映画「カポネ(Capone)」公開中!
マスターはきょう営業前に映画の"お勉強"をしました。トム・ハーディ主演の「カポネ(Capone)」(現在公開中)。禁酒法時代(1920〜33)の米国を研究しているマスターとしては、シカゴの暗黒街のボスだったアル・カポネ(1899〜1947)は外せないテーマです。 ケビン・コスナー主演の映画「アンタッチャブル」でカポネを演じたロバート・デ・ニーロは中年のような雰囲気でしたが、実際、ボスの座に着いた時、カポネは(信じられないかもしれませんが)なんと26歳の若さだったということは、あまり知られていません。 ただし今回の映画は、カポネの最晩年を描いた映画です。具体的には、禁酒法時代が明けて、脱税で懲役11年の実刑判決を受けて服役中だったカポネが、持病(神経梅毒)の病状が悪化し医療刑務施設に移され、さらに仮釈放されてフロリダの別荘で療養生活を送っていた頃(主に1940年代)の、ほぼ実話に基づいたストーリーです。 全編、重苦しく悲しい話です。カポネは、隠し資産を突き止めようとするFBIの監視(盗聴)下に置かれながら暮らしますが、脳機能の低下でたびたび幻覚に見舞われ、おかしな振る舞いをします。その行動に家族や取り巻きたちは振り回されます。病状は改善せず、かつての「暗黒街の帝王」も晩年は惨めで、48歳の若さで生涯を終えることになります。ボスとして君臨したシカゴへは一度も戻ることはありませんでした。 映画では最後にさらりと触れられただけでしたが、カポネの死後、妻のメエをはじめ残された家族は経済的困窮に苦しみ、苗字を変えて隠れるように暮らすなど悲惨でした。米国の暗黒街の犯罪史の悲しい真実に、少し胸が痛くなりました。※拙Blogでの連載「禁酒法時代の米国-ー酒と酒場と庶民のストーリー」で、カポネに触れた回もぜひお読みください。→ 第3回はこちら & 第6回はこちら・こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】