テーマ:映画館で観た映画(8576)
カテゴリ:映画
★物語★ 関西にある老舗の造り酒屋の老主人・万兵衛(中村鴈治郎)は65才になり、 今は経営を長女・文子(新珠三千代)とその婿・久夫(小林桂樹)に任せて隠居の身。 画廊に勤める亡くなった長男の嫁・秋子(原節子)と 次女・紀子(司葉子)の行く末が悩みの種だった。 ある日、万兵衛の様子がおかしいことに気付いた娘夫婦が心配して調べてみると、万兵衛が昔の妾つね(浪花千栄子)とよりを戻していたことが分かった。 ★解説★ 老舗の造り酒屋一家に起こる悲喜こもごもを、小津安二郎監督が名人芸とでも言うべき軽妙なタッチで綴った一作。 小津は、前作『秋日和』(60)で東宝専属の司葉子に出演してもらった代わりにこの作品を引き受け、東宝で撮った唯一の作品となった。 主演は『浮草』(59)に続く中村鴈治郎。 森繁久彌ら当時の東宝人気スター総出演も楽しい。 ★こぼれ話★ 松竹の専属だった小津監督を招くにあたり、東宝はカメラマンと照明技師に自社を代表するスタッフを揃えた。 撮影の中井朝一(1901~88)は、『生きる』(52)、『七人の侍』(54)など数々の黒澤明作品を担当。 照明の石井長四郎(1918~83)も黒澤作品をはじめ、小津監督も高く評価した成瀬巳喜男監督の『浮雲』(55)など多くの名作を手掛けていた。 美術は、過去に『宗方姉妹』(50)と『浮草』(59)で小津監督と組んだ大映の美術監督、下河原友雄が担当した。 ★映画メモ★ ★中村鴈治郎、新玉三千代、小林桂樹、原節子、司葉子、浪花千栄子・・・。 大スターが総出演。 森繁久彌、笠智衆、宝田明もちょい役という豪華さ。 ★昭和30年代の大阪の様子がよく分かった。 *テレビはない。 *クーラーは、もちろん、扇風機もない。 *電話は、ダイヤルではなく交換手に手動でつないでもらうという仕組み。 *お医者さんの往診は、スクーターだったのだろう、医院の玄関に置いてあった。(⌒∇⌒) *京都・嵐山をゆくバスは、ボンネットバス! *秋子(原節子)の住む家は、団地ぽかったけど、玄関の壁の部分に有効ボードらしきものを使っていた。 東京物語』『晩春』など数々の傑作を生んだ世界的名監督・小津安二郎。 粋と美学に彩られた60年の生涯において貫き通した”流儀”とは? 「なんでもないことは流行に従う、重大なことは道徳に従う、芸術のことは自分に従う」・・・・・・小津自身がインタビューや作品で残した60の名言を手がかりに、人生を深く、豊かに味わうための珠玉の一冊。 「古くならないことが、新しいこと」■宗方姉妹■ 「品行はなおせても、品性はなおらない」「小早川家の秋」で司葉子と原節子の会話。 NHK「美の壺・浴衣」で歌舞伎俳優の片岡愛之助が、帯の左端を上に出す大阪結びという結び方をしていた。 万兵衛(中村鴈治郎)の帯も大阪結びだった!! 放蕩者の老舗造り酒屋のご隠居を、愛嬌たっぷり演じた中村鴈治郎(中村玉緒の父親) 上方歌舞伎で普段から着物を着慣れていて、細かい所作、身のこなしが良き! 原題:The End of Summer/Early Autumn 製作年:1961年 配給:東宝 初公開日:1961年10月29日(昭和36) 上映時間:103分 製作会社:宝塚映画 *宝塚映画って会社があったの知らなかった。 映画の終わりに、一人拍手している人がいたけど、昔は、映画の終わりには、皆拍手していたわ。(⌒∇⌒) もう一度、細部を見てみたい映画だ。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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