レジェンド。
ついに、結論がでたようです。長年、教育学・発達心理学の分野で教材やエピソードとして活用されてきた『狼に育てられた少女』、捏造つまり作り話、詐話だったという論証。・・・このファンタジーじみたロマン、しかも大昔の伝説ではなく、20世紀前半の出来事で写真までのこされている、なんともうさんくさい魅力にみちたお話は、なぜか人の心をつかんで離しませんね!・・・英米のメディアに発表された当時(初出は1926年?)から、内容の真実性を疑う声も大きかったにもかかわらず、当時の著名な研究者、心理学者の多数が真に受けた・・・、逆にこのこと自体が、「心理学の命題」になりうると思います。興味を持ってくださったかたは、拙ブログの過去日記もみていただけたらうれしいです・・・。「インドで狼に育てられたふたりの少女」に関する、私の知るかぎり最近の著書に『オオカミ少女はいなかった』があります。残念ながらカマラとアマラについての論考は本書の第1章のみですが、著者の鈴木光太郎氏は、例の有名な証拠写真が、撮影された日時がバラバラとされているのにそれぞれ背景が酷似していること(背景の家具の配置、テーブルセンターのギャザーの寄り具合、いっしょに写り込んでいる施設のこどもたちも同一人物でしかも同じ服装! ! )から、「写真はヤラセくさい」と断言しておられます。(当時の心理学者たちはなぜ見落としたのでしょうか? (@_@;))上記の最新版ウィキの、セルジュ・アロール氏の検証本、邦訳が待たれます。・・・もっとも、この「オオカミがヒトの赤ちゃんを育てる」お話は特にわが国では好まれるようで、いまも授業や教材、教育論に引用されているのでびみょうに圧力がかかるかも・・・、そして、「ウソからでたマコト」、「だまされても信じたいと願う」ひと本来の人情によって、有名な神話・伝説は伝承されてゆくのでしょうか。うーんこわいけどおもしろい、おもしろいけどこわい・・・。