[部活動]電報部…
日本にはおよそ1,500もの中学・高校がある。広い全国を探してみれば、オーソドックスなものからトンデモ部活動まで必ずあるはず。ここでは、そんなトンデモ部活動に情熱を懸けた若人たちの軌跡を紹介していきたい。言うなれば、これは青春を謳歌した者たちに捧げる甘酸っぱい遠い日のメモリー。「失礼しますっ!」「なんだなんだ、思井。お前はよそのクラス だろう?今は授業中だぞっ!」「あいや待たれよ、マイティーチャー! このクラスの高根さんに電報が届いている んです!」「電報だって?ああ、確か思井は電報部だったな。 だからと言って、授業中に持ってくることない だろう。」「そうはおっしゃっても、我が電報部にとっては このネットやメールが進化した昨今、多少アナログ ながらも心のこもった電報は一分一秒でも早く 届けなければいけない神聖なものなのです! と、いうわけで高根さん。あなたに電報が届いて います。」「私ですか?」「差し支えなければここで披露させていただきますが。」「ええ、お願いします。」「アナタノコトガスキデス オモイ」「ええ~!?」突然の告白に、騒然とする教室。あまりの電報の内容に先生も言葉を失い、事の成り行きを見守っている。「ここでお返事を聞かせていただきたいのですが。」「えっ、今すぐですか?」「もちろんです!」「ええ~と……、私でよければ喜んで♪」高根さんの答えにさらに騒然となるクラス。みんなが新しいカップルの誕生に祝福の言葉を思井と高根さんにかけている。電報部部長思井は自ら電報によって告白することで、電報の持つ心のこもった素晴らしさを体現した瞬間であった。以来、この出来事は学校の伝説となり、電報部は告白の代弁者となっていくのはこの後の話。「おめでとう、思井。勇気を出して告白した思井も えらいが、それを受け止めた高根もえらいぞ。 先生はうれしいっ!」「ありがとうございます、マイティーチャー。」「で、先生としてはお前らに幸せになってほしいので 特別に今日の放課後にデートをセッティングして やろう。」「本当ですか?」「ああ、職員室でだ!特に思井、理由はわかっているな。」「マジっすか…」