おとこのロマン
おとこの人が、ずっとのばしていたヒゲを剃るって、どういう心境だと思う?わたしの質問に、友達の美容師のかおが明らかに?マークでいっぱいになった。それをみて、わたしはあわてて付け加える。ほら、おんなの人が長い髪をばっさり切るときって、大なり小なりなんかキッカケみないなのあるでしょ?おとこの人にとって、ひげを剃るってそれと同じくらい意味のあることなのかなって思ってさ。あー。と興味なさそうに彼はつぶやいて言った。ただ、ウザくなっただけじゃない?…ふ~ん。一応、そう納得したフリをしたけど、その答えは正直、全然期待はずれ。そうかなぁ…。なおも食い下がる。じゃあさ、逆にヒゲをのばそうと思うキッカケってなに?それもやっぱり、なんとなく、たいした理由もなくはじめるもの??そしたら、それには妙に自信満々で答えを返してくれた。そりゃ、やっぱり年くってみられたいっていうかさ、大人の男に憧れるみたいな気持ちがあるし。あと、男らしくみられたいって思うからだよ。へぇ!!いまさらながら、新鮮な驚き。隠されたオトコゴゴロが垣間見れたようなお得感。確かに、ひげはおんなにはない、男の特権。(別にうらやましくないけど)そして同時に、ずっと昔から権威や強さの象徴でもありました。でもまさか、今でもそのステレオタイプがおとこの世界で通用してるなんて。ひげに象徴されるワイルドなおとこ、イコール「男らしい」って思ってる?自他共に認める「なよっちいおとこ」好きな私としては、そんな外見よりもいざというときに現れる「懐の深さ」こそが男らしさのキホンでしょ!と声を大にして言いたい。そんなわたしの心の叫びなど、知るよしもない友達は、なに?最近だれかIamちゃんの知り合いがひげ剃ったの?と、鋭いツッコミを入れてきた。でへへ~。実は、最近ちょっと気になるひとがいてさー。そのひと、ロン毛でひげの生えたワイルド系で男前な先生なんだけど。年明けに会ったら、ひげをきれいに剃っちゃってたんだよねー。まぁ、私的にはひげを剃ったほうが男前な顔がよく見えていいんだけどね、何かあったのかなって気になっちゃって。ふん、やっぱりそんなことだろうと思った。と苦笑しながら彼は言った。失恋や願掛けでひげを剃るようなロマンチストなんて、おとこにはいないよ。男らしさに憧れて、わざわざひげを生やすのだってじゅうぶんロマンチストだと思うけど。ま、なんだかんだいってもそんなおとこに惹かれるおんなも結構多いんだけどね~。