『大追跡(1968)』〜フランスの爆笑王
【楽天ブックスならいつでも送料無料】【DVD3枚3000円2倍】大追跡 [ プール・ヴィル ]価格:1,000円(税込、送料込) 小学生のときに、ルイ・ド・フュネスというフランスの喜劇俳優のファンになった。ド・フュネスが主演した『グランド・バカンス(1968)』を見て、大笑いしたのだった。 じつのところ、ルイ・ド・フュネスに初めてお目にかかったのは、『ファントマ/ミサイル作戦(1968)』だった。こちらのド・フュネスは、怪盗ファントマを追うコミカルな警察署長ジューヴという役どころだった。 『ファントマ/ミサイル作戦』は満足度の高い映画だったが、やはり主演映画である『グランド・バカンス(1968)』は、ド・フュネスの魅力満開だった。なにせその日は、続けて2回見ちゃったくらいだからね(その頃は、今みたいに入れ替え制ではなかった)。 しかしながら、ファンと言っても当時はまだ子供だし、地方に住んでいたから、ド・フュネスの映画を追いかけることはできなかった。 テレビで、『ファントマ』のシリーズが放映されると、ファントマとともにド・フュネスの爆笑演技に注目していた。 そして、待ちに待ったド・フュネス主演作をようやく見ることができたときは、高校生になっていた。題名は『大沈没(1968)』。 この映画はあまりにも笑いすぎて腹が痛くなり、それどころか呼吸も何も満足にできなくなってしまった。笑うというのは楽しさや愉快さに対する感情なわけだが、このときは笑い地獄ともいえる苦しさから「もう笑わせるのはやめてくれ〜」と言いたかった。 一緒に見に行った高校の先輩も、笑いが止まらず、笑いの元を絶つべくスクリーンから目をそらしたが、それでもおさまらず、身体を丸めてなんとかこらえようとするうちに座席から転落した。そんでもって、床に散乱するポップコーンにまみれてまさに笑い転げていた。 映画館というのは、観客のお互いの笑い声が相乗効果になって、ますます笑いが大きくなる。みんなが楽しく笑っているときは、ひとりでいるときより気持ちが解放されるのだと思う。 でも、しかし、今回久しぶりに『大追跡』でド・フュネスに再会し、ひとりでビデオを見たわけだが、おもしろいものはおもしろい。思わずふきだすことしきりだった。映画館で見たら、きっと映画館中が激笑にあふれたことだろう。 映画の中で連発されるおバカなギャグとともに、何といってもド・フュネスのキャラクターがとっても楽しい。 しかめっ面というか苦虫を噛み潰したような表情の小男が、本人は大まじめでアホなことをするわけだ。 『大追跡』では、ギャング・グループのボスなのだが、ボスとして手下に威張れば威張るほど、アホ丸出しになる。 全編に繰り広げられる迷場面のうちのひとつがこれだ。犯罪に使う車がパンクしたり破損したりしてボロボロになってしまった。一晩で修理しないと都合が悪ってことで、ド・フュネスは大急ぎで修理工場にもっていき、夜中に工場主を叩き起こす。そして、工場主を脅して修理をさせると思いきや、なんとタイヤ交換からボディの穴を塞ぐことからさっさかとひとりで作業し、全部自分できれいに仕上げてしまうのだった。そして、なおかつ料金まで支払って意気揚々と帰っていく。工場主は不労所得を得て大喜びだ。 おそらくルイ・ド・フュネスと言っても知らない人が多いと思う。 DVDも、ファントマ・シリーズとこの『大追跡』くらいしか見られない。 とても残念なことだと思う。人気ブログランキングへ