アメリカの視点 -- 「2プラス2」のこと 「慰安婦決議案」のこと
◇チャンネル桜『防人の道 今日の自衛隊』平成19年5月7日より抜粋 (要旨のまとめとテキスト起こし)※ 驚く情報が聞けました。 ええええええええええええええっ!!!!! という。 抜粋:ゲストコーナー キャスター:井上和彦・加藤夏未 ゲスト:北村淳(CNS研究主幹・戦略地政学者) (多少要旨としてまとめながらのテキスト化いきます) ○ アメリカの視点 -- 2プラス2について ---- 最近、直前に自衛隊の情報漏洩の事件が明るみになる中、日米同盟の2プラス2が行われて、あちらからお叱りを受けるような話が出ているようですが? 別にこの問題が起きたから今回「2プラス2」が行われたわけじゃなくて、実は今年になってからアーミテージさんの方からアーミテージ・レポート第2段というのを発表したんです。このレポートは(アーミテージのグループは国務省の外交官が主体)、もちろん軍事的なものも書いてあるんですが、「おまけ」みたいなもので最後の部分に書いてあるんですけど、ちょっとまとめてみました。 (ここでフリップ) レポートではすでに10項目(軍事関係)の提案(要求)が出てるんです。これは日本政府に対しての提言です。すでにその時に、情報の問題はかなり強く言ってます。赤い文字の4と7ですね。 1:緊急展開軍 (MEU(SOC) 特殊部隊) 2:武器輸送三原則 3:CG(X) 4:安全保障情報共有化(政府レベル) 5:PACOMとJSOの実務交流 6:作戦レベルでのbilateral command 7:戦略地政学的諜報の共有 8:宇宙の軍事利用の促進支持 9:空自への新機種導入 F-18E/F,F-22,F-35,F-15upgrade 10:bilateral共同化のために自衛隊の能力・指揮管理系統改良の指導 もうすでに、安全保障の情報を共有化しようじゃないかと。これは、政府レベルとミリタリーのレベルを2つに分けて、とりあえず政府レベルでの共有をしょうということを。 そしてもうひとつ、戦略地政学的な諜報(インテリジェンス)という形を使ってるんですけど、これも共有しなければいけないと。 もうすでにこういうことは提言してますので、何も日本でいろいろ事件があったから慌てて議題に上がったというわけじゃなくて、もともとこういう含みがあったってことです。 実際、イージス艦の情報漏れに関しては、(ホノルルにいましたけれども)はっきり言ってそれほど大騒ぎにはなっていない。これはどう解釈すればいいのか、初めから諦めてるのかって悪い見方もありますけれども、実際イージス艦の場合は、要するにコンピュータですので、あれは船の情報ですから、コンピュータの中身(ソフト)が外にばれたら大変なことなんですけれども、いわゆる船の情報っていうのはそれほど(国がひっくり返るほど)大騒ぎじゃないっていう、そういうところであんまり騒いでないんじゃないかという感じがします。もちろん、情報が洩れたこと自体は重大な関心を持っているとは思いますが。 ---- ・・・逆にこういうことがあったことで日本の問題意識が高まったということではよかったとまでは言えないけれど・・・ そうですね。 ここでちょっと話が2~3日前の憲法記念日の時のことなんですけれども、向こう(ホノルル)でたまたまですね、アーミテージさんの関わっている団体、シンクタンク(CSIS)があるんですけれども、ここのホノルル支部のような所がありまして、その会合がちょうどあったので私も行って、ジム・ケリーなんかもいたんですけれども、その時アメリカの人たち(軍出身の人とかCIA出身の人とか)とお話をしたんですが。 イージス艦の情報漏洩のことが出たときに、いろいろ話していてですね、日本の憲法に「反逆罪」が無いと。そういうことを向こうの人はビックリしたんですね。反逆罪が無いのかと。反逆罪が無ければ軍事機密ってのは守れないじゃないかと。まあそういうレベルの話ですね。 軍隊ってのは国家・国民のために働くわけです。ということは、反逆罪が無ければ「軍法」、軍の法律が全く作れない状態になってますので、軍事機密を軍人が外に出した場合、これはアメリカの場合は、もしあのイージス艦の問題がアメリカで起こった場合は、これはもちろん「スパイ罪」ということになるんですけど、これは根本的に「反逆罪」になるんですね、憲法上では。 ですから、それでコントロールできるんですけれども、日本に「反逆罪」がなければ、そのような情報管理ができないじゃないかという話をしたんですけれども、憲法論議を聞いてますと、「反逆罪」を入れようという話が全然出てこないですね。ですから、今度、そんな声を高めていこうと思っているんですけどね。 ---- 絶対に「反逆罪」は作るべきだって私も思います、確かにね、こんなものが無いってのはおかしな話ですよね。 そのとおりですね。ですからそこらへんまでも根が深い問題になっているってことですね。2プラス2で、情報の共有って言ってますけれども、そこまで(反逆罪について)は今回、会議では出てないですけれども、まあそこまで考えなきゃいけない状況にあるということですね。 それと、それだけじゃなくてですね、(フリップにもどって)実際に動き出していますね。 さっそく9番、2番は動き出しています。要求されたからといってすぐ動き出すのも情けないんですけど。 それから3番は、新型の高性能巡洋艦なんですが、あまりに高価なものですから、日本を巻き込んで一緒に造ろうということですね。このような要求がこれから表に出てくると思うんですね。これは武器レベルですが、今度、再編のレベルの話、米軍はすでにやってますが、自衛隊の再編の話が現場ではよく出ています。 ここでは緑の文字の1番、これは特に陸上自衛隊になります。自衛隊自体はかつてソ連対応型のヘビーな軍隊だった、それを緊急展開軍の形に変えていこう、中央即応部隊を母体に陸上自衛隊全部をそのような形にする方がいいんじゃないかと、このような話が太平洋海兵隊のほうで(法的レベルではない)友人関係のなかでですが出ています。 これは日本にとっても、例えば予算面でも予算が取りやすいと。なぜかというと、そもそも緊急展開軍というのは21世紀においては、硫黄島のような海から乗り込んでやる作戦というのはもうほとんど無いですから、これは大規模災害を想定したものなんですね。 特に、日本自体が島国ですから、このような能力を持った軍隊が必要になるということです。そして、東南アジアなどへの派遣にもちょうどいいということなんです。日本は「おおすみ」だとかヘリコプター空母を造ってもう持っているんですから、それにこのような部隊を積んで行けば国際貢献になるじゃないかと。防衛庁が省に代わって海外派遣もやりやすくなるんだからちょうどいいじゃないかと、勝手に話が進んでるんですけど。(笑) (ここからいわゆる「従軍慰安婦決議」の話へ) ---- 要するにマイク・ホンダの裏には中国がいて、日米同盟にクサビを打ち込もうとしているように見えるんですが、アメリカではこの決議案のことはどう映っているのでしょうか これは、世論のレベルでは全く知らないという状況です。あまり関心が無いってことです。 もちろん一部関心のある人たちはいるんですが、日本のマスコミはそういう人だけに焦点を当ててるように思えます。アメリカっていっても広いですから、ワシントンの方の情報は私はあまり知らないんですが、西海岸やホノルルの方の状況ではあまり関心が無いってことで、特にホノルルにはダニエル・イノウエという上院議員がいます。 この方は戦争中イタリア戦線での有名な日本人部隊の一員でしたが、片腕を無くされている。ずっと上院議員を務めて軍事委員会でもドンという方ですが、この方は上院議員ですからアメリカの国内でもけっこう知られていて影響力もある方です。でこの方がもういい加減こういう問題を出すのはやめろっていう異例(上院が下院に物申すこと)な申し入れをしています。 で、ホンダっていうのは下院で誰も知らない議員なんですけど。 ---- ええっ!誰も知らないんですか!? こんなのは誰も知らないです。下院議員ってのはたくさんいるんです。上院ってのは各州2人ですから100人しかいないんですね。ましてや下院と上院の差は大きいんです。もちろん有名な下院議員もいるんですが、ホンダなんていうのは誰も知らない議員ですから、あまり影響力はないんですね。 だけれども日本のマスコミが取り上げていますから、日本では(アメリカで)大騒ぎになっちゃってるというふうに思われているんですが、実際に決議案が出ちゃってますから、それは記録に残っちゃいますので、そこでそれを危惧したダニエル・イノウエ上院議員は下院に対してそのような決議案はよくないんじゃないかという異例の書簡を出してるんですね。 それで、まあアメリカでは実際わけのわからない決議案がいっぱい出てるわけですから、あまり心配することはないんじゃないかっていうのが、実際にこの問題を知っている人は言うんです。ですから、あまりこの問題に関してアメリカがこう思っているなんてことは思わない方がいいんじゃないかと思います。 ---- このマイクっていう男はいきなり現れてわけのわからないことを言い出して、えらい騒ぎになっていると思ったら以外に誰も知らないと? だいたい今は次期大統領の選挙の話で国民世論はいっぱいですから、はっきり言ってそんな話は、政治に興味がある人でもそれは関心が無いってことですよね。 ---- でこんな姑息なことをやりだして、逆にアメリカが日本にやったことが露呈して両方から怒りを買うようなことになってますけど、誰の目にも明らかにとある勢力の介在があると分かることなんですけどね。 またひとつこう問題っていうか日本側でも考えなきゃいけないのは、例えばアメリカが日本を占領した時に、慰安所をこれはもうしょっぱなに作らせているわけですから、こういうことを日本側が発信していなかった、これは完全に外務省の怠慢なんです。 これは、同じようなことをイギリスでも軍人から聞いたんですけれども、イギリスではいわゆる「B級・C級戦犯」が処刑されたことをつい最近まで知らなかったそうなんです。 ---- ええっ! えええっ!!! ええええええええええっ!!!!!!! それで自分たちが証言しましたよね、たとえばゴボウを食べさせられたとか、そういう証言をもとにその戦犯たちが処刑されたというのを軍人たちが聞いてすごくショックを受けているそうです。 ですから、こういう情報を日本が発していなかったっていうことなんです。で、実際、確かにあの時は収容所に入れられて日本を恨んだけれども、まさかそれでそんなことで処刑されてたってことを聞いて、その人たちは非常にショックを受けているっていうんですから。やはりこれは、日本の情報の発信がいかにもヘタであるという、これは大問題だと思うんですよね。 ですから、特に外務省、それからいろんなマスコミなんかもちゃんと発信していかなければ・・・この慰安婦の問題だって、アメリカが日本でそういうことをやっていたということはデタラメな話ではないんですから。もっときちっと言っておくべきだったんですね。 まあもうびっくりな話が飛び出しました。ひっくりこけました。 字数制限のため小さな文字でごめんなさい