鰻…【写真】
鰻が大好きである。しかし、近年数が少なくなってきているのと、それに伴って値段も高くなってきているので、ここ最近は残念ながら暫く遠ざかっていた。しかし、どうしても食べたくなって、久しぶりに鰻を食べた。子供の頃は、筒の仕掛けに貝を割って入れておくと、一晩で数匹の鰻や穴子が捕れた。毎日幾らでも捕れた。それを籠に入れておいて、自分ちで料理して食べた。父親や祖父が自分で捌いていた。それを眺めているのが好きだった。頭を突き刺して俎板に固定して割くので、うねうねと腕に巻き付いてくる姿は、随分と残酷な光景だった。でも、それを飽きることなく、傍らでずっと眺めていた。鰻は店で食べる物ではなく、家で食べる物だった。今から考えると、それは随分と贅沢なことだったのだ。