レドドシシ、シシドドレ
運動会が終わると怪獣兄弟の園はとっても忙しくなる(やつらの園では運動会の行事的地位はさほど高くない)それは音楽会の準備が始まるから弟怪獣にとっては初めての楽器との出会い兄怪獣にとっては大規模な合奏がある母たちがもっとも気になるのは子供たちが何の楽器を担当するかだ和太鼓なのか洋楽器なのか和太鼓の中でも種類があるので何なのか洋楽器の場合は、打楽器系か音階系か太鼓も大中小さまざま、音階系ならマリンバ(木琴)、ビブラ(鉄筋)、シンセサイザー、メロディオン他にもウッドブロック、シンバル、ベル、タンブリン・・・それぞれ親の側に憧れの楽器ややらせたい楽器があったりするそういうものが子供に与える影響はあまりよいものではないとか言いつつも絶叫母にも「あー、この楽器ならいいなあ」というのがあるそれは和太鼓兄怪獣は年少のときに和太鼓のシメ太鼓だった太鼓グループの最前列で座って叩く太鼓だ一応、一番難しいとされている太鼓年中のときには和太鼓ではなくティンパニーという大き目の太鼓だった音階系よりも打楽器系が圧倒的に似合っているので母としては安心したものだが、今年の楽器はバス・マリンバ(大き目の木琴?)になってしまった音階系は音楽教室に通っている子が選ばれるものと勝手に思っていたのだが、そういうわけでもなかったらしい母の不安をよそに、兄怪獣は大喜びで練習にいそしんでいる先生お手製の木琴にかたどられた紙を広げ箸をもってきて毎日バチバチとたたいているそして必ず口にするのが「レー(2,3)レドドシシー(2,3)、シシドドレー(2,3)」というもの何を演奏するかお分かりになりましたでしょうか?今年彼が合奏するのは「オペラ座の怪人」これを園児が演奏するんだからそれはそれは練習は過酷その他にもう1曲「運命」もやる言わずと知れたあの「ジャ、ジャ、ジャ、ジャーーーーーン」であるこれも木琴の担当らしいその他に歌もある日本語の歌と英語の歌を1曲ずつ今年の英語の歌は「country road」だジブリ映画「耳をすませば」で歌われてた曲私がジブリファンなのでたまたまこのビデオが家にあったさっそく子供たちといっしょに見てみるが、映画の中ではこれは日本語で歌われているまぁ、いいか「country road, take me home, to the place I belong...」うう、また泣けそうな歌詞ではないかこれを200人以上の年長児がひな壇に並び無邪気な笑顔で大合唱する絶対に涙するにきまってるあー、あまり練習してる姿は見ないようにしようっと弟怪獣の方はというと、ヤツこそは絶対に和太鼓だろうと思っていた和太鼓というのは大体がクラスで元気そうだなぁと思われてる子が選ばれるものなのだもしかしたら兄と同じシメ太鼓かも・・・ぐふふふふなーんて思っていたら弟怪獣はドラムセットというものだったこれは縦に大きな太鼓があり、横に小さな太鼓がある二つの太鼓を叩く豪華版が、しかし、大人数の舞台の最も奥に配置される楽器なのだ太鼓のメインではあるけれど、あーあー、ちょっとなぁ弟怪獣は決して小柄じゃないけれど、ヤツは細身なのだドラムセットっていうガラじゃないんだけどな(得てしてドラムセットはクラス1ガタイの良いこが選ばれる傾向にある)先生の話によると弟怪獣は大変練習熱心であるらしいが、家でその演奏を披露してくれることはない無理やりやらせようとしたら、しょうがないなぁと両手を広げて左右にぴょんこぴょんこと飛び跳ねたえ?それが太鼓の演奏なの?弟怪獣はいたって真面目「うん、ドン、うん、ドン、うん、ドン、うん、ドン」と口にしながら左右に飛び跳ねるあちゃーーーーーまいっかということでもう家でドラムセットの練習をすることはなくなった弟怪獣仕方が無いので(?)兄の練習につきあっている2人で並んで正座し、箸を持ってバチバチバチ「レー(2,3)レドドシシー(2,3)、シシドドレー(2,3)」しばらくの間はうるさい日々が続きそうだ(音楽会は2月なのだ)が、その前にクリスマス祝会があるんだったこっちの方の練習はどうなってるんだろう