木曜はニョッキ、土曜はトリッパ
キリスト教の断食について、きのうはGiovannaさんからとても興味深いコメントをいただきました。ありがとうございま~すm(_ _)m曜日によって食べていいものが違うというのは、ごくふつーの仏教徒の私には、とてもおもしろく思えます。そこで、今日のテーマは、イタリアの、「この曜日にはこの料理」。金曜は肉を食べない、というキリスト教の決まりごとは、グルメのイタリア人の創作意欲を激しく刺激したようです。まず、肉を食べられないなら、その前日に、おなかが一杯になるものを食べておこうというわけで生まれた(?)のが、有名な、「木曜はニョッキ、土曜はトリッパ」というローマの習慣。テスタッチョのダ・フェリーチェというトラットリーアは、ローマの伝統的な家庭料理しか出さない店で、しかも曜日ごとの伝統料理も頑固に守っています。曜日変わりの料理は、月曜~インヴォルティーニ(薄切り肉に具をのせて巻いた料理)火曜~魚料理木曜~ニョッキ金曜~魚料理土曜~トリッパDa Felice-29, via mastro Giorgio, angolo via A. Volta, tel.065746800、日曜定休、カード不可テーブル数は少なく、一番大きなテーブルには常連客が合席で陣取っています。営業時間は一応13~14:20、20~24ですが、料理がなくなったらおしまい。肉が食べられないなら、魚を食べよう、と言うわけで、金曜には魚を食べる習慣があるわけですが、魚はいつも新鮮なものが手にはいるとは限りません。そこで普及したのが、干ダラ(正確にはメルルーサ)料理です。干ダラは、1432年に、ノルウェーのロフォーテン諸島で難破したヴェネチアの貴族が、初めてイタリアに持ち帰ったと言われています。この魚が普及したのは、その約1世紀後に、トレントで、キリスト教世界の重要な公会議が開かれた時でした。この会議の期間は肉を食べてはいけないというお達しが出たため、安くて腐りにくい干ダラが注目されたのです。イタリアは、ノルウェー産干ダラを大量に輸入しています。生のタラを干したものはストッカフィッソ、塩漬けしてから干したものはバッカラと呼びますが、ヴェネチア地方では、ストッカフィッソのことをバッカラと呼びます。ローマのリストランテ・ジョルジョという店にも、曜日ごとの定番料理があります。こちらは火曜~セモリナ粉のローマ風ニョッキ木曜~じゃがいものニョッキ金曜~チェーチとバッカラのパスタ住所など、詳しい情報はお店のHP(こちら)で。肉も魚も食べられないなら、野菜でボリュームのある料理を作ろう、と考え出されたものの1つが、レッジョ・エミリアのエルバッツォーネ。ほうれん草のパイですが、お米入りやリコッタ入りなど、様々なバージョンがあります。エルバッツォーネ ↓ こちらのサイトに作り方の写真があります。私の身内には坊さんがいます。そこのお寺では、動物性タンパクは一切食べないので、出汁もかつお節無しでとるそうです。でも、実家に里帰りすると、肉だろうが魚だろうが、何でも食べます。