「暮らしのハンドブック」脳血管障害の先輩から後輩へ
先月からしばらくの間、朝日新聞生活欄に連載され続けている「患者を生きる」脳卒中・・で先週紹介されていた笠井雅雄さんの書かれたこの本が、今週の一冊です。ご自身が55歳の時に脳梗塞を発症されて、その経験から書かれたものです。脳血管障害後遺症者が突然おそってきた脳血管障害とその後遺症と対処するために、後輩が同じことに苦しみ悩むことが少しでも少なくなるように、先輩の経験と暮らしの知恵を伝えるために編集された本です。すでに多くの体験記や多くの行政サービス・マニュアルがあるにかかわらず、私達は情報不足に苦しんでいるのです。私は早速PCで検索し「グループピアズ」のページにたどり着きました。ご本人へメールで本の購入を依頼したのです。速やかに本は送って頂きました。定価1000円に送料が少々です。発症後の後遺症には3種類あります。機能障害・・・これ目で見ることの出来る、見たままの状態です。体調障害・・・これは本人にしか解らない。麻痺した半身が鉛のように重くなる、腕がぶら下がった状態のため、腕の重みで肩が亜脱臼し腕を切り落としたくなるほどの肩痛があります。特に寒さや緊張には敏感に反応をして、身体の半分が痛みも伴って固まってしまうのです。精神的後遺症・・・突然にこのような身体になってしまったことが納得できず、常に???と言う状態に。体調障害がひどい状態には不眠症にもなります。何をするのもイヤになる。悪循環に陥ってしまうのです。これに失語症や言語障害。右利きの場合は利き腕変換の問題もあります。最大の悩みである後遺症が改善するのか一生今の状態が続くのか、将来への不安は大きいのです。そのあたりの疑問の解決が、多くの同病の先輩達の共通体験を読むことにより、ある程度の目安になり、勇気も与えられました。日常生活(ADL)を取り戻すための一年目が、私も間もなく終わります。2年目からは、体調も少しだけでも回復して、生活にゆとりが出てくる時期、Quality of Life・・生き甲斐を求めるようになる時期でしょうか。笠井さんは現在「グループ・ピアズ」の活動、その他個人的にも意欲的な毎日を送られています。このような先輩は、私の今後ににとっても大きな励ましになるものです。