代理母問題に思う
今の世の中、いろいろな生き方がある。特に、女性の生き方は、大きく変わったと思う。女性の社会進出も増えたと思うし、女性の人生観も変わってきたと思う。それでも、依然変わらないもの・・・・妊娠・出産問題である。今では、結婚はしても、子供は要らないという人達も多い。まぁ現代人には、子育てという選択肢があるわけだ。現代社会では、「したくない」ことは「しなくてもいい」。昔のように、「歯をくいしばって、しなければならない」時代でないのである。しかし問題は、「したいこと」が「できないこと」。もちろんこれは、犯罪などのことを指しているのではない。多くの人が、望んでいても実現できないことがある。それが、不妊問題であり代理母問題である。同じ女性として、見過ごせない。以前、ある女優さんが、代理母裁判で敗訴した記事を見た。その敗訴判決は、残念だけれど、やはり仕方のない判断。日本の司法分野(裁判所)は、あくまでも法権内での裁定が職務。「代理母を実子と認めず」という判決は、間違ってはいないわけだ。それが、本当の両親の「子供」であっても。そして、昨日のニュース。今度は、肉親が「代理母」になろうとして駄目だったケースだ。「代理母制度」を正式に認可して欲しいと、不妊に悩む女性たちの、涙の訴えである。彼女らの訴えに胸が痛くなると同時に、時代の変化を感じた報道だ。これも、医療の進歩というべきか。私が住んでいるこのあたりでも、新聞や雑誌、それに日本語のコミュニティ誌までも、「卵子提供者求む」の広告を良く見かける。実際にアメリカでは、現在までに少なくとも9州で、代理母制度が合法又は前向きに捉えられている。もちろん、ここもそのうちの1州だ。ちなみに、英語では「surrogacy」という。聞けば、仲介斡旋料なども含めて、合計で約$60,000(約750万円)前後から。そのうち、代理出産した女性には、約$15,000~20,000(200~250万円)程度が支払われるらしい。といっても、条件などにより、詳細は異なってくると言うけれど。同じ女性として、もし私が不妊で悩んでいたなら・・・・きっと治療したいと思うはずだ。これは、他のどんな症状や悩みを持っている人達と同じ。ましてや、希望がかなう可能性があるとなれば、是非ともそれに掛けてほしい。いや、掛けるべきだ。これは、離婚成立前の子供に関する「300日規定」とは、わけが違う。実際、代理母である事実を隠して出生届けを出せば、問題なく受理されているという。そして、代理母の事実を公表していたばかりに、出生届が受理されなかった女優さん夫妻の例。この大きな矛盾と日本の法制度の壁に、多くの人がその希望を阻まれているのだ。「したいこと」を「させてあげる」ために。「できないこと」を「できるように」してあげて欲しい。女性として、人間として、一日も早い法制定を祈ります。