カテゴリ:読書
この本は、2002年5月に発行されています。著者の池東旭さんは、1937年に韓国で生まれた方です。「韓日ビジネス代表」との肩書きがあるようです。「韓国を代表する知日派ジャーナリスト」とのことですが、寡聞にして存じませんでした。
この本の前身は、『在日をやめなさいー70万人の優秀なマイノリティに告ぐ』という本です。著者が1997年に書いたものを、今回大幅に書き改めたのが、この『コリアン・ジャパニーズ』です。 一言で言えば、著者は様々な問題点を指摘しながらも、後の世代のことを考えれば、日本国籍を取得するのがよりよい選択だと提案されています。 以下は気になった箇所の引用と感想です。 【引用】 「幸せに生きることが歴史に対する最高の復讐である」 【感想】 この文を2度書かれていますので、強調したかったものだと思います。この文の直後は、「在日が日本で幸せに生きるのが、差別した者に、見捨てた者に対する最高の仕返しだ。悔しかったら幸せになるのだ。」と、激励しているように見受けます。 【引用】 「彼は、日本で生まれ育ち、朝鮮半島の血を引く自らをコリアンジャパニーズと呼ぶ」 【感想】 本のタイトルである「コリアン・ジャパニーズ」の定義と思います。 【引用】 「渡来の動機は、気温の寒冷化だ」 【感想】 有史以前より大陸から日本列島には、多数の人々が渡来しています。 ここでは米作という弥生文化を伝えた渡来人のことを、言っています。 なぜ朝鮮半島から日本列島に渡ってきたかというと、寒冷化により稲作に不利になったため、温暖な九州に移住する人々が増えたと考えられるようだ。動機は食うためだった。 当然ながら、先住民との争いになったと思われるわけですが、渡来人は青銅と鉄製武器で武装していたようで、先住民を制圧するのはたやすかったと考えられるとのことです。 以前からの隣人同士であり、今後も隣人同士であり続ける日本列島と朝鮮半島。引っ越すわけにいかない隣人同士の付き合いを振り返ってみると、なかなか興味深いものがあると思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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