高いお寿司
先週の土曜日のこと母は久しぶりのオークション出品作業に燃える大きな声では言えないが、相方がお宝をたんまりと入手してきたといっても決して法に触れるようなことではない詳しくは書けないが子供部屋いっぱいのダンボール中にはコレクターグッズからグラス、時計などなどこれは一儲けして春の入学準備の足しにしよう!そしてもし余れば洋服なんかも買っちゃおう!うっほほ~~~い!!と、落札どころか出品前から相当大盛り上がり気持ちがでかくなったところで子供たちに宣言した「ここにあるのがいっぱい売れたらおいしいおすし屋さんにでも行こうね」兄怪獣がすかさず言った「高いおすし屋さん?」ヤツは(高い=うまい)という大人の方程式を最近知ってしまった「そうそう、高いおすし屋さん、いいでしょ~~~、行きたいでしょ~~~~」弟怪獣が大喜びして言った「行きたい、行きたい、おすし屋さん行きたい!」「よ~っし、じゃ、今日は前祝としていつもの回転寿司に行こうか」まだ1円も儲けてないのに相当な太っ腹だ(体格のことじゃなくてね)「わーーーーーい!!!」怪獣兄弟、声を揃えておおはしゃぎ寝ていた相方を起こし、『北斗の拳』のDVD8巻を見終えると近所の一皿105円のすし屋へレッツゴー今日は冷たい雨の降る日だったからか、店内は空いていた弟怪獣は胃袋が小さいのでいつもの通りデザートを含めて4皿母は一皿に1貫しか乗っていない特選ネタばかりをチョイスして皿数を稼ぎ、この日は8皿を積み上げた兄怪獣はトイレ休憩を間に取りつつ(食べたら出る男の宿命)、母に対抗して8皿食べた相方は子供が食べ終わるのを待っている間にも一つ、また一つと皿に手を伸ばし、結局何皿食べたんだろうそれでもアルコール抜きだったためめずらしく家族で5,000円以内で収まったうーん、やっぱりここは安いわあのダンボールの山を売りさばいて、高くてうまい寿司を食べに行きたいなぁ・・・その後相方が子供たちをヨーカドーに連れて行ってくれ、母は1人家で出品作業にいそしむうっひっひ、これとあれが売れたらいくらいくらの儲けでしょいっひひひひってことはぁ、あっちとそっちも売れちゃったら・・・きゃ~~~~!すっご~~~~い!!!などと、1人皮算用に胸を躍らせる結局男どもが帰宅したのは7時近かった晩御飯は簡単に済ませようとサラダとパスタにしようと1人勝手に決めていた台所に母が立つと弟怪獣がつぶやいた「高いお寿司は???」「へ????」「高いお寿司食べに行くって言ったじゃん」「そ、それはこの箱がいっぱい売れたらって言ったでしょ」「売れてないの?お母さん、お仕事してたんでしょ」「あーのーねー」それからネットオークションのことを話して聞かせるが、弟怪獣は「お寿司~、お寿司~、高いお寿司~」と叫んで泣くばかり「お昼にお寿司食べたばかりでしょ」と言っても泣くし「これが売れたら絶対に食べに行くんだよ」と言っても泣くししまいにぶちぎれて「もう、お母さん知らないからね」と言っては泣くし嫌になるその後30分以上も泣き続け、叫びながら相方の手により風呂場へ強制収容された弟怪獣食べるの大好き単純おばかな4歳児の発想にはついていけない母なのであった