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テーマ:最近観た映画。(40095)
カテゴリ:最近見た映画
原作は読んでいたのに
村上春樹の短編集「女のいない男たち」の冒頭に「ドライブ・マイ・カー」があった。村上春樹の小説は何作読んでも印象に残るものは意外に少ない。文章の巧みさや比喩は抜群だが、物語として印象に残るものは少ないということだ。 「女のいない男たち」 (各ストーリーは、抑制された村上作品の典型だ。1916年 第1刷) 村上春樹のストーリーに、納得できる完結を求めることが、作者と読者(自分)の意識が少しずれている部分なのだろう。自分に、アメリカの作家やジャズに対する知識が少ないので伝わらない部分もあるのかもしれない。 映画「ドライブ・マイ・カー」は、短編集「女のいない男たち」の他の短編作品のエピソードも取り入れている。でも基本的なストーリーは「ドライブ・マイ・カー」であり、妻を亡くした演出家兼俳優の心の再生が主たるテーマである。 「ドライブ・マイ・カー」は、濱口竜介監督によって映画化され、2021年8月公開された。演出家福裕介を西島秀俊(主演)が演じ、くも膜下出血で急死する妻の音(おと)を霧島れいか、彼の愛車サーブのドライバー渡利みさきを三浦透子が演じる。 「ドライブ・マイ・カー」 (原作では黄色のサーブが映画では赤になっている~公式サイトより) 映画「ドライブ・マイ・カー」は、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、脚本賞、国際映画批評家連盟賞、エキュメニカル審査員賞、AFCAE賞を受賞した。また第87回ニューヨーク映画批評家協会賞では日本映画として初めて作品賞を受賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞と全米映画批評家協会賞でも作品賞を受賞した。 また、第79回ゴールデングローブ賞では非英語映画賞(旧外国語映画賞)を受賞したほか、第94回アカデミー賞では、日本映画で初となる作品賞他3部門でノミネートされている。西島秀俊の抑制された演技は、原作の雰囲気を良く表現し、専属ドライバーを演じる三浦透子の表現力を秘めながらも無表情すぎる演技も注目である。 「すでにレンタル開始中」 (他の作業と併行して観ていたために、見落とした部分がきっとある) 最近の映画は当然のように、何かの事件やアクシデントが含まれている。それを期待する者にとっては、179分という長尺な映画は退屈過ぎるかもしれない。 それでも、日本映画が初めて作品賞にノミネートされたということは一つの歴史的な出来事だ。このことは当然歴史に残るべきことだ。結果がどう出るにしろ。 ↓ランキングに参加しています。良かったらクリックをお願いします。 写真日記ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/03/12 11:55:21 AM
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