ひなびた温泉
さて次の日は、一人でひなびた温泉に立ち寄った。昔は結構にぎやかな湯治場だったようだが、今は閑散としている。風呂も洗い場がなく、つかるだけだそうだ。風呂場に降りていったら、壁一枚隔てた女風呂がとてもにぎやかであった。壁の上は開放になっているから声がよく通る。あとで外に出たら、若い女の子が2人いた。他に客はいないから、声の主が誰だかすぐにわかる。彼女達はこの近郊の子達で、近くの温泉をあちこち探検しているが、ここが一番いいと言っていた。この近くにも2つ日帰り温泉があるが、どこも今風で似ていて面白くないそうな。「さっきお風呂で写真撮ってました?」と聞くので「うん」と答えると間仕切りの上が空いているからフラッシュの光がもれ と騒いでいたのだそうである。そうか、それは大変失礼を致しました。それにしても彼女達の長風呂はすごく私は一度上がって、もういっぺん入り直したのだが二度目に私が上がったときもまだ入っていた。「女風呂は会話が弾むから長く入っていられる」のだそうだ。