「ファンタスティック・フォー銀河の危機(2007)~コミックの実写化はマンガ的が楽しい」
突如宇宙から飛来したシルバーサーファー、エジプトに雪が降り、日本の海が氷る。あまりのパワーにファンタスティック・フォーも敵わない。さらに、シルバーサーファーの背後には、惑星のエネルギーを一瞬にして吸い取る強大な“ギャラクティス”の存在が。どう闘う?ファンタスティック・フォー!「ファンタスティック・フォー:銀河の危機(2007)」監督:ティム・ストーリー出演:Mr.ファンタスティック: ヨアン・グリフィズ インヴィジブル・ガール: ジェシカ・アルバ ヒューマン・トーチ: クリス・エヴァンス ザ・シング: マイケル・チクリス ドクター・ドゥーム: ジュリアン・マクマホン 小学生の頃は、とにかくマンガが好きでした。非日常の世界に飛び込むことに快感を味わっていましたから。友達の家に行ってマンガ本があると、友達を放っておいて、夢中になってマンガを読みまくった。なんという友達甲斐のないヤツ。マンガがめあてと思われても仕方ない。事実そうだったかも。 友達と遊ぶのは、サッカーをしても、ゲームをしても、それらは日常。あ、スパイごっことかなら、非日常気分で楽しめたね。 その頃は、アニメも何よりのお楽しみ。食事や風呂よりも、アニメの放送時間が最優先の生活スケジュールを組んでいました。スーパージェッター、宇宙少年ソランなど、SF系、宇宙系は特にはずせない。親にはよく怒られましたけど。 大学生まで、少年ジャンプや少年チャンピオンを読んでいました。「宇宙戦艦ヤマト(1977)」に始まるアニメブームにも参加していました。ところが、急にマンガやアニメが目に馴染まなくなってしまいました。あの時期を境に、マンガ(アニメ)が生活から切り離されてしまったのです。 マンガよりもっと好きなのは映画です。映画はマンガ的な世界を、実写と音響で、あたかもホンマ物のように見せてくれるから。言うまでもなく、映画は見続けています。 「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」は、前作「ファンタスティック・フォー超能力ユニット」よりおもしろかった。マンガ的な内容が濃くなったから。マンガ的内容とは、多少理屈に合わなくても、流れで楽しく見せること。 今回は、シルバーサーファー(ギャラクティス)とのバトルや一転して友好関係に焦点化されていたので、流れに乗れました。前作は、キャラクターの紹介部分にストーリーがもっていかれましたからね。 さて、この2作を比べたとき、以下のようなちがいが見られる。 超能力ユニット 銀河の危機上映時間 110分 92分制作費 $100,000,000 $130,000,000 第1作の方が18分も長いのに、制作費が3000万ドルも安い。疑うわけじゃないけど、ホントかな(疑っている)。「超能力ユニット」の方が、中身が濃いのとちがう?おもしろさは別にして。 上映時間90分台とは、B級映画の扱いです。今回はノベライズも出ていないし、2作目にしてすでにあんまり力が入っていない。けど、その力の抜け具合がマンガ的おもしろさを強調させていると思います。 「銀河の危機」のシルバーサーファーは、全編CGIです。役者がやっているのではありません。出演料は〇。それとも、それだけCGIの制作費は、役者さんより高くつくのかね?このCGIのシルバーサーファーは気に入りません。すでに「ターミネーター2(1991)」のT-1000でやってるじゃないの。いかにもCGって感じ、CG以外の何者でもないのですけど、もっとなんとかならなかったのですかね。 さらに、ヘリコプターも、実物あるいはミニチュアを使うのではなく、CGIでした。あんまりCGIばかり使うとケチ臭く思えます。 実写映画がすばらしいのは、たとえば巨大怪獣が登場するなど、ありえない映像が現実らしく見えるところ。ミニチュアや着ぐるみを使って、あたかもホンモノのように見えるように工夫するところがりっぱです。もし、アラが見えても、そこは想像力で補うのだ。 で、CGIは?シルバーサーファーについて、最初から「すばらしいCGIで撮影しました」と、CGIであることを誇示してどうする。やっぱここは、スパイダーマンみたいに、実写とCGIをうまく組み合わせる工夫をするべきでしょう。 現実とトリックをうまく組み合わせて、日常と非日常の橋渡しをうまくやってくれる作品が好きですね。 今回Mr.ファンタスティックが発明したファンタスティック・カーが登場します。いつのまにか作ってるし、突然機体が3つに分離して飛行したり再合体したりすることが判明するし。これもマンガ的。けど、ひとつ言いたい。屋根もなく風防ガラスも低い。高速で飛行しているのに、なんで顔に風があたらないの。御髪も全然乱れませんよ。いくらマンガ的でも、このあたりはきちんと描いてほしいな。 機体3分離、再合体は、「キャプテン・ウルトラ(1967)」のシュピーゲル号や「ウルトラセブン(1967~1968)」のウルトラホーク1号など、40年前に日本のテレビ特撮がやっています。 この映画を見ていて思ったこと、なぜ、大人になってマンガが目に馴染まなくなったのか。それは、感性が大人になったのではなく、マンガが進化し、子供の頃に読んだ単純明快な内容ではなくってきたからではないか。 「銀河の危機」は、昔のマンガを思い出させました。人気blogランキングに参加中。クリックしてね。ご協力、よろしくお願いします。みんなブルース・リーになりたかった