夢の話/集会所、隣のおやじさん,木の階段通路
田舎町を歩いている。 ある老朽化した木造の建物を老人が指差す。 「これは個人が提供している私たちの集会所ですが、もう古くていけねえ」 一階から見上げているのに、二階の床や襖、床の間などがよく見えた。 私は言った。 「でも結構な年代ものの調度品が置かれていますね。」 老人は私を自分の家に招き入れた。 これも旧い農家風の豪邸である。ちょっと変わった風合いの階段がある。そこだけ材質が違う。 博物館の管理用通路のように、普段は通行できないようロープが張られている。「これはさっきのところに通じるのです」 といい、2階まで上がると、隣家の廊下が広がり、障子ごしにヒトの気配がする。 ここはすでにヨソの家なのだ。 クルマの音がする。主が帰ってきたらしい。 外が無闇に騒がしい。どうやらこの家のガレージにおいてあった巨大な水槽が何らかの化学反応で破裂したようなのだ。周囲は水びたし。野次馬もたくさん集まっている。 状況は変わり、今度は10~18歳くらいまでの男女が集まっている。誰かに引率されて校外学習で来ているのか。私も同じくらいの年齢の気持ちになって誰彼となく話している。非常に楽しい。 また状況が急転し、山のすぐ下の、まがりくねった田舎道をさまよっている。ところどころに、農家が点在する。もとに戻るのに、どの道が正しいか迷っている。ぐるぐる歩いているうちに、跨線橋入り口にも似た、長い木造の階段通路(屋根付)の入り口に出くわした。 多くの人々がこの階段を普通の通路として使っている。 「温泉宿の風呂への階段のような、「さざえ堂」のような・・」と思う。 しかしこの通路はもっと広く、人通りは多い。 おそらく山道の傾斜が急すぎるので、このような階段通路にしたのだろう。 階段は幅10メートルほどの広さで、要所要所に踊り場があり、売店や食堂が踊り場に設置されていたりする。私は絶え間なく登り続ける。 この終点から出れば、きっとさっきの村に戻れるはずだ。 私はそう確信している。