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2022.11.17
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カテゴリ:映画
土を喰らう十二カ月

喰らうは生きる、食べるは愛する、いっしょのご飯がいちばんうまい

作家のツトムは信州の山荘に一人で暮らしている。
そこでツトムは四季の移り変わりと共に畑で育てた野菜や山で収穫した山菜などを使って作る料理を楽しみ、執筆活動を行っていた。
そして東京で編集者として働く恋人の真知子がたまに訪ねてくると、2人で旬の食材を楽しむ。
毎日を丁寧に暮らすツトムだったが、13年前にこの世を去った妻の遺骨を未だに墓に納められずにいた。
 ツトムは9歳で京都の禅寺に奉公に出される。
13歳で脱走するまで、和尚から精進料理を習った。
その時代に身につけたことを、68歳になった今も心がけ、一つひとつの野菜を丁寧に余すところなく料理する。
ツトムの日々の食事は質素に見えるが、自然の恵みそのものを食す、とても豊かなものである。

 映画の中で、ツトムは自分の畑にいろんなものを植えている。
近くの山や竹林、川で山菜や筍を採る。
そしてそれを料理する。
この料理を作り沢田研二に指導しているのは、料理研究家の土井善晴。
「土井先生」も最近、テレビで「一汁一菜」をテーマに話いるが精進料理的な発想が水上勉の料理と似ていいると思った。
 私は原作「土を食う日々」を読んだことがある。
ブログにも書いていたが、もう20年ほど前なので、ところどころしか覚えていないが、ミョウガの所はよく覚えている。
  むかし釈尊の弟子に周梨槃特(しゅうりはんどく)という聖者があって、生まれつきもの覚えが悪く、しかももの忘れするくせがあった。
自分の名前すら忘れることがあるので、首から名札をかけていたそうである。
悟りをひらくまで人一倍の苦行をつんで世を去ったが、
この聖者の墓地にはえた植物がみょうがであったという

               「山菜歳時記」 by柳原 敏雄
 「土を喰う日々」で水上勉は「山菜歳時記」を引用しながらもいう。

時間をかけて悟るやつを馬鹿とだ誰がきめたか。
効率を急ぐ思想が、仏教にあるとは思えないが、イソップ話にでも、
ゆっくり歩いたカメが兎に勝つはなしがあったはずだし、
新幹線より旧東海道線の方がいいという人を誰が指さすだろう。


(以下も本に載っていた)
なにかを洗ったあとのわずかな水でも、横着に庭に捨てたとする。
みていた和尚(おしょう)や兄弟子は一喝する。
「馬鹿野郎、粗末なことをするもんじゃない」と。
「物を洗ったあとのわずかな水だから、もったいないもあったものではない。
なぜ、叱られたかわからぬか。」
すると、つづいてこんな言葉がかえってくる。

「一滴の水でも、草や木が待っておる。
なぜ、考えもなしに、無駄にするのか。
どうせ捨てるなら、庭に出て、これと思う木の根にかけてやれ。」

 沢田研二が主演ということからか、客は70過ぎの老人が多かった。
「あと20キロ痩せなあかんで」と映画の中の沢田研二にツッコんだ。
そして
「どの口がゆうとんねん」と自分で自分にツッコんだ。( ̄ー ̄)
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Last updated  2022.11.17 00:01:47
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