福岡へ一夜の帰省
仕事を3時に終えて、福岡に向かった。この間、北海道から戻ったばかりなのに、また羽田空港に逆戻りだ。モノレールに乗り込むと、車窓に見入った。そしてまた「誰も知らない」の1シーン、1シーンを思い出していた。北海道からの飛行機は遅れていた。スターバックスで一杯、ラテを飲んでいると母が歩いていくのが見えた。その夜の飛行機は、最新機でグッドデザイン賞を受賞したシート。なかなかよかった。東京から福岡へはあっというまだった。懐かしいふるさとの道をタクシーで走り抜けながら、PCを立ち上げ仕事のメールが来てないかチェックする。母は、運転手相手に博多弁でまくしたてている。街の変わった部分と変わらない部分をみつけては興奮しているのかも。通夜の斎場につくと、入院中の祖母も来ていた。つきそいがあるなら、と許可が出たらしい。祖母に会えたことが私はとても嬉しかった。ずっとあっていなかったいとことも再会した。いとこは夫と子供ふたりをつれてきていた。子供たちは子供だった頃のいとこに実にそっくり。特に話を始めると、思考回路までが似ていて、思わず吹き出してしまうほど。別れが悲壮でないのは、その命が、生き通した証。それで、よいのだと思った。夜。祖母、母、私は、伯母一家の家に泊まり、ふとんを並べて、話通した。不思議な一日が終わろうとしていた。