Loser って呼ぶな~!
外は相変わらず風が強い、東海岸。だから、どうしても家の中に引きこもり状態。でも、どうせ片付けはしなきゃいかんから、ちょうどいいのかもしれない。珍しくダンナも、それなりの時間に起きて、がさごそしているようだ。そうしたら、いきなり雄叫びが聞こえるではないか。あれ?今日はなんだろう?・・・と思いながら、声のするほうに行ってみた。そんな声の発信元は、ガレージの中。「どうしたの?」と尋ねてみた。すると、ダンナ。私の声に振り返って、に~んまり・・・・まずい、この笑顔は、だいたいいつも悪いことが起きる前兆だ。何なんだ・・・・一瞬の間に、そんなことが脳裏をかすめる。そして、ダンナの手元を見ると・・・・チェス・セット。こ、こ、これだったのか・・・・チェスといっても、本式のチェスではない。大昔、ダンナが中華街で買ったという、中国風チェス版。つまり、キングやクイーンが、中国人なのだ。それが面白くて買ったらしい。そして、こんなに時間を経て、再び陽の目を見たのである。でも、これは「とってもまずいこと」なのだ。西欧人なら、チェスって結構やっている。日本で言うところの、将棋って感じなのかな。まぁ、私、将棋って全然できない(知らない)のだ。でも、チェスなら少々・・・・といっても、本当に「ほどほど」ってところ。だから、勝率もせいぜいその程度。ところが、ダンナは滅茶苦茶強い。子供の頃から家族で「本式のチェス」をやっていたとは言え、とにかく友達同士でやっても、だいたいいつも勝っていた。欧米人同士でももちろん、年上の人とでも、昔から奴は「チェスの王者」だったのだ。だから、もともと我が夫婦間の腕前に、かなりの開きがあることは事実。しかも、他の人となら「ほどほどの腕前」の私でも、なぜかダンナ相手には、ほとんど「全戦全敗」状態。本当に、不思議なくらい、昔から奴には勝てないのだ。もちろん、あんまりにも負けすぎる私にとって、チェスなんて面白いわけがない。結局、その中国風チェス版は、すっかりガレージに片隅に眠っていたのだ。そしてそれを、ダンナが発見したってわけ。そしたらやっぱり、勝負することに・・・・でも、なんか嫌な予感が・・・まぁ、結果はご想像通り。過去、全戦全敗の私が、いきなりダンナに勝てるはずがない。短時間で、あっさり綺麗に負けてしまったのだ。むっかつく・・・・すると、ダンナ、久々にやってくれたもんだ。親指と人差し指で作ったL字を自分の額に当てて、私に示す・・・「ルーザー(Loser=敗者)!!」とにかく、夜中の夜中まで、ずっとこればっかり。呼べば「ルーザー!」、笑えば「ルーザー!」、物陰から飛び出て「ルーザー!」。ダンナが額にL字を作って、追いかけてくる!も~う、私のこと「ルーザー!」って呼ぶなぁ~!!!