「アメリカ」というところ~テキサス紀行
先日、Aいとこの結婚式に出席するためにテキサスという、別名ブッシュ王国に飛んだ。自慢じゃないが、私は世間知らず、というか「アメリカ」のことをよく知らない。でもAのおかげというか、そんな感じでいわゆる「アメリカ」発祥の地を知る機会が増えた。Aは自分が「アメリカアメリカしてるアメリカ人」ではないくせに、家族や親戚にそういう人が多い。だからかもしれない。それで、「アメリカ」だが、どうやら日本で知られている金髪碧眼のきれいなすらっとした人々が闊歩してる「アメリカ」の印象は、ロサンゼルスはハリウッドやサンタモニカあたりから発信されている情報で、だたっぴろい土地にでかいシッピングセンターなどが立ち並んでいて、どこに行くにも車。それでもって、でっかい太った人が多い・・・、という「病める現代アメリカ」な印象はテキサスなんかみたいなところから発信されているのかなぁ、と思った。ロサンゼルスもすべてにおいてスケールがでか過ぎて、どこにも行くにも運転しなきゃいけなくて、ついていけない・・・、と感じた私だったが、テキサスのある近郊都市に行ったら、もうなんか私は小人になってしまったんじゃないかと思うほど仰天してしまった。通り過ぎた中にはある有名なドラッグストア、ウォールマートもあったのだけれど、それは普通の店舗の大きさでなく、「スーパーセンター」店。Aも「あんな大きいウォールマート、生まれて初めて見た」と驚いていた。私はそれを見て、「あっ、そっか。スーパーマーケットって、<スーパー>(特大)なマーケット(市場)なのね。そういう意味だったのかぁ~。だからスーパーって呼ばれるところは(私から見れば)あんなに無意味に広いねぇ~。こういうところが発祥の地なのかしら?」とか考えてしまった。っつーか、なんだかショックが激しすぎて、いろいろと考えてないとショックに襲われそうな感覚を味わった。怖かったぁ~。町中、縦横に走ってる車道はほぼ全て高速道路だったし。インターネットどおりとかセブンアップセンターとかあったし。(大企業が支配してる世界だってことが良くわかった。)道標にただ単に「モール」と書いてあるところがあったし。(しかも15分運転しても到着しない。)都市部に住んでる人なんかは町にスタバがあふれ出すと、「今まであったカフェとかがなくなって地域性が失われる!」とか言ってるけど、(というか私の周りはそういう人が多い。)都市部に住んでる人たちはここのような、地域性のないのっぺらぼうなアメリカを知ってるのかなぁ~、とちょっと思った。少なくとも私は知らなかった。私の知ってる近郊都市とかは東海岸の近郊都市だからもっと古いし、(これに比べれば)こじんまりとしててかわいらしいもんだ。でもひとつ解けたなぞがあって面白かったのは、アメリカの大統領選挙とかでどうして州や地域によってそんなに投票パターンに違いが出るのだろう、という疑問。ジムにちょっと行って、軽くストレッチなどをしていたんだけど、そのときに地元のテレビ局のニュースステーションにチャンネルがセットされていたのね。そしたら、そのチャンネルではさまざまなブッシュ政権寄りの特集が組まれてるの。ブッシュ政権の要人の偉人伝みたいなことがえんえんと放映されてるわけよ。ああ~、こんなのがいつも放映されてたら、そりゃぁ、親しみもわくし、そっちに投票したくなるでしょうよ。と思って妙に納得した。イメージ的には全国放送ではそこまで偏った放送も少ないような気がしてたし、全国新聞だって一貫して偏ることは少ないしね。(ってテレビ見ない人が言ってますが。汗)でも、保守派の人がいつも言うのは、保守派のほうが政権の中にマイノリティを組み込むことに成功している、という点。面白いのが、それがブッシュ王国(笑)にもちゃんと反映されてるところ。本当に居住地帯とかが肌の色によってあまり分かれてない(と聞く)。一番最近のニュースでは今度、テキサス州ダラス市の警察長がヒスパニックでレズビアンの女性になったってこと。確かにブッシュ政権は今までのアメリカのどの大統領よりもマイノリティを起用している。私たちがいたあたりでは高速道路のような三車線も四車線もあるような大通りなのに、まだ信号がついていないところがいっぱいあったが、それでもみんなとのんびりと速度を守って、信号があるかのように運転していた。交差点などでも事故がおこるのは見なくなった。そうかぁ~、土地があるとこんな余裕が生まれるのかしら、とも思った。まあ、こんな機会でもなければ絶対に足を踏み入れることのない地帯。私の全く知らない「アメリカ」に出会えて、面白かった。(と同時に、私はやっぱり「アメリカ」は好きでなくて、住みたくない、とも思った。「アメリカ」=アメリカ全土でないことは前々からわかっていたけど、ここまで違うんだねぇ。)