ネットリテラシーというべきか
ネットニュースを見ていると、近年その記事の推敲や校正がきちんとなされているのだろうかと疑わしく思う事が増えたように思う。昨日のこと、gooの記事の引用と思われるが、「血液サラサラ成分の硫酸アリルが・・・」とある記事を見つけた。多少とも食品化学の知識がある人なら、これが「硫化アリル」の間違いである事は明らかだが、コピペ記事ならもとの記事が間違っているし、自分でタイプしたならタイプミスか誤解で、この記事が更に引用されたら誤りがどんどんと増えていく事になる。硫化物なら硫黄(S)がそのままくっついているし、硫酸塩になっているなら(SO4)がくっついている事になって、全く異なったものになる。硫化アリルはタマネギやニンニクの辛味の成分で、「血液をサラサラにする」と言う成分だ。血栓の形成を抑える、と言う方が正確かも知れない。問題は、知らない人が「あそこにもここにもたくさん書いてあるから、これは真実だ」と思ってしまう恐れがある事だ。「うそも100回言えば本当になる」と言うけれども、ネットの利用で一次情報に触れる機会はどんどん少なくなっている。検索エンジンの方でそれらしい記述を拾ってくれるから、「みんなこう言ってる」と言う事になり、その真偽は次に回ってしまう。検索者としてはその方が効率がいいので、便利なのだが。このあたり、自分自身にも覚えがあるので偉そうには言えないが、文章・記事にする限り、その正確性には常に気を配って欲しいものだ。フェイク情報で稼ぐなんて、もっての外。こういう事を書くと、AIのすごさと怖さが見えてくる。そう言えばNHKのニュースで、「ここからはAIの音声でお伝えします」と、1日に何度も聞くのはどういう理由からなんだろうか。まさか「真偽の責任はコンピュータおよびソフトウェアにある」という事の責任転嫁じゃあるまいな。