方を旅行して太宰治の生まれた家■斜陽館に行った。■ 映画の主人公かず子の想い人、作家の上原は、太宰治が自らを投影している。 妻子がいながら、家に帰らず、もらった原稿料は、人におごるなどしていつも金に困っている。 妻の家は電球も買えないくらいお金に困っているのに・・・。 そればかりは、薬、睡眠薬、酒におぼれる。 そして38歳でこの世を去る。 そんな破滅型の作家・太宰治と対極にあるのが松本清張。 松本清張は、妻子だけでなく、両親の面倒もみなければならなかった。 朝日新聞で広告の仕事をしている時に住んでいた家は、 小さな家で、本棚もなく、押し入れに本を入れ、その前に座って書いていた。 仕事をしながらも、小説を書き、40歳を過ぎてから作家になった。 作家になってからは、寸暇を惜しんで小説を書き、講演会をし、はたまたテレビに自分の小説にちょい役で出演した。 私は、清張の初期の短編が大好きだけれどそれらは、清張の自伝的要素が多かった。 没落貴族になったら破滅するだけなのだろうか? 没落貴族は、どう生きたらいいかと考えた。 ★まず、東京の屋敷を売らずに貸す。 その家賃で自分たち家を借りる。 ★借家ですること。 ●ピアノを教える。 貴族の女性ならピアノはやっているだろうから・・・。 それだけでは、ウリにならないから、ピアノのレッスンの後、お茶をする。 華族のお嬢様との豪華な茶器でのお茶は、きっと大評判になると思う。 そのため、生徒は、3~4人、1組が効率的。 ●正月のカルタ大会。 百人一首を優雅にする。 もちろん、全員和服着用。 香をたいて、雰囲気抜群。 お題を出して自分たちも和歌を作る。 ●礼儀作法のレッスン。 *美しい所作 *美しい言葉使い *ホテルに生徒と一緒に行って、テーブルマナー=食事の作法のレッスンをする。 華族として身に着けた教養は、どんな境遇になろうともなくなるものではないからいくらでも思いつく・・・。 蛇のように慧(さと)く、白鳥のごとく優雅に生きることが出来る。 イエス・キリストが十二人の弟子達を伝道のために街に送るのに、 お前たちのこれから行くところは、狼は羊をかみ殺すような怖ろしいところだから、 蛇のように賢く、鳩のように無邪気でなければならない、と説教する。 非常に用心深く、まわりの様子をよくみながら暮してゆくことと同時に、 むやみに人を疑ったり、人間としていちばん大事な、人間そのものを信じて生きてゆくという態度を、決して曲げてはならないということです。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.11.16 11:17:49
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